茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記8月21日「不妊治療(冷えのぼせ)の鍼灸治療。」

2012-08-22 07:51:22 | 日記
今日も暑かったですね。太陽光線が肌をじりじりを焼く様な感じでした。
そんな暑い中「不妊治療」のお客様が来院されました。

不妊症の原因の一番は「冷え」二番は「お血」です、「お血」とは古い血が滞ることです。「お血」も「冷え」の原因になります。
「冷え」とは「精気の虚」のことで、猛暑で「冷え」が改善されることはありません、逆に「猛暑による疲労」で「精気の虚」が強くなり
「冷え」が強くなることが考えられます。
元々「精気」は「陰」の性質を持つものですから、夏場で「陽の気」が盛んになりやすく「陰虚陽盛」になりやすい季節です。

今回のお客様は20代女性、既婚、子供無し、生理痛が辛いといと言うことで来院されました。
症状として、生理が始まると痛みで、何も手につかないと言う訴えで、下腹部から腰にかけて引き攣るように痛み、冷えのぼせ・頭痛・肩こり・腹痛・腰痛・生理痛という症状でした。

腹診をすると、脾の領域、腎の領域に圧痛硬結、臍周囲の冷感が見られました。
特に左下腹部の硬結が著明で、東洋医学的には「小腹急結」と云う「お血」の腹証でした。

今回は腎虚症として「積聚治療」第4方式で治療しました。
腹部接触鍼をすると腹部の引き攣れ感が改善、脈調整は大陵を使用、臍周りの硬結は軽減しました。
最後に残った左下腹部の硬結を「積」として腎積腎虚症として治療を進める事としました。
背部接触鍼を行うと、腰部志室付近が冷たくざらざらとした感じを受けます。

何回か背部接触鍼を行うと、ざらざら感が減少、健側を右に取り、右背部膀胱経2行線に4穴、一行線に2穴、最後に督脈上に灸、命門上に箱灸を行いました。膀胱経一行線の腎兪を治療中「足先が温まってきました。」と報告してくれました。
命門上の箱灸をすると、お客様は「腰がポカポカして気持ち良い、お腹の痛い所に届く感じがして、お腹も温かい、痛いのが治まった。」と感想を述べられました。
仰向けになって頂いて、再度お腹を診ますと、左下腹部の硬結と痛みがとれて、腹部全体がふっくらとして暖かくなっています。
冷えのぼせと生理痛も引き攣れ感も治まったので今回は治療終了としました。

今回の鍼は積聚治療用に開発された、先の丸い積聚鍼を使用し、刺入はしませんでした。積聚治療は鍼法は接触鍼が基本なので鍼を刺入する事に抵抗感がある方でも安心して治療を受けることが出来ます。

当院の不妊治療は「母胎を妊娠し易い状態に改善すること。」を目的としております。お客様の症状で、腎虚症で治療するのか脾虚症その他の虚症で治療するのかは変化しますが、根本の「冷え=精気の虚」を治すということは変わりありません。
不妊症・婦人科の症状で悩みの方は一度鍼灸治療を受ける事をお勧めいたします。
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