*** june typhoon tokyo ***

The night is still young...

脇田もなり@六本木Varit.

2018-07-11 23:59:59 | ライヴ

 変化を恐れない挑戦に、成長の意欲を感じた一夜。

 待望の2ndソロ・アルバム『AHEAD!』のリリースを目前に控えた“ポップ・アイド・ソウル・ミュージック・シンガー”脇田もなり。7月11日に、彼女の“Up and Coming”バンドにも名を連ねるベースの越智俊介が在籍するShunské G & The Peasを迎えた2マン・ライヴ〈Monari Wakita Up and Coming〉を開催。個人的には5月6日のシングル「TAKE IT LUCKY!!!!」リリース記念パーティ〈脇田もなり“Me,Myself and I”✕“Up and Coming”~TAKE IT LUCKY!!!! Release Party〉(その時の記事はこちら→「脇田もなり@新宿MARZ」)以来となる脇田もなりのステージ。汗が流れる額や頬を拭いながら、開演時刻の僅か数分前に会場の六本木Varit.に足を滑り込ませた。

 今宵のスペシャルゲスト、Shunské G & The Peasからライヴはスタートしたが、その中盤でサプライズが訪れる。脇田もなりの新作『AHEAD!』に収録される、Shunské Gが作詞、Shunské G & The Peasがプロデュースを担当した「青の夢」を、脇田もなりを呼び込んで披露した。Shunské G & The Peasは(ザ・JBズの「パス・ザ・ピーズ(Pass the Peas)」がバンド名の由来か?)ファンクやブルース、ジャズあたりのヴィンテージ志向のソウル・グループゆえ、「青の夢」もブルース寄りのソウル・ロックという印象。脇田もなりも時折ソウルフルで唸るようなヴォーカルワークを繰り出し、Shunské G & The Peasが描いたソウルフルな世界観に溶け込もうとしていたようだ。



 脇田もなりの本編には、おなじみの“Up and Coming”バンドの面々、左からキーボードのKAYO-CHAAAN、ベースの越智俊介、ドラムの山下賢、ギターのラブアンリミテッドしまだんがスタンバイ。5月の新宿MARZでのリリースパーティでは「またどこかで」の名で披露した、脇田自身が作詞し、ラブアンリミテッドしまだんが作曲した「Dear」からのステージは幕開け。新宿MARZのアンコールの際には“全然歌い込めてない”というエクスキューズも当然の不安定さで、正直焦って早く披露しない方が良かったのではないかと思うほどだったが、時を経て、ここでは歌い込んできた積み重ねが窺える歌唱に。中盤での洒落たニューミュージック作風の「愛のdécadence」も、同様に前回以上の出来栄えだ。
 そして、このステージの最大のトピックとなったのは、冗談伯爵産の「Callin' You」だろう。ファンへの感謝の気持ちを込めて作ったという軽快なグルーヴが走る曲で、サビ終わりが薄っすらと山下達郎の「パレード」も感じさせるエレガントでファンキーなポップネスが横溢。ライヴのヴォルテージのギアを上げる楽曲の一つとして重宝されそうな印象だ。

 一方、従来歌ってきた楽曲群においては、新宿MARZでのレポートでも述べているように、引き続き彼女がさまざまなヴォーカル・アプローチを繰り広げている姿が目立った。デビュー曲「IN THE CITY」や「IRONY」での煽りへのアプローチや、センチメンタルなバラード「夜明けのVIEW」での艶やかな声色や表情、グルーヴが強く響く「EST! EST!! EST!!!」や「Cloudless Night」でのクールネスや抑揚を意識したヴォーカリゼーションなど、それぞれの楽曲の世界観を自身なりに解釈し、それを表現しようと努めているのが分かる。前回の新宿MARZではその意識が強すぎたのか、表面上のテクニックに走ったきらいも見え、歌唱のクセと気持ちの一致にズレを感じたが、今回のステージでは歌い込みを重ねた成果か、その違和感も薄れつつある。



 しかしながら、たとえば前述の「青の夢」でも見せたソウルフルなヴォーカルワークの習得や抑揚を効かせたスタイルが、彼女の天性の資質を活かすことになるかどうかはまだ未知数。これも新宿MARZのレポートで言及したが、彼女は“さまざまな要素を吸収する挑戦・応用期”として多くのものに触れ、自らの身になるように取り込もうとしているのが今なのだろう。伸びやかでパンチのあるヴォーカルワーク一辺倒だった過去からの脱却をするため、多彩なヴォーカルアプローチにチャレンジしながら、脇田もなりという歌手像を固めるための試行錯誤期と捉えてもいい。とはいえ、ヴァリエーションの豊富さは強い武器になるが、それが自身の資質を最大限に伸ばす有効な手段足り得るかどうかはまた別だ。それでもさまざまなスタイルを吸収、咀嚼しながら自身の最良の形を探り当てようとしていく姿勢に、彼女自身が目指すヴォーカルスタイルへの躍進が期待出来そうな予感を覚えたのも事実だ。



 デビューから1stアルバム『I am ONLY』までを序章とすると、2ndアルバム『AHEAD!』のリリースを目前にした今は、まだストーリー本幕のとば口だ。今はスタイルの変化に首をかしげるネガティヴな心情よりも、変化の片鱗を一つの成長の過程と捉えて、さまざまな声色を着飾っていこうとするポジティヴな楽しさを堪能するのがベターなのかもしれない。持ち前の資質に心奪われた身としては、元来の伸びやかなパンチがある歌唱が鳴りを潜めることが多い現状はもどかしくもあるのが正直なところだが、美しい蝶へとなるための変態過程や蓄積期が今なのだと考えれば、そのもどかしさも霞んでいく。

 近日から新作のリリースイヴェントも多く、さらに経験値も増えそうな7月。9月の2周年&リリースツアーファイナルまで加速度を増して変化・伸長した先には、新たな歌手像が誕生しているかもしれない。時折彼女が口にする“もなりはもなりらしく”がいい意味で化学変化を起こして躍進をもたらす近い未来に期待しながら、まずは2ndアルバム『AHEAD!』に耳目を注ぎたい。


◇◇◇

<SET LIST>
01 Dear(provisional song title“またどこかで”)
02 やさしい嘘
03 赤いスカート
04 PEPPERMINT RAINBOW
05 IN THE CITY
06 愛のdécadence
07 夜明けのVIEW
08 EST! EST!! EST!!!
09 Callin' You(NEW SONG)
10 IRONY
≪ENCORE≫
11 Cloudless Night
12 TAKE IT LUCKY!!!!

<MEMBER>
脇田もなり(vo)

ラブアンリミテッドしまだん(Healthy Dynamite Club)(g)
越智俊介(Shunské G & The Peas / CICADA)(b)
KAYO-CHAAAN(Healthy Dynemite Club)(key)
山下賢(Mop of Head / Alaska Jam)(ds)


◇◇◇

【脇田もなりに関する記事】

・2016/09/23 星野みちるの黄昏流星群Vol.5@代官山UNIT
・2017/06/20 脇田もなり@HMV record shop 新宿ALTA【インストア】
・2017/07/28 脇田もなり@タワーレコード錦糸町【インストア】
・2017/09/08 脇田もなり@clubasia
・2017/11/25 脇田もなり@HMV record shop 新宿ALTA【インストア】
・2017/12/15 脇田もなり@六本木VARIT.
・2018/01/28 脇田もなり@下北沢BASEMENTBar
・2018/03/21 脇田もなり@下北沢BASEMENTBar
・2018/05/06 脇田もなり@新宿MARZ
・2018/07/11 脇田もなり@六本木Varit.(本記事)


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【Shunské G & The Peas】

<SET LIST>
Walkin' the Blues
Lucky Charm
Without You(There Is No Magic In This World)
Down In California
青の夢(guest with Monari Wakita)
Groove Me(Intro)~ Groove Me
My Jam
Let's Stay Together(Original by Al Green)

<MEMBER>
Shuns'ke G & The Peas are:
Shunské G(vo)
Keishi(g)
越智俊介(b)
タイヘイ(ds)
井上惇志(key)
山田丈造(tp)

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