茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年6月9日「刺さない鍼と刺す鍼?」

2016-06-09 06:48:48 | 日記

外房の海岸の町にお住まいの方から『お宅の治療院は鍼を刺しますか?』とお問い合わせがありました。

鍼灸治療院なので鍼を刺すのは当然と思われるかも知れませんが、鍼灸の流派によっては「刺さない鍼」を使用して治療する所もあります。

以前は東京の鍼灸院まで通院していたそうですが、外房地方で鍼灸院を探しても「刺す鍼」で治療する所が無かったそうです。

「ことぶき堂鍼灸院」では刺さない鍼を主に使用して治療する「積聚治療」という流派の鍼と「澤田流鍼灸術」という刺す鍼とお灸を組み合わせた治療法の二つの流派の鍼を症状によって使い分け治療をしております。

婦人病や不妊症の方は刺さない鍼を使用して治療し、筋肉の凝り痛みが強い方は「澤田流鍼灸術」で治療する事が多いです。

患者さんがお見えになり体を診察すると、これは見たことのある鍼痕ですね。私が師事していた「澤田流鍼灸術」の師を思い起こさせる経穴の使い方です。

東京で通院されていたのはおそらく「澤田流鍼灸術」の治療院であろうと思われます。

「澤田流鍼灸術」は現在主流となっている経絡治療が確立する前に昭和の名鍼灸師と呼ばれる澤田健先生によって創始された治療法で現在では外房地域では「澤田流鍼灸術」を使うのは当院だけではないかと思われます。

「澤田流鍼灸術」の本は現在も入手できますが。それを臨床に高めるには師事して実際の治療を体験することが必要です。

治療の方は患者さんから『これこれ、この刺す鍼が自分の体に一番体に合っている。』との事でした。

「刺す鍼」と「刺さない鍼」の間には優劣はありませんが、当院では患者さんの症状体質により使い分けております。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする