「不眠症・頸凝り・肩凝り」の患者さんが見えられました。
お話を伺うと「肩こりが辛く、神経が昂って夜眠れない。肩凝りと興奮した神経を穏やかにする鍼をして欲しい。」と云うことでした。
三月の年度末から忙しく仕事をされているそうです。お仕事による肉体的な疲れと精神的なストレスとが蓄積されていると拝察されます。
今回の治療方針は先ず「虚を補い」その後に「寧心安神」の処方を行う事としました。
「寧心安神」は簡単に言うとを精神不安状態を安定させることになります。
当院では妊活中の方に「ストレス」の緩和の施術を行う事が多いわけですが「寧心安神・ストレス緩和」の治療は得意とするところです。
現代医学的には「睡眠」は延髄にある「睡眠中枢」でコントロールされているのですが東洋医学では「神不安、則不寝」といい、「神」が不安定になると眠れないとしています。
「神」というのは、広義には姿形、顔色、眼光、語勢など体の外に現われる生命現象を指しますが、狭義には意識、思考、思惟などの高次神経機能を指します。こうした「神」の働きが乱れると眠れないというのです。
「不眠」の原因は心脾不足・心腎不交・腎水不足・心火不降・水火不済・陰虚火旺など多く考えられます。
今回は四診を総合して判断すると「心脾両虚」による「不眠症」のようです。
「脾積脾虚証」で本治法を行い標治法は四神聡穴+百会穴と安眠穴を用いその後にMT温灸を経絡に沿って丁寧に掛けました。
標治法で使用した四神聡穴(百会の前後左右親指の幅1本)の「神」は精神の意味、「聡」は聡明の意味で、精神状態を落ち着かせることができ、自律神経のバランスが是正され、頭の感じをスッキリさせる効果があるツボです。