<セシウム汚染牛>岩手、栃木、秋田、宮城産からも検出
毎日新聞 7月22日(金)21時14分配信
岩手県によると、問題の牛肉は東京・芝浦の食肉処理場で処理後、京都に流通した。京都市の検査でセシウムを検出、この牛は汚染された稲わらを与えられていた可能性がある。
宮城県によると、東京都の食肉業者が18日に仕入れた県産牛肉12.9キロから1150ベクレルのセシウムが検出された。自主検査した業者が都内の保健所に22日届け出た。県北部の畜産農家が6月1日に東京の食肉市場へ出荷した。この農家はセシウムに汚染された稲わらを牛に与えていたことが県の調査で確認されており、複数頭が出荷されたとみられる。
栃木県の3頭は同県那須塩原市の農家が出荷。東京食肉市場で11日に処理され、東京都の2業者が12日に競り落として保管しており、市場には出回っていない。22日の東京都の検査で760~560ベクレルのセシウムが検出された。この農家は4月6日にも1頭を出荷、東京都が流通先を調べている。
栃木県によると、この農家は、市内の酪農家から4月4日に購入した稲わらを肉牛に与えていた。原発事故後も田に置いていたもので、酪農家は「飼料には使えないと(仲介者に)断って売った」と話しているという。
秋田県の1頭は、宮城県美里町から稲わらを購入していた秋田県内の農家が出荷。12日に食肉処理され同520ベクレルを検出。この牛は354キロが秋田市の精肉店に14日に販売されたが、すべて店内で保管されており、消費者には渡っていない。【宮崎隆、吉永康朗、泉谷由梨子、野原寛史】
セシウム汚染:稲わら、70頭に与える…三重の肉牛農家
三重県は22日、同県大紀町の肉牛農家で約70頭に与えた稲わらから、基準値を上回る1キロ当たり2万6000ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。うち残っていた11頭の肉を調べたところ、放射性セシウムは暫定規制値以下だったという。県農畜産室などによると、肉牛には、宮城県登米市で震災以降に収集された稲わら約9.5トンが与えられていたという。約70頭は松阪牛として出荷され、津市の食肉店で販売された。【駒木智一】
毎日新聞 2011年7月22日 14時04分(最終更新 7月22日 14時20分)
東日本大震災:松阪牛に汚染の疑い 約70頭出荷、宮城の稲わら与える? /三重
放射性セシウムを含む稲わらを肉牛に与えていた問題で、県は21日、大紀町の肉牛農家で「松阪牛」として肥育された約70頭に汚染疑いのある稲わらが与えられた可能性があり、出荷されていたと発表した。肉牛には、宮城県登米市内で震災以降に収集された稲わら約9・5トンが与えられていたという。
県農畜産室によると、約70頭の肉の大半は津市の食肉販売店で販売されていたという。うち11日から19日にかけて県松阪食肉流通センターで食肉処理されていた11頭分の肉は同店で残品が確認され、県保健環境研究所(四日市市)で放射能汚染の濃度を検査している。残りの約60頭分の肉はすでに大半が一般消費者に販売されたとみられ、県は流通経路を追跡調査している。【駒木智一】
〔三重版〕
東日本大震災:セシウム汚染牛 松阪牛は安全 市長「福島から仕入れなし」 /三重
福島県南相馬市の畜産農家が出荷した牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題を巡り、松阪市の山中光茂市長は15日の会見で、松阪牛については、福島県からの子牛や飼料の稲わらの仕入れはないなどとする聞き取り調査結果を明らかにした。
山中市長によると、震災発生以降、東北地方から松阪牛の子牛を仕入れたのは、岩手県の70頭と宮城県の15頭で、福島県からはなかったという。また、稲わらも、肥育全農家117戸に聞き取り調査をした結果、大半は自家産か、近隣農家と提携した地場産で、福島県から仕入れた農家は全くなかったという。
山中市長は肥育農家で構成する松阪牛協議会長も務めており、来週早々にも理事会を開き、農家の餌の導入指針など、今後の対応を協議し、原発の避難区域の牛対策について明確な基準を示すよう政府に要望する方針も明らかにした。【橋本明】
〔三重版〕
セシウム汚染:全頭検査実施など要請 JA福島中央会など
福島県から出荷された肉牛から暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが相次いで検出されたことを受け、JA福島中央会など5団体は20日、県全域での肉用牛の全頭検査の実施などを鹿野道彦農相に要請した。
政府は福島県に対し、県内全域の肉牛の出荷停止を指示。解除の際に実施する検査は、緊急時避難準備区域などは全頭で、その他の地域は全戸調査をして問題がない農家で最低1頭を対象としている。庄條徳一会長は「全頭検査が消費者に安全、安心なものを届ける最低条件」と述べた。
5団体は他に▽全頭検査体制の確立まで出荷牛を国が買い取る▽枝肉価格の浮揚を図る--などを求めた。
一方、農水省は同日、生産者・流通団体への説明会を開催。畜産部幹部が謝罪した後、経緯や実施した対策などを説明し、参加者の意見を聞いた。会場からは「量販店からは検査した証明書を要求されるので、全頭検査をしてほしい」などの意見が出た。【佐藤浩】
毎日新聞 2011年7月20日 20時19分
セシウム汚染:「県や市から連絡なし」宮城の生産者怒り
東京電力福島第1原発事故の影響は、福島県外の畜産業界にも及んできた。肉牛の餌とされていた稲わらの放射性セシウム汚染が相次ぎ発覚している宮城県では、事態を防げなかった国への怒りの声が上がっている。【川上晃弘、津久井達、篠原成行、宇多川はるか】
15日に稲わらから放射性セシウムが検出された宮城県登米市。繁殖用の雌牛を飼育し、飼料に同市産の稲わらを与えている佐藤尚衛さん(72)は「検出されたことも、今後どうすればいいのかも、県や市から何の連絡もない」と憤る。5月末~6月初旬に農林水産省職員が開催した地元講習会では「登米市の飼料は安全」と聞かされていたという。
汚染牛の問題が発覚して以降、1頭60万~70万円だった雌の子牛の値段が10万円以上下落。「さらに地元の稲わらからセシウムが検出されたとなれば、市場値はもっと下がるだろう」と懸念する。
大崎市で稲わら販売業を営む男性は「今後、いつになったら稲わらを売ることができるのか」と途方に暮れる。16日、市内の別の業者が福島県相馬市の農家へ販売した稲わらから、暫定許容値を超える放射性セシウムを検出。以来、取引先から「稲わらはどこで収集したのか」「管理はちゃんとしていたのか」との問い合わせが相次ぎ、20社近い取引先への販売が中断している。取引先は関東地方が中心で全体の約7割を占める。「今は大崎と言っただけで売れない状況。在庫をさばくのは当面無理でしょう」
大崎市内の精肉卸業「真成フーズ」は、地元ブランド牛「古川牛」を主に扱っている。社員の大内敏雄さん(55)は「古川牛の飼料は地元の稲わらが多く、売り上げ減に直結するのでは」と心配する。これまでにも周辺自治体で牧草からセシウムが検出されていたが、国や県からは肉の販売について具体的な指示はなかったという。「対策が後手後手に回っている。牛海綿状脳症(BSE)の時のように全頭検査を実施してもらわないと、風評被害がどんどん拡大してしまう」と訴えた。
今秋以降に収穫される農作物全体への影響を心配する声もある。県北部で稲作とともに稲わらを収集・販売している男性は、「これから収穫シーズンを迎える米は大丈夫なのか。稲わら以外にも被害が出ないか、不安は尽きない」。稲作農家の間にも「国はなぜもっと早く対応しなかったのか」との怒りが広がっている。
県は風評被害への危機感を強める。畜産課は「宮城の状態が福島と同じと思われては困る。稲わらから検出された放射性セシウムの値は福島より相当低い」と強調。食と暮らしの安全推進課は「牛肉に含まれる放射性物質のデータを示さないと、消費者にはなかなか納得してもらえないと思う。しっかり検査していきたい」と話した。
毎日新聞 2011年7月17日 21時56分(最終更新 7月18日 1時12分)
セシウム汚染:焼き肉店、客遠のく 経営悪化に拍車
肉牛の放射性セシウム汚染の広がりは、焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒で客足が落ち込んだ焼き肉店の経営悪化にも拍車をかけている。客からは安全性を心配する声がある一方、「人体への影響は出ていないのに騒ぎすぎ」と冷静に受け止める意見もあった。
多くの焼き肉店が軒を連ねる東京・上野。連休中日の17日、街は買い物客でにぎわうが、焼き肉店の店内はランチタイムでも空席が目立つ。上野駅近くのビル2階に店を構える「焼肉釜山」オーナーの高大栄(こう・だいえい)さん(49)は「お客さんが減ってしまった」とこぼす。
昨年7月、埼玉県内から上野に店を移し、経営が軌道に乗り始めていたが、東日本大震災で売り上げはダウン。その後は食中毒事件の影響に見舞われた。持ち直しつつあったところで「セシウム汚染」が発覚し、売り上げは半分程度に落ち込んだ。土日に多かった子供連れの客はほとんどなくなり、常連客からも「放射能は大丈夫か」と心配する声が多いという。
別の店の男性店長(30)も「売り上げが1~2割程度落ちた」。産地についての問い合わせが多く、看板に産地を明示することも検討しているという。
客の反応はさまざま。川崎市の会社員(30)は「国産の肉は食べたくない。国が示している基準が本当に安全なのかも分からない。これからは産地を気にして食べたい」。一方、東京都台東区の男性会社員(48)は「今のところ人体に影響は出ていない」。茨城県日立市の男性会社員(52)も「ちょっと騒ぎすぎのような気がする」と言った。
大手チェーン店でも使用を自粛する動きが広がっている。東京都内にある「叙々苑」(東京都港区)のある店舗は「個体識別番号を気にされるお客様もいらっしゃる。でも和牛は産地がはっきりわかるので、ユッケの食中毒事件の時ほど影響はありません」と話した。【松本惇、池田知広】
毎日新聞 2011年7月18日 9時03分(最終更新 7月20日 15時51分)
放射性物質:セシウム汚染牛肉9都道府県流通
毎日新聞2011年7月11日 22時41分
福島県南相馬市の畜産農家が出荷した黒毛和牛11頭から
暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、
同じ農家が出荷した別の6頭の牛肉が
5都府県の食肉販売・卸売業者に販売されていたことが東京都の調査で分かった。
さらに少なくとも9都道府県に流通し、148キロ以上が小売店などで売られたが、
厚生労働省は「継続的に大量摂取しなければ健康に影響はない」としている。
流通が確認されたのは、北海道、東京、神奈川、千葉、静岡、愛知、大阪、徳島、高知の各都道府県。
静岡市保健所は11日、
市内の業者が27.8キロの肉を仕入れ、残っていた肉から1キロ当たり1998ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表。
一部は飲食店などで客に出されたという。
東京都によると、
都内の卸売業者が保管していた肉から、最大で暫定規制値の6.8倍に当たる3400ベクレルが検出された。
大阪府も11日、2頭分の肉が府内を中心に流通していたと発表。
うち数キロ分が贈答用として消費された可能性があるという。
横浜市では小売店で52キロ分が販売された。
愛媛県によると、17.6キロ分が県内の業者を通じて高知、徳島両県のスーパーに送られ、販売されたという。
愛媛県内での流通は確認されていない。
◇餌の稲わら7万5000ベクレル
福島県は11日、餌の稲わらから1キロ当たり7万5000ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
農家は福島第1原発事故後に屋外にあった稲わらを与えたと認めており、
県は牛が「内部被ばく」したと断定。
計画的避難、緊急時避難準備の両区域内にある農家約260戸から出荷される肉牛の全頭検査の実施を決めた。
県は餌の管理状況をチェックするため、11日から両区域の立ち入り調査に着手。
両区域外についても今後、立ち入り調査するとともに、1農家当たり少なくとも1頭のサンプル検査を行う方針だ。
県の調査によると、井戸水や配合飼料には問題はなかったが、
稲わらからは飼料の暫定許容値(1キロ当たり300ベクレル)を大幅に超える
7万5000ベクレルの放射性セシウムが検出され、水分量を補正して計算した場合でも1万7045ベクレルに達した。
稲わらは原発事故後、4月上旬まで水田に野ざらしで置かれていた。
和牛を出荷した農家は緊急時避難準備区域内にあり、1頭当たり1日約1.5キロを食べさせていたという。
県の調査に対し「震災後に配合飼料が手に入らなくなり、食べさせてしまった」と説明したという。
【種市房子、野倉恵、小玉沙織】
セシウム 柏の清掃工場、基準8倍超
東京新聞2011年7月12日 朝刊
千葉県柏市の清掃工場で、処理後の焼却灰から、
最大で、国が埋め立てをしないで一時保管を求める
一キログラム当たり八〇〇〇ベクレルの八倍以上の放射性セシウムが検出されたと同市が十一日、発表した。
同市によると、六月二十四日からの試料採取の結果、
南部クリーンセンター(同市南増尾)で同七万八〇〇ベクレルが検出された。
焼却灰は約百二十トン。
住民の理解を得られないため、最終処分場に運べず、工場内で保管中。
しかし、ごみの焼却を続けると、保管スペースは九月中旬にも埋まるため、同市は住民に理解を求める。
北部クリーンセンター(同市船戸)では、同九七八〇ベクレルを検出。
搬出中止前に最終処分場(同市布施)に運んだ焼却灰などからも同四万八九〇〇ベクレルを検出した。
放射性物質が付着した庭木などが可燃ごみとして出され、焼却して容積が減り、放射能が濃縮されたとみられる。
また、同県印西市の印西クリーンセンター(同市大塚)でも、同一万三九七〇ベクレルが検出された。
同県流山市も十一日、市クリーンセンター焼却場で発生した焼却灰から、
同二万八一〇〇ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
五日に採取した焼却灰で、民間の専門機関に測定を依頼していた。
東京都内でも先月、江戸川清掃工場(江戸川区江戸川)で、
焼却灰から同九七四〇ベクレルの放射性セシウムが検出されている。






