EEKの紀行 春夏秋冬

紀行&散策を画像を交えた紹介です

道後温泉本館年末大掃除 館内見学会  3

2015年12月04日 | 伊予松山歴史散策
伊佐庭は、道後温泉本館改築と同時に中世の城「湯築城」を公園として整備し、道後温泉に来た人々の憩いの場所とし提供するとともに、ゆざらし団子も作った。これが後の坊っちゃん団子となる。
今年改築121年、平成6年12月27日全国初の外湯建造物が、国指定の重要文化財に指定された。
伊佐庭如矢が長い目で見た道後温泉発展の基盤とした事が今脈々と受け継がれ松山市の観光資源であり多くの人々が道後温泉に観光旅行に来ている。
道後は何もない所だが国指定の重要文化財に指定された建物と日本最古の温泉町である。
前置きが長くなりましたが私が一番写真に収めたかった浴室を見てみましょう。
本館には、2種類5つの浴室がある。浴室は全て1階にあり、神の湯2階席、霊の湯3階席を利用するお客様もここのお風呂に入る事になる。
今回見学できたのは、神の湯男性用東浴室と神の湯女性浴室、霊の湯男性浴室であった。
また映画、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」のモデルとなった。


明治27年に造られ121年の歴史を持つ此の浴室は、神の湯男性用の東浴室で明治28年夏目漱石が泳いだ浴槽です。
浴槽は、庵治石や大島石、壁には大理石を使い、造りは贅沢で、観光客の皆さんが天下の名湯道後温泉を楽しむにはいい格好で、唯入浴するだけでなく芸術を楽しむ志向が取り入れられている。よくぞ造ったものだ。
高が温泉然れども温泉である。


浴室は、湯を抜いてから未だ数時間しかたってないので室内は温もりが残っていた。
神の湯男性用の浴室は二つありその一つで、明治27年改築された当時の「一の湯」の浴槽です。一の湯に入浴出来たのは、僧侶、宮司、士族であった。
湯釜は本館が改築完成した明治27年当時のものである。


明治28年夏目漱石が泳いだ浴槽です。浴室には「坊ちゃん泳ぐべからず」の禁止札が今もかかっている。
昭和20年11月、松山に連合軍が進駐して来た時接収され一時期進駐軍が専用で使用した浴槽である。


夏目漱石は毎日坊っちゃん列車に乗り道後温泉に通いこの浴槽で人のいない時を見計らって泳いだのでしょう。そこを誰かに見られ告げ口をされたのでしょうか? 入浴後には、ゆざらし団子を食べて帰ったそうです。・・それが今の坊っちゃん団子です。当時の店が健在です。


男性用の神の湯東浴室の洗い場に「湯玉」が彫られている。道後温泉は日本最古の温泉と言われているが、湯玉の印の個所から源泉が湧き出ていて、傷ついた白鷺が飛んで来て傷を癒したのが道後温泉の始まりです。そして最初の湯釜をここに据えて道後温泉は開かれた。その時の湯釜は道後湯築城跡(道後公園・子規記念博物館の南)北口に保存されている。


これが初代の湯釜で、県指定の文化財、昭和29年11月24日、指定を受けた。大きさは、直径166,7cm 高さ157,6cmの円筒形、花崗岩の湯口で、天平勝宝年間(749~757)に創られ、正応元年(1288)河野通有の依頼により一遍上人が湯釜の宝珠に南無阿弥陀佛の6字の名号を彫ったと言う。この湯釜は現在の道後温泉本館が出来るまで使われた貴重なものである。


次の浴室は、神の湯女性用の浴室で男性用は二つあるが、女性用は一つですが浴槽が大きいです。


幼少時代母親に連れられて女性用の浴槽に入った時は、浴槽の下に砂が敷き詰められていた事を覚えている。砂は衛生上良くないのか取り除かれた。
男性達は初めて見る女性浴室、りっぱな造りに感心していた。121年の経緯を感じさせない新しさを感じさせる技法である。


浴室は、札止め22時30分で、23時で営業終了、それから浴槽の湯を抜き職員は掃除に取り掛かり、午前6時営業開始に間に合わせる。お湯張りは午前3時頃から行う。


浴室には大きな絵が二つ掲げられている。(砥部焼のタイルで)
その一つが、道後温泉の始まりとなった白鷺である。脛に傷を負って苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から噴出する温泉を見つけ、足を浸したところ傷は完全に癒えて元気に飛び去った。これを見ていた人達は大変不思議に思い入浴してみると、爽快で疲労が回復、病人も何時の間にか全快したことから盛んに利用されるようになった。伝承に由来する白鷺の足跡の残った鷺石が現在、放生園に保存されている。


二つ目の壁画は、「玉の石」と大国主命と少彦名命で、出雲国の大国主命と少彦名命が伊予国を旅した時のこと。急病に苦しむ少彦名命を入浴させるとたちまち元気を取り戻し、喜んだ少彦名命は石の上で踊りだしたそうです。その絵画。


喜んだ少彦名命は石の上で踊りだしたと言われる石「玉の石」です。
本館北側に保存されています。・・お参りをする人絶えない。


「玉の石」に湯をかけ願い事を祈願する人も。お湯は道後温泉の源泉が用意されている。


道後温泉のシンボル「白鷺」は本館最上部「振鷺閣」の上に本館正面から道後温泉の繁栄を祈り護っている。

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