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父の日

 昨日は年に一度の父の日、とは言え、我が家はいたって平穏な一日になるはずだった。一週間前の私の誕生日には、息子が「おめでとう」と電話をしてきてくれたし、娘は夜遅くなってから「Happy Birthday」のメールをくれた。もうそれだけで胸が熱くなるほど嬉しかったから、父の日だからと言って特に何かをしてくれなくても十分だ。だが、それは自分が父親だという視点に立った話であり、子供として父の日を迎える準備をしていなかったのに気づいたのは、昼前に弟からかかってきた電話のことを聞いた時だった。
 「あーちゃんが電話してきたよ」と妻が言ったが、ここ一週間ほど風邪が抜けずに困っている妻だけに子供たちに接触はできない旨を伝えた上で、一家の来訪を待っていると答えたそうだ。体が丈夫であちこち飛び跳ねてきた妻だが、今年に入って体の不調を訴えることが多くなった。更年期に達した女性の宿命のようなものかもしれない。あれこれ試みてはいるものの、やはり忍び寄る老いには勝てないのか、と寂しい思いがしないでもない。まあ、それは同い年と私が日々実感することなので、改めて悩むほどのことではないであろうが・・。

 弟家族があって来たのは夕方も5時近く。塾を終えてビールを飲み始めていた私には待ち遠しい到着だった。
「おじちゃん。。」
とか言いながら家に入って来たあーちゃんはいつものごとく元気がいい。つくし組になったとかで、すみれ組になったひまちゃんとはクラスが分かれたそうだ。いつまでもワンペアーでいるわけにもいかないだろうから、それは幼稚園の賢明な処置だろう。全身エネルギーの塊のようなあーちゃんはじっとしていられない。絶えず動き回って忙しい。二階で蟄居している妻にも階下から何度も声をかけるが、彼らに風邪が伝染するのを用心した妻は言葉を返すのみ。つまらなさそうなあ-ちゃんには申し訳ないが、風邪が伝染っては大変だ。昨日は頑として子供たちに接触しなかった・・。


 玄関に並んだクロックス、2歳になったばかりのひかる君も愛用しているようだ。そう言えば、先日家に戻ってきた娘も、バレーシューズのようなクロックスを履いていたから、いろんな種類があって広く定着しているのだろう。が、私はあくまでも草履で押し通す覚悟だが・・。
 子供たちと遊んでいたら、居間にいた弟が私を呼ぶ。「出たよ!」
何だよ、と思いながらTVを見たら東京ドームに巨人の55番がバッターボックスに入ったところだった。「大田だ・・」大きな身体をして顔付きは精悍だ。それに比べると構えが小さな気がしたが、どんなバッティングをするのか楽しみに見た。一球目は豪快に空振り。いいぞ!二球目は明らかにボール球だったが、これも大きな空振り。いいぞ、いいぞ!!「三球三振だな」と呟いていたら、三球目も全身を使って空振り!!最高だ!!こんなに気持ちのいい三球三振を見たのは久しぶりだ。ちまちま当てに行こうとせずに三球とも振り切ったのは立派だ。さすが55番を受け継いだ男だ。これなら期待が持てる。本家の55番が停滞しているだけに新55番に気持ちがシフトしてしまいそうだ・・。


 その後妻を除いた全員でワイワイ言いながら夕食を食べた。やはり小さな子がいる食卓は賑やかでいい。子供たちは3人とも父が畑で採って来たばかりのきゅうりを1本ずつまるかじりしていた。その豪快な食べっぷりを見ているだけで嬉しくなる。
 自分の子供たちは身近にいなくとも、楽しい「父の日」だった。
 
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