患者さんから
『病院でドクターから鍼灸院で丹田を鍛えてもらいなさい。』と言われました。
と相談を受けました。
丹田とは古来は内丹術で気を集めて煉ることにより霊薬の内丹を作りだすための体内の部位とされていました。作られる霊薬は有名な「仙丹」ですね。形ある臓器では勿論ありません。
武道や座禅瞑想では下丹田を鍛えることがあります。
鍛え方は呼吸法など様々な方法がありますがここでは詳しくは触れません。
丹田には上丹田・中丹田・下丹田があり、鍼灸では任脈上の関元穴を下丹田(臍下丹田)として治療に用いる事があります。
関元穴以外にも臍以下の陰交・気海・石門を総称して丹田と言われることも有るようです。
私の想像ですがお医者さんは貝原益軒の「養生訓」を考えていたのではと思います。
「養生訓」には「気を養う術は常に腰を正しく据えて心気を丹田に集め、呼吸をしずかにし荒くせず、事をする時には胸中から何度も軽く気を吐き出して、胸中に気を集めないで丹田に気を集めなくてはならない。」と記されています。
お医者さんは「養生法」の一つとして「丹田」を鍛えることを勧められたのだと思います。
東洋医学では「丹田」は男子では精を蔵し、女子では蓄血の部位とされ、人の生命の要、真気の存するところ、元気の関所とされ、丹田(=関元)は補益元気・温経散寒・調血暖宮・強身坊病などの作用があり月経不調・経閉・帯下などを治すると考えられています。
丹田(=関元)は当院では妊活の治療に必須の経穴の一つでもあります。