茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記令和元年8月31日「油ものを食べると眩暈がする?」

2019-08-31 06:25:58 | 日記

患者さんから「油っこいものを食べてから、眩暈(めまい)がする様になったのですが、関係ありますか?」と質問されました。

東洋医学的に考えると関係はあります。

めまいと関係が深いとされる臓腑は肝・腎・脾です。原因は「風火」「痰」「虚」に関連が深いとされます。肝・腎・脾3つの臓腑の働きのいずれかが乱れて起こると考えられています。


 肝は黄帝内経「素問」に「めまい(眩暈)は肝に属す」(諸風掉眩、皆肝に属す)と記され「肝は目に開竅する」といわれています。東洋医学的にはめまいと最も関係が深いのは肝だと考えられています。

東洋医学でいう肝は肝臓機能の働きだけではなく、自律神経の働きを調整して全身の血(血液循環)をコントロールしています。

目の使いすぎによる眼精疲労、精神疲労、ストレス、寝不足、過労等は肝を消耗させる事になります。

結果として自律神経の働きが乱れ、脳や内耳の方へ十分血液が循環しなくなり、めまいの症状を起こします。

腎は「腎は耳に開竅する」といわれ、耳は腎とも深く関係が有ります。東洋医学でいう腎は泌尿器だけでなく、内分泌(ホルモン)系、免疫系、生殖能力、骨歯、耳、髪、腰などと関係しています。

発育・成長・老化と関係していますので、年をとる毎に腎の機能は低下していきますし今年の様な猛暑は腎の気を消耗させます。それが「腎虚」と呼ばれる状態です。

腎虚になると骨や歯は弱くなり、尿の出方、生殖能力も弱ってきます。そして耳の方も、耳鳴りや難聴が起き易くなります。耳の内耳の平衡器官の方が障害されるとめまいが起こります。

脾は「痰無くしてめまい起こらず」といわれ、飲食不節や脾胃の機能低下により運化作用が低下して痰濁が起こり清陽不昇・濁陰不降となりめまいが起こる事が有ります。

油っこい食べ物、甘い物の食べ過ぎ、冷たい物の飲み過ぎ等が消化器系の働きを弱め、胃内停水といって、胃の中で水がポチャポチャした状態になります。こういう状態を水毒といって身体の中の水分代謝が悪くなり内耳の水ぶくれ等でめまいを起こし易くなります。

以上のように猛暑で体力を消耗し、デスクワークで深夜までパソコンに向かい目を酷使し、油っこい食べ物、甘い物の食べ過ぎ、冷たい物の飲み過ぎ等の要因が重なると眩暈(めまい)がおこることもあります。


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