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櫛挽道守(くしひきちもり)

2015-05-02 16:36:19 | 読書
第9回 2014年中央公論文芸賞 木内昇著櫛挽道守(くしひきちもり)を読んだ。
久々に文芸作品に触れた感じで引き込まれて面白かった。




あらすじ(サイト参照)

江戸期に生まれ、中山道の名物となったお六櫛は、今も長野県の伝統工芸品として、広く愛用されている。
木内昇(のぼり)の最新長編は、そのお六櫛を作る櫛挽職人になった、女性の半生を綴(つづ)ったものだ。

 幕末の中山道藪原宿。16歳の登勢は、お六櫛の天才職人である父親の吾助を尊敬し、櫛挽に魅了されていた。
跡取り息子の直助が急死してから、母親や妹と登勢の関係は、ぎくしゃくしている。

 しかも、父親に許された彼女が櫛挽の修業を始めると、女性が職人になることを認められない宿場の人々により、
一家は冷遇されるようになった。それでも櫛挽の道に邁進(まいしん)する登勢。
幕末動乱の風を感じながら、彼女は一途(いちず)に生きていく。

 ただひとつのことに熱中できる、登勢の魂は純粋だ。
しかしそれゆえに彼女の在り方は、周囲に影響を与える。
女性としての枠組みに収まらない登勢に、妹はいらだちを隠せない。
また、吾助に弟子入りしていた太吉は、登勢の才能に嫉妬する。
その結果としてふたりは、吾助の家から離れてしまうのだ。
お六櫛のことしか考えられず、身近な人間を振り回していることに気づけない登勢は、時に残酷ですらある。

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