*** june typhoon tokyo ***

Mia Nascimento @mona records


 三者三様のスタイルで彩った、アットホームなフライデー・ナイト。 

 東京・下北沢のライヴハウス「モナ・レコード」を舞台に不定期で開催しているミアナシメント主宰の金曜夜のフリーライヴ〈Friday Night〉が、急遽開催という告知が舞い込んできたので、足を運ぶことに。ミアナシメントのライヴは、今年1月のバースデーパーティとソロ活動1周年記念を兼ねた〈ミアナシメント生誕&1周年フリーパーティー!!!〉(記事→「Mia Nascimento / 桐原ユリ @mona records」)以来、不定期企画〈Friday Night〉は昨年11月以来(記事→「Mia Nascimento / 桐原ユリ @mona records」)の観賞となる。今回は〈生誕&1周年フリーパーティー〉の時にも参加した沖縄出身のシンガー・ソングライターの幸せはとねと、16歳のシンガー・ソングライターの足浮梨ナコ(アシウ・リナコ)が出演。アットホームな雰囲気のなか、バラエティに富んだ音楽を展開した。
 さて、毎回面白いマッチメイクとなる〈Friday Night〉だが、この日もゴールドのショートボブヘア、パンダのポシェットを首からかけた幸せはとね、グリーン系のショートヘアにカラフルなパッチワーク風コスチュームの足浮梨ナコ、そしてブラジリアンのミアナシメントと、三者三様に“画ヂカラ”の強い面々が集うことになった。

 トップバッターは幸せはとね。前述の〈生誕&1周年フリーパーティー〉で観賞して以来、2度目のステージとなる。序盤はリズミカルなポップ「MUU」や、両腕を交互に前後させてのイヤイヤポーズとともに“やだなーやだなーやだやだなー”と歌う微笑ましいポップ・チューン「やだやだ」で楽しいムードを構築。ただ、それ以降は「遠い空」「ぽいって」など比較的スローな楽曲でまとめたセットリストに。スローな楽曲でも、にこやかな丸顔ということもあってか、穏やかな感じだったが、「さよならグッバイ」は甘酸っぱいというか切ない感情をチラリと覗かせた、ほんのちょっぴり大人を知ったようなテイストに。ピュアな心情を衒いなく歌う姿は、ガールポップ・ファンなどの支持を得そう。

 また、最後に歌った「島風」は、沖縄の青い空と海を想起させるような琉球音階の美しいメロディや、“ガジュマルの木”や“命どぅ宝”などの沖縄ならではのフレーズや日本で地上戦となった沖縄戦についての想いを綴った詞を、三線の弾き語りで披露。激しく訴えかけるような歌唱ではないものの、沖縄出身だからこその脈々と受け継がれてきた思いや譲れない感情のようなものが、ほんのり見え隠れしていたような気もした。澄んだ大らかな気持ちになれる歌声だが、決して柔くはない。笑顔の後ろに潜む芯の強さのようなものも。そして、MCでの沖縄訛りがキュート。

 ちなみに、最近自炊を始めたとのこと。あと、キメポーズのはとねポーズは沖縄の名産・ちんすこうが頭に刺さったものを表現しているということも発覚した。



 続いて、グリーンのショートヘア、パッチワーク風のカラフルなコスチュームで弾むようにステージインしたのが、足浮梨ナコ。作詞・作曲・編曲・トラックメイクなどを完全自己プロデュースするという16歳の高校生シンガー・ソングライターで、クィアであることを公表しているとのこと。また、講談社のオーディション・プロジェクト〈ミスiD 2021〉ではエンジェル賞を受賞して話題になったようだ。
 16歳の高校生といっても、どちらかというとつい一見、先日まで中学生だったような風貌や雰囲気で、歌い口もやや舌足らず感もあったりするのだが、音が鳴り始めると怯むことなどなく、一気に“梨ナコワールド”へと突入。その“突き抜け”感とともに、笑顔を絶やさず、ステージ狭しと動き回り、エナジーが満ち溢れているのが印象的だ。序盤の「妄想少年」ではいわゆるガール・ギター・ポップのような風体でギターを掻き鳴らしたかと思ったら、その後はスニーカーを脱いで靴下でステージで跳ねるなど、天真爛漫と奔放の合間を行き来するパフォーマンスも特色。
 
 ラップトップから音源を流しながらのギター弾き語りをメインとしているが、ヘヴィロック調の「日食」や、軽快なギター・ポップ・サウンドで“私は宇宙人”と歌う「宇宙人の女の子」、エレクトロニックなアプローチでラップ風に畳み掛ける「Let'sダンゴムシ」など、楽曲はヴァラエティに富んでいる。そして、それ以上に彼女ならではの詞世界が独創的。日常にあるテーマを歌っていたりもするが、その見方というか発想が斬新。たとえば、「Let'sダンゴムシ」では、ダンゴムシは小さいけれど、ダンゴムシから見たら人間は恐竜以上、といった風。その独創的な発想をストレートに楽曲に乗せて歌う姿は、若さも加えて清々しいほどでもあった。

 ちなみに、苗字は「山田」らしく、ファンはみな「山田」ファミリーになるとのこと。



 トリは主宰のミアナシメント。序盤ではオルタナティヴR&Bの要素も含んだ「不透明」からチルラップを駆使した「KUMO」とややアンニュイなテイストの楽曲で、中盤では青空とそよ風を想起させる爽やかなポップ・チューン「Summer Me, Winter Me」から矢継ぎ早にブラコン・テイストのアレンジが映えるファンキー・ディスコ「Sweet Magic」とダンサブルな楽曲で、それぞれ構成。終盤はアンビエントR&B/ジャジィ・ソウル作風のアダルトな「Rainy day」「Night」で艶やかに一旦クールダウンした後に、ダンサブルなグルーヴィ・ポップ「Shake」でジョイフルなエンディングに。ステージでの場数が増えるたび、特に表現力において成長の一途が感じられ、特に「Rainy day」「Night」といった褐色のスムース・ラヴァー風の楽曲では、大人の色香と機微をしっかりと楽曲から放出させていて、今後もさらなる期待を抱かせるステージングだった。

 MCでは、近況について語ったのだが、「FIJIウォーター」のオフィシャルアンバサダーに就任したとのこと。FIJIウォーターといえば、彼女が以前新メンバーとして加入したガールズ・グループのEspeciaの第2章スタート時のアートワークにおいて、ヒジャブにマスクというミステリアスな姿とともに持っていたもの。いわばそれがEspecia第2章のシンボリックなアートワークかつミアナシメントの音楽キャリアのスタートであったが、時を経て、翌日の土曜にEspeciaの結成10周年記念ライヴが大阪にて行なわれるという直前のタイミングでのアンバサダー就任というトピックだったゆえ、FIJIウォーターが取り持つ縁のようなものにも感じられた。

 なお、FIJIウォーターのアンバサダー活動は、インスタグラムの洒落た写真でその一端が見られるとのこと。





◇◇◇

<SET LIST>
《幸せはとね》
MUU
やだやだ
遠い空
ぽいって
さよならグッバイ
島風

《足浮梨ナコ》
妄想少年
日食
宇宙人の女の子
すてtiger
Let'sダンゴムシ
and so on...

《Mia Nascimento》
01 不透明
02 KUMO
03 Summer Me, Winter Me
04 Sweet Magic
05 Rainy day 
06 Night
07 Shake


<MEMBER>
Mia Nascimento / ミアナシメント(vo)
Hatone Shiawase / 幸せはとね(vo, sanshin)
Rinako Ashiu / 足浮梨ナコ(vo,g)


◇◇◇

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