茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年11月1日「鍼灸による不妊症の治療。」

2016-11-01 05:46:51 | 日記

先日『鍼灸の不妊症の治療を受けて見たい』とお見えになった方が『継続して治療を受けたい。』と来院されました。

「鍼の治療を受けて見ていかがでしたか?」とお尋ねしたら、『鍼を受けて数日間は関節が柔らかく体も温かくポカポカしていました。』との事です。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」という流派の鍼を用いて「不妊症」の治療を行っております。

患者さんの体の虚している臓腑の気を補う治療を行い、体全体の気血の流れを調える治療法なので関節に刺さなくても関節が柔らかくなり、冷え性が改善し骨盤腔の中の血流も良くなります。

今回は「腎虚証」で治療いたしました。昔から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。

そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとされています。また腎は、生殖用の精も貯蔵しています。生殖用の精が不足すると、妊娠ができない様々な症状が出てきます。

男の精と女の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。腎の力は成長と同時にその力も高まっていきます。

中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。

 女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。
21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈が空虚になり、月経が停止する」

最近CMで見かける女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。

生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若くても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

当院では東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては現代医学との併用が有効と考えます。

当治療院では鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「ストレス」「お血」「体の冷え」を治療し妊娠し易い体を造ることを目標とし治療をしております。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 壽堂日記28年10月31日... | トップ | 壽堂日記28年11月2日「... »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事