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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

ユビキタス

2010-08-31 08:35:28 | 日記
 「日中ハイレベル経済対話」と銘打った会議が8月28日、北京で行われた。日本からは、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣などそうそうたるメンバーが120人も中国入りして、今後の関係発展をお願いした。
 
 お願いしたかった様々な事項の中で最大のものは、以前このブログの「レア」でも書いた「レアアース」(希土類)の輸出規制緩和である。大勢で出かけて行ったが、その1点こそ本当にお願いしたかった点だと言ってもおかしくない。輸出産業で食べている日本が輸出できるエコ製品、ハイテク製品 は全て「レアアース」無しには製品化、差別化できないものばかりだ。にもかかわらず、その「レアアース」の90%以上は中国で産出され、中国が増 産してくれなければ、日本の先端技術企業は製品材料や特殊な研磨剤などが手に入らずお手上げ状態となる。
 お手上げ状態となるのは日本の企業だけでは無いのだが、アメリカや韓国などはすでに別の産出国との関係を強化し、中国以外の地域で採掘開発を進めようとしている。また、そうしながらも中国ともトップレベル会談を重ね、中国の輸出枠を確保する作戦だ。クリントン国務長官がたびたび中国を訪問 し、200人を越えるオリンピック選手団のような大訪中団で経済協力会談を行ったのはついこのあいだ、5月の話だ。

 支持率を下げてまでオバマ大統領がアフガンに固執するのはまさに、この「レアアース」の大鉱脈がアフガニスタンで発見されているからだとも言われている。
 全世界がクリーンなエネルギー、太陽光発電や太陽電池、液化天然ガスなどに向かって急速に動き始めた今、その方向性の中核をなす先端技術を支える「レアアース」は、今や中国の戦略輸出品になっている。

 「日中ハイレベル経済対話」では、本題の「レアアース」に関して日本はいいところ無しの完敗という印象だ。中国は昨年の約半分程度に輸出量を削減する、という方向性を変えなかった。その上で、レアアース採掘を行っている日系企業の中国人社員に対する待遇が悪い点などを指摘され、待遇改善を約束する場面もあったと言う。

 日本が技術で国を維持して行こうとするなら、欧米が作り上げたこの、富は資源を独占した者に訪れる、というこれまでの法則を技術で打破しなければならないだろう。レアな物質でなく、どこにでもあり誰でも手に入る物質で、誰にでも安価にエネルギーを供給できる仕組みを作る。かなり大変な作業だが独占こそ富という世界の枠組みを変えるには、それしかない。

 以前コンピュータ業界では、ユビキタスという言葉が流行ったことがある。ユビキタスとは「どこにでもある」という意味だ。至る所にあるコンピュータがあなたの生活を変える、というふれこみでそれこそどこに行っても誰も彼もユビキタスと言っていたことがある。今度はユビキタスな技術と資源を使ってエコな未来を作らなければならない。


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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