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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

アリ塚生活

2014-05-26 08:30:34 | 日記
 数年前までは家の中で犬を飼っていた。小さな小さなわが家なので、家の中で犬を飼うというようなことをしてしまうと、そこはもう犬小屋そのもの。どんなに綺麗にしたつもりでも、必ず犬の毛がズボンにまとわりついたものだ。数年前にその犬が亡くなり、やっと普通の人の家になって来たかな、と思った矢先、風呂場と脱衣所の境目の床に穴が開いた。
 
 崩れるように開いた穴は表面のカバー状の柔らかい材質の板をはがすと風呂場からあふれた水で腐ってボロボロになった柱や床材が妙に痛々しく、フタをするようにカバー材をまた元に戻して、2年ほどの間、見て見ぬふりをして過ごしてきた。その間もずっと何とかしなければ、と風呂に入るたびに思わぬ訳では無かったのだが。
 
 ようやく意を決して工務店を呼び、修繕を頼んだ。発見されたのはシロアリにやられた無残な柱の残骸である。わが家を美味しそうに喰いちぎって行ったシロアリは食べ方からヤマトシロアリと断定された。かなり前に食い散らして通過して行ったらしく、すでに床下からは発見されなかったが、ほかのどこかの柱に生息して今も生息域を拡大している可能性は十分あると覚悟されたほうがよろしい、と優しそうに見えて意地が悪い専門業者のご老体に楽しそうに脅された。
 
 ついこの間までは犬小屋に住んで会社に通っているつもりだったが、今やアリ塚に住んで会社に通っている気持ちだ。このブログはちょうど脱衣所の穴をふさぐために来てくれた大工さんが、「ホラこんなに」とシロアリさんに食べられてクレープを重ねたようにスカスカになった柱を親切にしっかり見せてくれた直後に書いている。建てられた当初柱だったものは2階のトイレを支えるためのものだったはずだが、今やまったく役に立っていない。2階のトイレ付近でジャンプでもしようものならすぐさま床が抜ける。外からは見えないが、柱の何本かはシロアリさんに食べ尽くされて表面だけ残り、中は空洞になっている可能性が高い。今は無線LANを使っているが実は1階から2階まで有線LANケーブルを通しやすい構造の家だったわけだ。
 
 東日本大震災の時期以前にすでにこんな状況だったと思われるので、あの地震をこのアリ塚が乗り越えたのは奇跡的な幸運だったのかもしれない。しかし次に同じような地震が起きた時には、周囲の家々がしっかり建っている中、わがアリ塚だけがグズグズと土煙を上げながら崩れて行く様が頭に浮かぶ。そうなれば気分を一新して新築し、アリ塚暮らしから抜け出せるが命の保証は無い。
 
 いろいろ考えてもアリ塚暮らしにあまりメリットは無さそうだ。Wikipediaで調べてみると「利益が生じる例は実際的にはない」とある。なるほどそうであろう。だが、「特殊な利用として、理科の実験動物として使われる」ともある。わがアリ塚のシロアリくん達をびん詰にして理科の実験材料に困っている地方の先生方にお分けする手が無くはない。「腸内微生物の観察材料で、多量の超鞭毛虫を中心とする微生物が観察できる」のだそうだ。わが家はシロアリに食われた後、その腸内で超鞭毛虫を中心とする微生物に食われていたのであった。(三)


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