シュート数は川崎の11本に対してFC東京は6本。ボール支配率も川崎が60％後半と数字の上では圧倒していたが、観戦者はほぼFC東京が主導権を握っていたと感じていたのではないだろうか。川崎はボール支配はするもののバックラインからサイドへボールを送って以降のアイディアや突破が乏しく、中央からの攻撃はほぼ見られないまま。中村憲剛と小林悠が入った後半からは川崎の時間帯も訪れたが、そのせめぎ合いのなかでFC東京が追加点を挙げると、再びFC東京が相手にボールを持たせながら試合を支配して、アウェイでの多摩川クラシコを快勝した。
川崎が4位、FC東京が2位と、両チーム好調のままで迎えた第31回“多摩川クラシコ”。川崎は疲労を考慮してか、0-2で敗れたミッドウィークの浦和戦からスタメンを7名変更。中村憲剛、小林悠、家長はベンチスタート、前節で退場処分となったGKチョン・ソンリョンほか、エウシーニョ、エドゥアルド・ネットはベンチ外という大胆な起用。昨年FC東京に在籍した大久保嘉人、今季リーグ戦初先発の齋藤学がスタメンに名を連ねた。
一方、FC東京は前節先発の大森、小川をそれぞれ田邉、太田にスイッチ。それ以外は4試合無敗の勢いを継続すべく、好調なメンバーをそのまま起用。その戦略が奏功したが、FC東京は前線からのプレスを徹底し、ボールを持たれると後方で堅固なブロックを作って川崎の攻撃に対応。川崎は知念の1トップ、大久保嘉人のトップ下のコンビネーションもいまいちで、ほぼ“消えている”状態だった。
やはり大きかったのは先制点。前半14分、太田のFKから川崎DFの背後のボールに飛び出した橋本が反応して、ゴールへボールを流し込む。先取点を獲ると一旦スローダウンするのがFC東京の課題だが、その課題は杞憂に終わる。その後も決定機を作るが、川崎はGK・新井の好セーヴで何とか耐え凌ぐ。その後、川崎は攻撃の強度を増そうとするも、東京のプレッシングが有効だった以上に、アタッキングサードからのコンビネーションミスが多発。自滅に近い形でボールをロストして、ボールキープしながらも脅威をほとんど感じられない攻撃に終始。
川崎は後半開始直後から中村憲剛と小林悠を投入するとリズムが生まれ、少しづつゴールへの圧力を高めていく。中央を固めて侵入を許さないFC東京に対し、中村はミドルシュートで打開を図るが、ここはFC東京GK・林の好セーヴ。川崎が主導権を奪いきれずにいると、FC東京が次第に盛り返し、その流れで69分に、再び太田のFKから森重が決める。それまでにゴール前で2回決定機を逃していた森重が“三度目の正直”でスライディングシュートからクロスをネットに突き刺すと、川崎は一気にトーンダウン。2点ビハインドながら、後方や横へパスを流す時間ばかりを費やし、攻めあぐねたままゲームセットを迎えた。
FC東京は前線の永井、ディエゴ・オリヴェイラはもちろん、室屋、東、田邉ら全員でハードワークを完遂。気迫と運動量ともに川崎を上回る出来だった。守備やスピードで懸念点が出ていた太田もこの日はFKからの2アシストだけでなく、守備面でも健闘。小川との左SB争いがいい意味で再燃する契機になったと思う。
とはいえ、川崎が主力を休ませてターンオーヴァーしてきた（しかもコンビネーション不足を露呈）ということ、ディエゴ・オリヴェイラがピッチを後にしてからは得点が生まれていないという状況を考えると、まだ課題は少なくない。FC東京の得点場面を振り返ると、川崎のゾーンディフェンスに穴があるのは明白で、2得点ともそのゾーン・ディフェンスの不備を突いた形。流れの中での得点は（惜しいチャンスはあったが）なく、その点は早く結果を求めたい（特に前田や富樫のゴールで）ところだ。
リーグ戦はこれで次節の札幌戦まで1週間のインターバルになる。しっかりと疲れから回復させたいが、ミッドウィークにはルヴァンカップがある。予選を勝ち抜くためには絶対に勝利が必要。気持ちを緩めることなく、スタメンを虎視眈々と狙うフレッシュな面々が今度はハードワークして、チーム内にさらにいい競争を作っていきたい。
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【明治安田生命J1リーグ 第13節】
2018年05月05日(土)14:02試合開始 等々力陸上競技場
入場者数 24,677人
天候 晴 ／ 気温 23.8℃ ／ 湿度 31％
主審 松尾一 ／ 副審 清水崇之、清野裕介 ／ ４審 中村太
川 崎 0（0-1 / 0-1）2 FC東京
≪得点≫
（川）：
（東）： 橋本拳人（14分）、森重真人（69分）
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≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 03 森重真人
DF 05 丸山祐市
DF 06 太田宏介
MF 27 田邉草民
MF 18 橋本拳人
MF 08 高萩洋次郎
MF 38 東 慶悟 → 大森晃太郎（90+4'）
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ → 前田遼一（83分）
FW 11 永井謙佑 → 富樫敬真（72分）
≪サブスティテューション≫
GK 01 大久保択生
DF 25 小川諒也
DF 29 岡崎 慎
MF 39 大森晃太郎
MF 07 米本拓司
FW 17 富樫敬真
FW 20 前田遼一
≪監督≫
長谷川健太
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【明治安田生命J1リーグ 2018シーズン日程】
第01節 2018/02/24(土)14:00△FC東京 1-1 浦 和（H・味スタ）
第02節 2018/03/03(土)15:00✕FC東京 0-1 仙 台（H・味スタ）
第03節 2018/03/10(土)15:00✕FC東京 0-2 磐 田（A・ヤマハ）
第04節 2018/03/18(日)15:00〇FC東京 1-0 湘 南（H・味スタ）
第05節 2018/03/31(土)15:00〇FC東京 3-2 Ｇ大阪（H・味スタ）
第06節 2018/04/08(日)14:00〇FC東京 5-2 長 崎（A・トラスタ）
第07節 2018/04/11(水)19:00〇FC東京 2-1 鹿 島（H・味スタ）
第08節 2018/04/14(土)15:00✕FC東京 0-1 Ｃ大阪（A・ヤンマー）
第09節 2018/04/21(土)13:00〇FC東京 1-0 清 水（A・アイスタ）
第10節 2018/04/25(水)19:00〇FC東京 3-1 広 島（H・味スタ）
第11節 2018/04/28(土)15:00〇FC東京 3-2 名古屋（H・味スタ）
第12節 2018/05/02(水)19:00△FC東京 0-0 神 戸（A・ノエスタ）
第13節 2018/05/05(土)14:00〇FC東京 2-0 川 崎（A・等々力）
第14節 2018/05/13(日)16:00 FC東京 vs 札 幌（H・味スタ）
第15節 2018/05/20(日)15:00 FC東京 vs 鳥 栖（A・ベアスタ）
第16節 2018/07/18(水)19:00 FC東京 vs 柏 （A・三協Ｆ柏）
第17節 2018/07/22(日)19:00 FC東京 vs 横浜FM（H・味スタ）
第18節 2018/07/27(金)19:00 FC東京 vs 長 崎（H・味スタ）
第19節 2018/08/01(水)19:00 FC東京 vs 鹿 島（A・カシマ）
第20節 2018/08/05(日)19:00 FC東京 vs 神 戸（H・味スタ）
第21節 2018/08/10(金)19:00 FC東京 vs Ｇ大阪（A・吹田Ｓ）
第22節 2018/08/15(水)19:00 FC東京 vs 柏 （H・味スタ）
第23節 2018/08/19(日)13:00 FC東京 vs 札 幌（A・札幌ド）
第24節 2018/08/26(日)19:00 FC東京 vs 湘 南（A・ＢＭＷス）
第25節 2018/09/01(土)・02(日) FC東京 vs 鳥 栖（H・味スタ）
第26節 2018/09/15(土)・16(日) FC東京 vs 仙 台（A・ユアスタ）
第27節 2018/09/22(土)・23(日) FC東京 vs 広 島（A・Ｅスタ）
第28節 2018/09/29(土)・30(日) FC東京 vs 清 水（H・味スタ）
第29節 2018/10/06(土)・07(日) FC東京 vs 名古屋（A・豊田ス）
第30節 2018/10/20(土)・21(日) FC東京 vs Ｃ大阪（H・味スタ）
第31節 2018/11/03(土)・04(日) FC東京 vs 横浜FM（A・日産ス）
第32節 2018/11/10(土) FC東京 vs 磐 田（H・味スタ）
第33節 2018/11/24(土) FC東京 vs 川 崎（H・味スタ）
第34節 2018/12/01(土) FC東京 vs 浦 和（A・埼 玉）
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