もう一つの世界!

せめて週末くらいは スマホを離れて
もう一つの世界を歩いてみませんか?
新しい世界に会えますよ!
・・・・・

真っ赤な柿は・・・

2005年10月29日 | 
ひょっと すると・・・
真っ赤な柿は 探し続けた 幸福の果実で
兄と妹は 恋人同士 だったりして・・・


「 真っ赤な柿 」 

秋風が 黄金の 稲穂を 撫でている
小道の 向こうでは 赤い柿が 揺れている
柿の色づきで 秋の色づきを 知りました

初夏に咲いた 小さな 白黄の 地味な花は
夏には 薄緑の 小さな実を いくつも 結び
真夏には 太陽を 体いっぱい 浴びて
地下の おいしい水を 毎日 毎日 吸って
錦秋を 晩秋を 待ちつづけていました
・・・・・

真っ赤に 熟れて 重くなった柿が
こどもにも 届きそうに 垂れている

兄妹二人は 四本の手を 精一杯 伸ばし
よろけそうに ふらついて 必死で 背伸びして
やっと 真っ赤な柿を 小さな両手で もぎ取った

田んぼの あぜ道に 仲良く 座って
小さな口で 大きな柿を ほお張った

四季の 塊の 甘い 甘い露と蜜が
二人の 小さな口の中 一杯に 弾けた
・・・・・

夕焼けが 小さな 二つの背中を 染めて
遠くでは 稲刈りの 終わりを 告げる
白い煙が ゆっくり ゆっくり
赤い空に のぼっていく
高く 高く のぼっていく
・・・・・・

2005年10月29日 笠原 道夫
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (雪月花)
2005-10-30 08:31:50
笠原さま、おはようございます。ご挨拶が遅れて失礼いたしました。「雪月花 季節を感じて」の雪月花です。当方にお越しいただいた上、コメントまで頂戴して有難うございました。うれしかったです。



まずはブログ開設おめでとうございます。京都がお好きとのこと、これからあちらは観光シーズンですね。わたしはいつも観光客がひけてから、師走初旬の落紅葉のころの、静けさをとり戻した京の町を歩くのが好きです。



貴サイトのご発展をお祈りしております。季節柄ご自愛くださいませ。 ご挨拶まで‥
思い出はセピア色だけど・・ (みく)
2005-10-30 20:34:52
なんだか「雪月花」さんの上品な書き込みのあとには書きにくいですね・・。

荒けずりの私は・・。 見習わなくては・・(ん?無理?了解!)



じっと文字を追いながら、情景が浮かんできます。

こんな詩を読んでいると、自然に顔がほころんでいる自分があります。



昔、母が買い与えてくれて読んでくれた絵本、

自分で読んでいた絵本、真っ赤なほっぺでおかっぱ頭の妹、

まんまる顔で色白できれいな目の少年、兄。

笠原さんの詩が、その絵本になって次々と展開します。



兄と妹シリーズですね。 幸せの青い鳥ならぬ幸せの赤い柿の実。

夕焼け、白い煙・・ゆっくりと流れていく時間を感じます。

懐かしい昔に戻れる素敵な詩です。 

このように自然の中でゆっくりと過ごす時間がない子供たちは、可哀想ですね。



私のブックマークの「殿方のリンクの部屋」に笠原さんのブログ、

置かせていただきましたが、事後承諾でごめんなさい。
光栄です。 (笠原 道夫)
2005-10-30 21:51:34
光栄です。今後も末長く、よろしく お願いいたします。行間を読んでいただける方がいらっしゃることで、大変元気が出ます。

みくさんの「柿」できれば早く見たいでね・・・

実は「ちゃぶ台」Ⅱがあるんです。近々載せますね。 京都 嵯峨野の常寂光寺、行かれたことありますか? ぜひおすすめです。紅葉の季節になれば、順番に載せていきます。また感想をよろしくお願いいたします。

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