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【重要】核戦争防止国際医師会議とドイツ放射線防護協会のチェルノブイリ報告書で読んだことのメモ

2014-04-03 08:13:31 | 放射能汚染

核戦争防止国際医師会議とドイツ放射線防護協会のチェルノブイリ報告書で読んだことのメモ

 
★リクビダートル
 
ウクライナのリクビダートル5200人の95%に黄斑変性症、慢性結膜炎、白内障などの眼病。
リクビダートルのあいだには炎症性胃腸炎、感染症、白内障.寄生虫関係の病気、黄斑変性症、慢性結膜炎もふえた。
1986-87年にチェルノブイリで働いた人で、脳神経系の障害が出たのは 250mSv以上被曝した人:80.5%、250mSv以下被曝した人:21.4% だった。 
ウラニウム238による脳神経の障害:チェルノブイリのリクビダートルと同様の症状が第一次湾岸戦争の帰還兵とボスニア帰還兵にもでた(それらの戦争では劣化ウラン弾が使用されたことを示唆)。日本の原爆の被害者の症状と同様。MRI,EFG,PETで診る。 
 Flor-Henryの研究では、元リクビダートルの間に鬱や慢性疲労症候群、さまざまな脳神経系の病(精神分裂病など)が増えたのは、左脳の中の組織的変異のためとみられた。0.15-0.5Svの被ばくで。左脳の方が右脳より脆弱。若いほど重症。
0.3シーベルト以下の被曝をしたリクビダートルの26%が、慢性疲労症候群になった。慢性疲労症候群が減ってきた1995-2001年には、メタボリック症候群が増えた。どちらも他の脳神経的&肉体的な病気に併なう症状とみなされる。
「リクビダートルの多くにみられた記憶力/集中力低下、発語障害などは脳の中の血の循環が少なくなったreducedためと考える」モスクワのJ.V. Malova博士。 

元リクビダートルの多くが経験しただるさは中枢神経への障害のためだった(A.Arnold, R. Häuser)。また元リクビダートルの多くは、車の運転の仕事は諦めなければならなかった。運転中に眠ってしまうためだった(S.Pflugbeil)。

★遺伝的影響

チェルノブイリによる遺伝的な障害The genetic defectsはこれからまだ長期間に渡り世界を苦しめ続けるだろう。大部分の影響は2世代目、3世代目になるまで明らかにならない

100mSv以下で催奇形的被害teratogenic damage(未熟児出産、乳幼児死亡、重い形成異常)は起こらないというのがICRPの立場だが、1986-1987年わずか0.2mSvのドイツでもそれは起きた。

 

スウェーデン、フィンランド、ノルウェーにおけるチェルノブイリ事故後の乳幼児死亡率 1987-1992年の期間は1976 ~ 2006年に比べて+15%も多かった。Körbleinの研究。

 
「チェルノブイリ事故後の流産や中絶のデータは通常黙殺されてきたが」ポーランドの1986年の出産数はそれまでより大幅減。ギリシャでは1986年5月、妊娠初期の23%が中絶。チェルノブイリ後の西ヨーロッパでは10-20万件の中絶があったというIAEAデータも。
 
チェルノブイリ地区では組織的な中絶が行われたことを示唆する話も多い。だが皆あまり話したがらず正確なデータはない。ICRPのモール博士は「重要なのは胎芽の早期中絶に個人的・社会的影響はないという一般的な倫理判断」とするが、IPPNWは胚芽も犠牲者と考える。
 
動物実験で電離性放射線の変異原性が発見されて以来、放射線による人間への遺伝的影響はなんども考慮・調査されてきた。がICRPは100mSv以下では催奇性の障害は起きないとしている。実効線量が0.2mSvだった1986-1987年ドイツで催奇性の障害が増加した。
 
Körbleinは、出産前後期の赤ちゃんの死亡と, 食物連鎖・土壌におけるセシウムおよびストロンチウムの線量とに関係があることを突き止めた。

 

出産前後期の赤ちゃんの死亡が、1990年代前半のベラルーシ・ゴメリで他地域よりも30%増えた。これは、思春期にストロンチウムに被曝した影響が後から出てきたためとみられる、とA. Körblein氏の研究。セシウムの影響は1987年までに限定されていたが、ストロンチウムの影響は1998年まで続いた。ストロンチウムの影響は過小評価されてきた。キエフ郊外の街Zhytomyrとキエフで1987年に母親の胎内で死亡した子ども151人がセシウム、1988-1991年に死亡した712人がストロンチウムの影響。合計863人であった。
 
遺伝的なダメージについてみていく際のむずかしさの一つは、その大部分が数世代あとになるまで目に見えてあらわれないということである。そのためチェルノブイリ事故による遺伝的影響の研究は、まだ初期段階にあるといえる。
 
予想される遺伝的ダメージの10%が一世代目におきる。

 

本人は直接被曝してなくても高線量に被曝していた両親をもつ子どもで健康な割合は 1987年には81%、1996年には30%。ウクライナのデータ。 

チェルノブイリから300km圏内に住んでいた79家族の子どもの血液サンプルを調べたモスクワ大学とレスター大学の研究者たちは、1994年2月~9月に生まれた子ども達の間で突然変異の事例cases of mutationsが2倍であったことに驚いた。
 

チェルノブイリ事故の1週間後、多くのドイツ人がウクライナ各地からドイツ連邦共和国に戻った。その人々の染色体を分析すると驚くほど明確な染色体異常の増加がみられた。ほとんどは出張でウクライナに来ていた人々で、チェルノブイリから約400kmの地点にいた。
 
ドイツのハンブルグでは、チェルノブイリ事故の年、未熟児の生まれる数が過去30年間で最大だった。
 
オーストリア・ザルツブルグの線量は、チェルノブイリ事故前は年間0.9 ミリグレイ、事故後は年間2ミリグレイだった。テストした人の中で抹消血液におけるリンパ球の染色体へのダメージは事故前に比べ6倍になった。
 
★非ガン性疾患
ガン以外の病気に放射線がどう影響するのかは、まだほとんど 未解明だ。積極的に調査されない理由は、これを公的に認めてしまうと放射線による犠牲者の数(チェルノ以外も)が激増する為である。関係するデータも登録 もなく、西側世界でこれを調査することは不可能に近い。
 
A. Nyaguの調査では、ウクライナ北部では複数の病気になる人が多いことが明らかだった。(10万人当たり・1992年)免疫系:16304人、心理的障 害:13145人、脳神経系:15101人、循環器系:98363人、消化器系:62920人、皮膚・皮下組織:60271人、骨格筋系:73440人
 
1990-1997年のゴメリの子ども 多くがガン以外の病 気で、診断書原本を見ても1人で複数の病気にかかる子が多い。子ども10万人あたりの病気の診断数:1985年9,771件 1990年73,754件、 1994年120,940件、1997年124,440件だった。
 
1980 -1986年のゴメリ(高汚染)とミンスク(比較的低汚染)の糖尿病発生件数はほぼ同じだった。1987-2002年のゴメリでは子どもと若者のあいだで mellitus Type 1型糖尿病がミンスクの倍になった。ドイツとベラルーシの研究者が共同調査した。
 
ジトミールZhitomir、キエフ郊外、キエフ市ではセシウムの影響(1987)とストロンチウムの影響(1998-1991)で出産前後期の赤ちゃんの死亡が増えた。
 
★精神疾患
 
元チェルノブイリ住民の成人に多い精神疾患について キエフ のN. Gulaya:放射性元素が神経細胞にダメージを与えるためではないか。 ロシア科学アカデミーZhavoronkova:電離性放射線が特に血管にダメージを 与える。脳の血流が阻害され、組織的ダメージが起きるのではないか。
 
ウクライナにおける精神疾患発症率を、同国保健省は2%台と 発表している。しかしWHOのWMH調査でウクライナは20.5%だった。WMHのシステムは不安、鬱、心身症、アルコール中毒を考慮しているが、精神病 や器質性精神障害、心神耗弱等の用語の使用は避けられている。
 
★動物、環境
ヤギは放射能にもっとも敏感な家畜とされる。1987年ドイツでは、妊娠しないヤギ、流産、未熟児、小さい/大きい子ヤギ、甲状腺の異常、深刻な形成異常などがあった。問題を表に出したがらなかったヤギブリーダー協会の強い反発にもかかわらずこれらの報告が届いた。
 
ドイツ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、リトアニア、ポーランドの特定の地域で獲れたシカ、イノシシ、食肉性の魚、きのこ、野生のベリーには、数千Bq/kgにもなるセシウム137の汚染があった。
 
★ガン
 
1986年、ベルリンでは甲状腺機能低下症の子どもが14人生まれた。それ以前は毎年3-4人、多くても7人程度だった。このことは翌年ある小児科医院により発表されたが、チェルノブイリ事故前後のドイツの甲状腺疾患に関する広範な調査は今日に至るまで行われていない。
 
1975年以降チェコでは甲状腺がんが増えてはいた。だがチェルノブイリ事故後の1990年以降、成人の甲状腺がんは年間2.0%から4.6%と大きく増えた。特に女性に増えた。4年(女性は3年後にも)という発症までの潜伏期間は、チェルノブイリ地区のと比較できる。ポーランドと英国北部でも思春期の若者と成人の甲状腺がんが増えた。
 
慢性的な低レベル放射線による癌のリスクは原爆よりチェルノブイリのほうが高い。ガンのリスクは15か国の原発作業員が原爆の犠牲者の3倍だった(白血病と肺がん以外)。なので原爆犠牲者の結果をチェルノブイリにあてはめようとすると過小評価となる。
 
ウクライナでは①ガン診断から死亡までの年月が1985年は57-42カ月だったがチェルノブイリの10年後には2.3-2カ月に。 ②死に至る結核の割 合は1985年は17.2%、1990年は50%に。Godlevskyはこれらの現象の原因を免疫系の破壊のためとみる.
 

Orlov とShaverskyの研究では、チェルノブイリのあとウクライナでは幼児の脳腫瘍、特に中枢神経の腫瘍が増加。3才以下は5.8倍、1才以下は10倍。腫瘍は良性悪性問わず健康な脳の組織と入れ替わってしまい、特に幼児の脳にとって致命的に深刻な病気となる.

ルーマニア東部では1986年7月~1987年3月生まれの 子どもの白血病が1987年4ー12月生まれの2倍以上、原因は汚染食品(Cs134, Cs137, Sr90、I-131)かとDavidescuらが研究。 
 *チェルノブイリからルーマニア直線距離約810km?
 
E. Petridouの研究によると、チェルノブイリ事故の時母親の胎内にいたギリシャの子どもでは、0-1才までの間に白血病になる割合が2.6倍上がった。 
 
ウクライナのリウネ(Rovno)州で子どもも大人も造血性のガンが増加。慢性リンパ性白血病、骨髄性白血病、悪性リンパ腫も。
*リウネ州の少なくともリウネ市は37500Bq/平方m以下の汚染地域
 

ベラルーシ・ゴメリのチェルノブイリ事故前の13年間と事故後の13年間を比べると、18歳未満の甲状腺がん発症率は58倍、19-34歳は5.3倍、35-49歳は6倍、50-64歳は5倍、64歳以上でも 2.6倍上がった。E. Lengfelderの研究。

 


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