じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「市民ケーン」を観た

2017-12-17 22:36:45 | Weblog
☆ 映画「市民ケーン」(1941年)を観た。

☆ 新聞王と呼ばれる男が「薔薇のつぼみ(rosebud)」という言葉を残して死んだ。「薔薇のつぼみ」とは何か。その謎を探る形で男の生涯が描かれていた。よくできた作品(脚本)だと思う。

☆ この男、実在の新聞王ハーストがモデルだと言われる。大衆社会の時流に乗り、一躍マスコミ界の王に君臨し、政治の世界にも進出した。

☆ しかし、実業での成功とは裏腹に私生活では孤独だったようだ。原因は彼のナルシシスティックな性格にある。その性格ゆえに成功を収めたともいえるが、自分以上に人を愛せない性格は他人から見ると傲慢以外の何物でもない。問題は本人がそのことを自覚していないところだ。

☆ 「自分がこれほどまでに愛しているのにどうしてそれに応えてくれないのだ」

☆ この気持ちが孤独を深めていく。宮殿のような住まい、家の中は値段がつけられないほどの文化財や調度品で埋め尽くされていた。それはまるで孤独の隙間を埋めるように。

☆ 老けメイクが見事だった。場面展開も素晴らしかった。冷めていく夫婦関係の描写などとてもわかりやすい。

☆ ところで、「薔薇のつぼみ」とは何であったのか。映画の中でジグソーパズルになぞらえて、人生の1ピースと表現していたが、案外死を前にしてたまたま目に入った文字だったのかも知れない。特別な意味などなかったのかも知れない。

☆ 「人生とは何か」という問いと同様に。
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「何者」を観た

2017-12-17 20:27:24 | Weblog
☆ 映画「何者」(2016年)を観た。

☆ 就活をする5人の大学生の話。人が死んだり、宇宙人がやってきたりするような話ではなく、どこにでもあるようなテーマだけれど、サスペンス映画のような緊迫感があった。

☆ 若手実力派の演技とバックに流れるピアノのソロが良い。

☆ 「就活」って大変だね。
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「わからん!」

2017-12-17 13:52:41 | Weblog
☆ 朝日新聞、日曜恒例の「読書」の紙面。大澤真幸氏の「古典百名山」は西田幾多郎の「善の研究」を取り上げていた。

☆ 記事の中で、弟子による西田の授業のエピソードが紹介されていた。

☆ ある授業、講義の途中で西田は黙り込み、突然「わからん!」と言うや教室を後にしたという。

☆ 大澤氏は波打ち際で沈む太陽を眺める例を引き、「純粋経験」を解説している。場所は変わって教室だけれど、西田は講義中も純粋経験に浸っていたのかも知れない。

☆ それにしても「わからん」と言える人はすごい。私たちはどうも知ったかぶりに慣れてしまった。そもそも、「わからん」と叫べるまで考え詰めることを放棄してしまっているようにも思う。逃げている。

☆ 西田は勇敢だ。西田はその時何を考えていたのだろう。そして「わからん」ことに解決はあったのか。興味がわく。


☆ 学生時代、西田の「善の研究」は「禅」に通じるといった教授がいた。自己の体験を通してしか結局はわからないのかも知れない。

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