よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

『戦火と混迷の日々 悲劇のインドシナ』

2006-12-30 10:39:14 | Weblog
という本をご存知だろうか。ベトナム戦争時代の特派員として著作も多い近藤紘一氏の本である。この作品は、戦後日本人として初めてカンボジア男性と結婚し、その後あの悲惨なポルポト時代を生き抜いた内藤泰子さんという方(故人)についてのドキュメントを軸に近藤氏のフィールドであるインドシナについて書かれている。私は以前、知り合いのカンボジア人に「ナイトウヤスコ」っていう日本人を知ってる?と聞かれ、「誰?歌手の?」などとまぬけな回答をしてしまったことがあり、あの時は本当に不勉強な自分を恥じた。インターネットなどでいろいろ調べて、以前から興味を持っていたが、ここカンボジアではなかなかその書物にめぐりあうことがなかった。おそらく日本でも絶版になっているだろうが、日本でだったら図書館にいって調べれば一発である。こんなとき日本の図書館が本当に恋しくなる。ずっと読みたいと思っていた矢先、先日たまたま図書館で見つけたので、すぐに借りてきた。本の内容や感想はこれから読む人のためにふせておくが、この本を読んでポルポト時代の残虐さをあらためて思い、そして思ったことがもうひとつ。それはポルポト時代前の、美しかったといわれるプノンペンの姿を見てみたいということだ。フランススタイルが残り、インドシナのオアシスと呼ばれた美しく、幸せなプノンペン。残虐なポルポト時代が語られれば語られるほど、いろいろな人の話や書物で見るにつけ、その悲惨な時代の前のつかの間の幸福だったプノンペンをのぞいてみたい。これも現代人の絶対に戻れない過去へのあこがれか。

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