*** june typhoon tokyo ***

川崎 vs FC東京【ルヴァンカップ】


 一戦に懸ける執念で勝ったFC東京、レアンドロ2発と執拗な守備で川崎の連覇の野望を打ち砕く。 
 
 ルヴァンカップ準決勝にチーム一丸となって照準を絞ったFC東京が、リーグ戦で首位を独走し、ルヴァンカップ連覇を目論む川崎の進撃を阻み、ルヴァンカップ決勝への切符を手にした。

 リーグ戦では2位のFC東京と2試合消化が少ないながらも勝ち点12差をつけ、8連勝(公式戦9連勝)と勢いが止まらない川崎に対し、FC東京はリーグ戦前節の湘南戦で先発メンバー11人を総入れ替えして、主力を温存。このルヴァンカッププライムステージ準決勝に合わせてきた。一方、川崎の先発変更は、小林悠に代わってレアンドロ・ダミアンをセンターFWに配したのみ。前節試合開始時点で2位・C大阪との直接対決だったこともあり、連戦の疲労の不安も頭を過ぎるなかでの“多摩川クラシコ”となった。

 それでも序盤から攻撃を仕掛けたのは川崎。持ち味である流動的に動きながらダイレクトパスを繋いでゴール前へ進出しようとするも、FC東京のディフェンス陣が最後に“やらせず”に身体を張り、川崎の攻撃を食い止めていく。川崎はボールを支配してはいるものの、リーグ戦で近戦で見せているように容易に中央へは侵入出来ず、シュートは打つもののペナルティエリア外からが多かったりと、思ったような流れに焦れている様子も。僅かながら連係にズレも散見し、FC東京陣内でもやや外でボールを回す時間帯も少なくなかった。

 どちらにとっても先制点がこの試合を大きく左右することは自明の理だったが、喉から手が出るほど欲しかった先制点を掴み取ったのはアウェイのFC東京。14分に川崎陣内の左サイド深くまで進出した永井が、ゴールライン際でジェジエウに倒されてFKを獲得。これをレアンドロがニアサイドに直接蹴り込むと、川崎GK・チョン・ソンリョンの手を弾くもそのままボールが吸い込まれて、FC東京が先制に成功する。

 ことごとくFC東京のDF陣に対応され、あまり思ったような攻撃が出来ていないことを実感していたようにも窺えた川崎は、23分に脇坂がボールを奪ったディエゴ・オリヴェイラが前進していくところを執拗なチェイスの末に倒してしまい、イエローカード。中盤の軸の一つでもある脇坂が警告を受けたことで、早い時間帯からよりコンタクトに警戒しなければならなくなったのは、やや計算外だったか。FC東京は攻撃力の高い川崎相手にこの時点から1点で逃げ切ろうという考えはあろうはずもないが、先制したことで、永井、レアンドロが前線からプレスを仕掛けるとともに、ディエゴ・オリヴェイラがサイドに降りて地味ながらも献身的なボールキープやディフェンスをすることで、守勢に回れども冷静にブロックを敷いてのカウンターという、ピッチ上で明確な共通認識を持てたことで、川崎の攻撃を跳ね返していく。

 まずは同点に追いつきたい川崎は、後半開始時から齋藤を三笘、脇坂を大島にスイッチし、攻撃のリズムを上げていく。ようやくダイレクトパスを駆使しながら、相手を交わしてエリア内へ侵入する回数も増え始めると、FC東京は中村拓海に代えて中村帆高を投入し、三笘に対峙させる。中村帆高は最初こそ三笘に交わされてゴール前への進出を許したが、その後は執拗に三笘をマークし、自由に躍動させない。それ以外でもディエゴ・オリヴェイラやレアンドロほか前線の選手も自陣で気迫溢れるディフェンスを展開。川崎は三笘のドリブルで攻撃の起点を作るも、FC東京の最終ブロックを崩せないでいると、62分に試合が動く。自陣左サイドで獲得したFKから、GK・林のキックは田中碧が胸トラップで収めようとするも、そのこぼれ球を安部が頭で三田に繋ぐと、三田が川崎陣内中央から左へ走る永井へスルーパス。永井が快足を飛ばしてエリア左から送ったグラウンダーの折り返しを、中央から駆け込んできたレアンドロがスライディングしながら右脚で押し込んで、FC東京が追加点を挙げる。得意の形のショートカウンターであっさりと得点差を広げることに成功した。

 このままでは終われない川崎は、65分に小林悠、旗手を送り込んで攻撃への重心をさらに高めていくが、FC東京は押し込まれながらも森重と渡辺のCBを中心に易々と川崎の突破を許さない守り。69分には三笘が左サイドからカットインしてペナルティアーク付近の大島にパスすると、大島が右脚を一閃。左ポストに弾かれる強烈なシュートを放ったが、これも最後に森重が右脚を投げ出して当てたことで、ゴールを防いだファインプレーだった。

 セーフティではないが、精神的に追い詰められる状況にもならない2点差を得たFC東京は、攻守に奮闘した永井をアダイウトンに、三田を内田に代えて、押し込まれた状況の打開とカウンターへの迫力を増加。すると、守から攻への切り替えも活性化され、中盤でボールを奪ってからのカウンターを幾度か仕掛けていく。アダイウトンは自陣からターンで川崎DFを交わしてドリブル突破でゴール前へ持ち上がり、GKと1対1という場面も作るが、3点目はならず。

 アディショナルタイムに入り、FC東京はレアンドロを高萩にスイッチ。6分というやや長めにも思えるアディショナルタイムだったが、川崎はFC東京の粘り強い対応に苦慮したことが響いたか、ガクッと動きが鈍り始め、セカンドボールを奪えずにFC東京のショートカウンターの餌食になり始める。FC東京はこの時間帯での2点差に精神的な余裕も生まれながら、最後まで気持ちを切らせない集中力で対応。リーグ戦では4失点での完敗と苦汁を飲まされたFC東京が、リーグ戦ではないものの、川崎へのリヴェンジに成功し、2009年のナビスコカップ優勝以来の決勝へと駒を進めた。

 川崎の攻撃力は、疲労感があったとしても随所にスキルの高さを見せ、常にFC東京の脅威となり続けていたが、それ以上にFC東京がこの試合に懸ける執念と、前節リーグ戦などを含めたペンチワーク、選手起用をもってこの試合に挑んだ長谷川監督はじめスタッフのチームプランニングが奏功した形に。ルヴァンカップ決勝へ進むなかでの1勝ではあるが、アウェイの川崎を相手にほぼプラン通り、さらに完封で勝利したことは、今後の闘いにおいて大きな自信になるに違いない。そして、その自信をさらに強い意識へと変えるためにも、中2日で迎えるリーグ次節のG大阪戦は重要になる。ここからよりタイトなスケジュールが展開するなかで、さらなる総力戦が強いられるが、この勝利を眼前にしたベンチ外メンバーたちが次こそは自分の番と奮起することを願いたい。

 ルヴァンカップ決勝は11月7日(土)の13時5分キックオフ。相手は横浜FMを下した柏レイソルだ。

◇◇◇

【JリーグYBCルヴァンカップ プライムステージ 準決勝】
2020年10月07日(水)19:03試合開始 等々力陸上競技場
入場者数 6,635人
天候 雨 / 気温 19.4℃ / 湿度 74%
主審 西村雄一 / 副審 西橋 勲、熊谷幸剛 / 4審 上田益也

 川 崎 0(0-1 / 0-1)2 FC東京

≪得点≫
(川): 
(東): レアンドロ(14分)、レアンドロ(62分) 

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 22 中村拓海  → 中村帆高(55分)
DF 04 渡辺 剛
DF 03 森重真人
DF 06 小川諒也
MF 07 三田啓貴  → 内田宅哉(74分)
MF 45 アルトゥール・シルバ
MF 31 安部柊斗
FW 11 永井謙佑  → アダイウトン(74分)
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 20 レアンドロ → 高萩洋次郎(90+1分)

≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 32 ジョアン・オマリ
DF 37 中村帆高
MF 28 内田宅哉
MF 08 高萩洋次郎
FW 15 アダイウトン
FW 23 矢島輝一

≪監督≫
長谷川健太

◇◇◇

【2020 JリーグYBCルヴァンカップ FC東京 試合日程】
準々決 09月02日(水)19:03〇FC東京 3-0 名古屋(H・味スタ)
準決勝 10月07日(水)19:00〇FC東京 2-0 川 崎(A・等々力)

決 勝 11月07日(土)13:05 FC東京 ✕  柏 (国 立)


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