じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

森鷗外「阿部一族」

2018-04-11 16:53:13 | Weblog
☆ 森鷗外の歴史小説「阿部一族」を読んだ。江戸時代初期、肥後藩で実際に起こった上意討ちを題材にした作品。

☆ 藩主細川忠利の病が重くなったとき、家臣の多くが殉死を願い出た。藩主は簡単には応じなかったが、比較的新参の18人に許しが下った。藩主の近臣ながら許しが出なかった阿部弥一右衛門、家中で「命が惜しかったのでは」との噂が出るに及んで腹を切る。これが藩主の命に背いたとして問題になった。

☆ 背景には政治的な思惑があったのだろう。弥一右衛門の後を継いだ権兵衛は先の藩主の霊前で意表を突く行動に出る。これが不敬だとしてまた問題になる。

☆ 追い詰められた阿部一族は屋敷に立てこもり、上意を受けた藩士との壮絶な戦闘の末、一族が全滅する。


☆ 実際にあった出来事を土台にしているせいか、ルポルタージュのような書き方だと思った。登場人物が多くその点は少し混乱した。屋敷での戦闘シーンは迫力がある。

☆ 殉死が一つのテーマだというが、今の私には実感がない。勇ましさ(潔さ)と世間体(名誉と恥)を生きる尺度としていた時代の話だ。それにしても血生臭い。戦乱が収まって日が浅い時代の出来事だからか。

☆ 乃木将軍の殉死の翌年(1913年)に発表されたというから、そうした時代背景の触発もあったのだろう。
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「クリード チャンプを継ぐ男」

2018-04-11 13:13:19 | Weblog
☆ 映画「クリード チャンプを継ぐ男」(2015年)を観た。

☆ 「ロッキー」シリーズのスピンオフ作品。かつての対戦相手アポロの息子がロッキーを訪ねてくる。トレーナーをしてくれという。年齢を重ねボクシング界から距離を置いていたロッキー、最初は断っていたが、結局トレーナーを引き受ける。

☆ 過酷な練習の末、組まれたマッチは世界チャンピオンとの戦い。さて、結果は・・・。

☆ 「ロッキー」第1作(1976年)を思い起こさせるような作品だった。

☆ シルヴェスター・スタローンは売れない役者だったとき、自ら脚本を書いて映画会社に売り込んだという。それが「ロッキー」。ロッキーの戦いはまさにシルヴェスタ・スタローンの戦いであり、それはベトナム戦争で疲弊したアメリカ社会に勇気を与え、低予算にもかかわらず空前のヒット作となった。

☆ それから40年。さすがにロッキーも年をとったが、スクリーンで見ることができるのがうれしい。

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