ワールドカップ月間の締めは「完全保存版」特集誌の購入です。本日発売のNumber誌とワールドサッカーダイジェスト誌を選んで、これでロシアワールドカップ関係が完結です。
いや、ちょっと待って。テレビの総集編がまだ未放送ですよね。おそらく今週末? と思って調べてみましたけど、それらしい番組が見当たりません。
これまで、キホン、NHKが「総集編」を放送してくれていたのですが・・・。
総集編の放送予定を調べている中で、笑えるエピソードを見つけました。
16日(月)の夜、TBSが放送した「日本国民が選んだ歴代カッコいい選手ランキング」という番組。
司会の加藤浩次サンが「きょう僕、総集編を絶対見れると思っていたんですけど、こういったトリッキーな企画で、竹内くん、ビックリしているんだよねー」と、同じく司会の俳優・竹内涼真さんに話を振ったというのです。
そして、加藤さんはさらに大声で、「ねー。ビックリなんだよー。こんな企画を最後にやるかっていうのが。私、きょう聞いて本当にビックリしているんです! なぜなんだ!!」
このTBSのエピソードに表れているように、どうやらテレビでは、決勝が終わった途端「もう、ワールドカップは終わり!!」ということのようです。
さて、気を取り直して、特集誌を点検してみました。
その中で隔日刊のサッカー専門紙「エル・ゴラッソ」が18日発売の紙面で、大会ベストイレブンを選んでいました。
各誌・紙によって、選ぶ選手に若干の違いはあると思うのですが、私もエルゴラ紙のイレブンを支持したいと思います。
まずイレブンをあげておきます。
GK スバシッチ(クロアチア)
DF 長友(日本)、ビダ(クロアチア)、バラン(フランス)、フェルナンデス(ロシア)
MF カンテ(フランス)、デブライネ(ベルギー)、モドリッチ(クロアチア)
FW アザール(ベルギー)、グリーズマン(フランス)、ムバッペ(フランス)
さてさて、今大会のベストイレブン。大会前にあげられていたイレブン候補とは、大幅に入れ替わったというのが実感です。
まずメッシ、Cロナ、ネイマールといった当代随一のスーパースターが一人も入っていないことです。いかに今大会が波乱含みの大会だったかを物語っています。
次に目につくのは、小柄な選手が多いということです。長友佑都選手もそうですが、特に前線のアザール、グリーズマン、モドリッチ、まさに「ちびっ子トリオ」と呼んでもいいような選手たちですが、優勝、準優勝、3位のチームの中心選手であり、文句なしの活躍でした。
ちなみに、FIFAのオフィシャルアワード、つまり公式表彰では、ゴールデンボール賞(大会MVP)がモドリッチ選手、シルバーボール賞がアザール選手、ブロンズボール賞がグリーズマン選手のようです。「ちびっ子トリオ」が大会の顔だったことになります。
さて、エルゴラ紙選出のベストイレブン。中盤の底にカンテという選手の写真が映っています。そこについているキャプションが凄いです。ぜひご紹介したいです。
「「地球の7割は海が覆っているが、それ以外はカンテがカバーしている」という冗談が真実に聞こえるほど、脅威の運動量を見せた」
カンテのプレーぶり、実はフランスの試合放送の中でも、ずいぶん評価されていましたが、とかくムバッペやグリーズマンのプレーにばかり目が行って、どんだけ凄いのか、なかなかイメージできないでいます。
でも、この例えを読めば、一度はカンテのプレーだけを追いかけて録画を見直したいものだ、と思います。
「ワールドサッカーダイジェスト誌」編集部も、大会MVPにカンテを選んでいます。
日本でプレーした経験を持つサッカー界のレジェンド、ゲーリー・リネカー氏が、決勝戦を前にして「私にとって、今大会のペストプレーヤーはエヌゴロ(カンテ)だ。フランスには選手が12人いるようなものさ。彼が2人分の仕事をしてくれるからさ・・・」と語ったというのです。
さきほどの「それ以外はカンテがカバーしている」という話も「彼が2人分の仕事をしてくれるからさ・・」という話も、驚異的な活躍をしている彼を実によく表現していると思います。
カンテ選手のことを読んでいるうち、私は20年前のフランス初優勝メンバーのリリアン・テュラム選手を思い出しました。
彼は右サイドバックの選手ですから、決して脚光を浴びる立場の選手ではなかったのですが、準決勝のクロアチア戦で2ゴールをあげ、決勝進出の立役者になりました。そのこともあって「陰のMVP」と評価された選手です。
フランスの2度の優勝、いずれも「スーパーな働きをする縁の下の力持ち」の存在なくしてあり得なかった感があります。
(このあとのムバッペ選手、フランス代表のことは翌朝加筆したものです)
最後はムバッペ選手のことです。彼については、すでに7月1日の書き込み「10年間覇を競った、メッシとCロナ、同じ日にW杯を去り、この勝負引き分けか」のところで次のように書きました。
「まさに「ペレの再来」と言えるのではないでしょうか。ペレに始まり、ベッケンバウアー、クライフを経て、マラドーナ、ジダン、怪物ロナウドと受け継がれ、メッシ、Cロナの時代から、いよいよムバッペの時代になるかも知れません。」
これは、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦のあとに書いていますが、その後、準々決勝、準決勝、決勝と出場を続け、決勝ではアルゼンチン戦で決めた2点目と同じような走り込みで、クロアチアの心を折る4点目を叩き込み、スーパースターの階段を駆け上がるにふさわしいパフォーマンスを魅せました。
FIFAのオフィシャルアワードでは「ベストヤングプレーヤー賞」ということですが、このあと10年の中で、どれだけの栄光を重ねることだろうかという楽しみを思えば、まずは、この賞を皮切りにというところでしょう。
※ムバッペ選手のことは、最近、エムバペ選手と表記することが多く、私も最近はそう表記してきました。今日はエルゴラ紙の表記をそのまま使わせていただく関係で、ムバッペとさせていただきます。(話は横道にそれますが、そもそもムバッペでもエムバペでもなく『ンバッペ』が一番近い発音だと思うのですが、日本では絶対そう表記しないみたいで・・・)
優勝したフランスについても、書き加えたいと思います。7月15日の書き込み「まもなく決勝戦、それは「壮大な祝祭の終り」の前の最後の楽しみ」の中で、こう書いています。少し長くなりますが再録します。
「今夜半、ロシアワールドカップは決勝を迎えます。フランスvsクロアチア戦、普通に考えればフランス優勝と予想するでしょう。
クロアチアは決勝トーナメントに入ってからの3試合、すべて延長線まで戦っており、しかも決勝まで中3日、フランスより1日短いハンディキャップがあります。
こうした条件を覆してクロアチアが優勝したら、それはもう歴史的な出来事ですし「ワールドカップ20年周期の法則」、すなわち20年毎に初優勝国が誕生するという説に見事に合致するになります。
したがってフランスが、この大会の主役であることを見せつけるためにはエムバペがヒーローとなり「ペレの再来」と言わしめる活躍をしない限り、退屈な優勝国と言われかねません。」と。
けれども決勝戦を4-2、アルゼンチン戦も4-3と、華々しい打ち合いを制したり、、一方でウルグアイ戦、ベルギー戦を完封するなど、実に攻守がかみ合った盤石な勝ち上がりをしてきました。
フランスが戦った決勝トーナメントの山には、他にもポルトガル、ブラジルが同居していて、決勝までの勝ち上がり自体が大変な山でした。
そこを考えないで「退屈な優勝国と言われかねません。」と書いていた私は、少し分析が足りなかったと反省しています。
大会前にフランス優勝を予想した方は少数派だったと思いますが、試合を重ねるごとに力を増していったチームで、終ってみれば、優勝にふさわしいという感じがします。
こんなふうに書きつづってくると、やはりテレビ版総集編をやって欲しいですよね。私の予感では、やらないまま終わるってことはないと思います。
やらないと、歴史的な記録が途切れてしまいます。映像記録には、そういう価値がありますし、それをテレビの人たちは、百も承知だと思います。
では、今回はこのへんで。
いや、ちょっと待って。テレビの総集編がまだ未放送ですよね。おそらく今週末? と思って調べてみましたけど、それらしい番組が見当たりません。
これまで、キホン、NHKが「総集編」を放送してくれていたのですが・・・。
総集編の放送予定を調べている中で、笑えるエピソードを見つけました。
16日(月)の夜、TBSが放送した「日本国民が選んだ歴代カッコいい選手ランキング」という番組。
司会の加藤浩次サンが「きょう僕、総集編を絶対見れると思っていたんですけど、こういったトリッキーな企画で、竹内くん、ビックリしているんだよねー」と、同じく司会の俳優・竹内涼真さんに話を振ったというのです。
そして、加藤さんはさらに大声で、「ねー。ビックリなんだよー。こんな企画を最後にやるかっていうのが。私、きょう聞いて本当にビックリしているんです! なぜなんだ!!」
このTBSのエピソードに表れているように、どうやらテレビでは、決勝が終わった途端「もう、ワールドカップは終わり!!」ということのようです。
さて、気を取り直して、特集誌を点検してみました。
その中で隔日刊のサッカー専門紙「エル・ゴラッソ」が18日発売の紙面で、大会ベストイレブンを選んでいました。
各誌・紙によって、選ぶ選手に若干の違いはあると思うのですが、私もエルゴラ紙のイレブンを支持したいと思います。
まずイレブンをあげておきます。
GK スバシッチ(クロアチア)
DF 長友(日本)、ビダ(クロアチア)、バラン(フランス)、フェルナンデス(ロシア)
MF カンテ(フランス)、デブライネ(ベルギー)、モドリッチ(クロアチア)
FW アザール(ベルギー)、グリーズマン(フランス)、ムバッペ(フランス)
さてさて、今大会のベストイレブン。大会前にあげられていたイレブン候補とは、大幅に入れ替わったというのが実感です。
まずメッシ、Cロナ、ネイマールといった当代随一のスーパースターが一人も入っていないことです。いかに今大会が波乱含みの大会だったかを物語っています。
次に目につくのは、小柄な選手が多いということです。長友佑都選手もそうですが、特に前線のアザール、グリーズマン、モドリッチ、まさに「ちびっ子トリオ」と呼んでもいいような選手たちですが、優勝、準優勝、3位のチームの中心選手であり、文句なしの活躍でした。
ちなみに、FIFAのオフィシャルアワード、つまり公式表彰では、ゴールデンボール賞(大会MVP)がモドリッチ選手、シルバーボール賞がアザール選手、ブロンズボール賞がグリーズマン選手のようです。「ちびっ子トリオ」が大会の顔だったことになります。
さて、エルゴラ紙選出のベストイレブン。中盤の底にカンテという選手の写真が映っています。そこについているキャプションが凄いです。ぜひご紹介したいです。
「「地球の7割は海が覆っているが、それ以外はカンテがカバーしている」という冗談が真実に聞こえるほど、脅威の運動量を見せた」
カンテのプレーぶり、実はフランスの試合放送の中でも、ずいぶん評価されていましたが、とかくムバッペやグリーズマンのプレーにばかり目が行って、どんだけ凄いのか、なかなかイメージできないでいます。
でも、この例えを読めば、一度はカンテのプレーだけを追いかけて録画を見直したいものだ、と思います。
「ワールドサッカーダイジェスト誌」編集部も、大会MVPにカンテを選んでいます。
日本でプレーした経験を持つサッカー界のレジェンド、ゲーリー・リネカー氏が、決勝戦を前にして「私にとって、今大会のペストプレーヤーはエヌゴロ(カンテ)だ。フランスには選手が12人いるようなものさ。彼が2人分の仕事をしてくれるからさ・・・」と語ったというのです。
さきほどの「それ以外はカンテがカバーしている」という話も「彼が2人分の仕事をしてくれるからさ・・」という話も、驚異的な活躍をしている彼を実によく表現していると思います。
カンテ選手のことを読んでいるうち、私は20年前のフランス初優勝メンバーのリリアン・テュラム選手を思い出しました。
彼は右サイドバックの選手ですから、決して脚光を浴びる立場の選手ではなかったのですが、準決勝のクロアチア戦で2ゴールをあげ、決勝進出の立役者になりました。そのこともあって「陰のMVP」と評価された選手です。
フランスの2度の優勝、いずれも「スーパーな働きをする縁の下の力持ち」の存在なくしてあり得なかった感があります。
(このあとのムバッペ選手、フランス代表のことは翌朝加筆したものです)
最後はムバッペ選手のことです。彼については、すでに7月1日の書き込み「10年間覇を競った、メッシとCロナ、同じ日にW杯を去り、この勝負引き分けか」のところで次のように書きました。
「まさに「ペレの再来」と言えるのではないでしょうか。ペレに始まり、ベッケンバウアー、クライフを経て、マラドーナ、ジダン、怪物ロナウドと受け継がれ、メッシ、Cロナの時代から、いよいよムバッペの時代になるかも知れません。」
これは、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦のあとに書いていますが、その後、準々決勝、準決勝、決勝と出場を続け、決勝ではアルゼンチン戦で決めた2点目と同じような走り込みで、クロアチアの心を折る4点目を叩き込み、スーパースターの階段を駆け上がるにふさわしいパフォーマンスを魅せました。
FIFAのオフィシャルアワードでは「ベストヤングプレーヤー賞」ということですが、このあと10年の中で、どれだけの栄光を重ねることだろうかという楽しみを思えば、まずは、この賞を皮切りにというところでしょう。
※ムバッペ選手のことは、最近、エムバペ選手と表記することが多く、私も最近はそう表記してきました。今日はエルゴラ紙の表記をそのまま使わせていただく関係で、ムバッペとさせていただきます。(話は横道にそれますが、そもそもムバッペでもエムバペでもなく『ンバッペ』が一番近い発音だと思うのですが、日本では絶対そう表記しないみたいで・・・)
優勝したフランスについても、書き加えたいと思います。7月15日の書き込み「まもなく決勝戦、それは「壮大な祝祭の終り」の前の最後の楽しみ」の中で、こう書いています。少し長くなりますが再録します。
「今夜半、ロシアワールドカップは決勝を迎えます。フランスvsクロアチア戦、普通に考えればフランス優勝と予想するでしょう。
クロアチアは決勝トーナメントに入ってからの3試合、すべて延長線まで戦っており、しかも決勝まで中3日、フランスより1日短いハンディキャップがあります。
こうした条件を覆してクロアチアが優勝したら、それはもう歴史的な出来事ですし「ワールドカップ20年周期の法則」、すなわち20年毎に初優勝国が誕生するという説に見事に合致するになります。
したがってフランスが、この大会の主役であることを見せつけるためにはエムバペがヒーローとなり「ペレの再来」と言わしめる活躍をしない限り、退屈な優勝国と言われかねません。」と。
けれども決勝戦を4-2、アルゼンチン戦も4-3と、華々しい打ち合いを制したり、、一方でウルグアイ戦、ベルギー戦を完封するなど、実に攻守がかみ合った盤石な勝ち上がりをしてきました。
フランスが戦った決勝トーナメントの山には、他にもポルトガル、ブラジルが同居していて、決勝までの勝ち上がり自体が大変な山でした。
そこを考えないで「退屈な優勝国と言われかねません。」と書いていた私は、少し分析が足りなかったと反省しています。
大会前にフランス優勝を予想した方は少数派だったと思いますが、試合を重ねるごとに力を増していったチームで、終ってみれば、優勝にふさわしいという感じがします。
こんなふうに書きつづってくると、やはりテレビ版総集編をやって欲しいですよね。私の予感では、やらないまま終わるってことはないと思います。
やらないと、歴史的な記録が途切れてしまいます。映像記録には、そういう価値がありますし、それをテレビの人たちは、百も承知だと思います。
では、今回はこのへんで。