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すっきり!

 なんだか最近、頭がというよりも心が煮詰まってしまい、授業をしていてもついつい言葉がきつくなっていることに気づいた。夏休みが終わってから、9月の最初の日曜を休んだだけで、ずっと毎日休まず授業をしているから、だんだんと視野が狭くなってきて、塾のことしか考えなくなってなってしまう。これは、心に黄信号が灯った状態であると、私は思っている。夏休みは、朝から夜遅くまで授業をしてへとへとになっても、日曜日は必ず休めるので、その日一日で気持ちを入れ直して次の週へとつなげることができる。その意味では、私の精神状態は肉体的な疲労にもかかわらず、ある程度良好な状態を維持できる。しかし、2学期になるとずっと休みなしで塾を続けることになるので、メリハリの利かない、いわばエンドレスの日々が続くような気がして次第に気持ちが鬱屈してくる。別に何かがしたいわけでもないが、温泉が恋しくなったり、やたら外でご飯を食べたくなる。バスの運転をしていても気づけばいつもこの歌を口ずさんでいたりする。

    僕が若者という名で呼ばれはじめて そして
    今になるまで
    つぶやき 
    あるいはさけびつづけた
    言葉を今 言おう
    何かいいことないかな
    何かいいことないかな
    何かいいことないかな
    何かいいことないかな
        河島英五 「何かいいことないかな」

 何かいいことないかなあ、毎日そんなことを考え出したらもうダメだ。どうにかして気持ちを入れ替えなけりゃあ、煮詰まってしまう。今の時期、受験生にとってはまさに正念場の時期であり、私がイラついていては敏感に生徒が反応してしまう。そうなる前に、気分転換をしなければならないことは、長い経験から分かっている。しかし、一日休んでリフレッシュなんて呑気なことは許されない。一日たりとも休むわけには行かない。松井の連続試合出場記録よりも、自分の連続授業記録の方が大切に決まっている。で、どうするか。
 毎年こうなったら、私は買い物に出かけることにしている。妻と連れ立ってデパートへ行き、何も考えずに欲しい物を買う。ただそれだけのことだが、私には結構効き目がある。まず、普段から人が集まるところに縁がない生活をしているから、都会の雑踏は祭りのように私の心を弾ませる。次に、欲しい物を探すことで我を忘れることができ、代金を精算する時(と言ってもカード払いだが)に、アアこんなに浪費してもいいのかと、しばし心の葛藤が味わえるのも、日常を離れられて頭の中がスーッとする。さらには、行き帰りの中で妻とぺちゃぺちゃしゃべり続けることも、大いに気分転換になる。さらにさらに、これだけまた借金したことになるから、よし頑張るぞと気合がこもってくる。うーん、私は何て単純にできているんだろう。
 そこで早速今日出かけた。朝早く起きて、教室の掃除を済ませ、授業の用意を簡単にし終えて、妻の用意ができるのを待って、勇躍出発した。それからは、3時ごろに帰宅するまで、怒涛の買い物(運良く私の好きなブランドがバーゲンをしていた)、昼食と一気に突っ走ってきた。何がなんだか分からぬ時間だったが、大きな紙袋を提げて帰って来たから、その分の効果がなければならないはずだ。
 で、どうだったかといえば、使ったお金の分くらいは頭がすっきりしたかもしれない。確かに昨日よりも心がずいぶん軽くなった。もっと買い物をすればもっと楽になれたかもしれないが、そうしたら、お金の心配がのしかかってくる。これくらいがちょうどいいのかもしれない。
 こんな単純な人間に生んでくれた両親に感謝せねばならない。
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