茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記26年5月27日「鍼灸治療の保険適応とWHOの有効性の認定。」

2014-05-27 07:13:27 | 日記
昨日のブログで「五十肩の保険治療」について書きましたが、お問い合わせがありましたので少し詳しくお話してみます。

西洋医学で診断名が付かない症状でも、東洋医学では「証」で治療することができます。

病は「経絡治療」で言えば大きくは「肺虚証」「脾虚証」「肝虚証」「腎虚証」の四個のいずれかの「虚証」に分類されます。

鍼灸治療は全ての「証」を治療できますので西洋医学では明確な診断名が付かない症状も治療が可能です。

現在の日本で鍼灸が保険が適応できるのもは以下の6種類です。

1.神経痛…例えば坐骨神経痛など。
2.リウマチ…急性、慢性で各関節が腫れて痛むもの。
3.腰痛症 …慢性の腰痛、ギックリ腰など。
4.五十肩…肩の関節が痛く腕が挙がらないもの。
5.頚腕症候群…頚から肩、腕にかけてシビレ痛むもの。
6.頚椎捻挫後遺症…頚の外傷、むちうち症など。
その他これらに類似する疾患など。
これを保険適応するのには医師の同意書が必要とされます。

最近、NIH(米国 国立衛生研究所)の見解として鍼灸療法の各種の病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として効果について有効であると発表しました。

WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病気には、次ぎのものを挙げています。
(☆が健康保険が使えるものです。)
【神経系疾患】
☆神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

【運動器系疾患】
関節炎・☆リウマチ・☆頚肩腕症候群・☆頚椎捻挫後遺症・☆五十肩・腱鞘炎・☆腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防

【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

昨日治療した「五十肩」は、健康保険の適応症の一つに該当しています。鍼灸が有効であるとWHOが認定した疾患のほとんどが残念ながら健康保険に適応していないのが現状です。

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