よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

どろぼう出身

2006-12-05 18:56:11 | Weblog
またしても学校でおもしろいことがひとつ。なんと学校のセキュリティの男の子が「実はぼく、どろぼうなんだ」とカミングアウトした。正確な日本語で言えば「実はぼく、どろぼうだったんだ」と過去形であるが。

その男の子は20歳そこそこの子で、もともと教会関係のNGO職員が「人柄は絶対に保証する」といって連れてきた。よく言えば田舎出身の素朴な子であったが、腕にも体にも大きなタトゥーが彫ってあり、お勉強できない系の若い頃はきっと悪かったのだろうなあと一目でわかるタイプだ。そこらへんの空気感は世界共通、彼の身なりや彼の友達を見ればわかるものである。でもリーダータイプではなく、子分タイプだったこともあり、チンピラグループの使いっぱのような子だったんだろうな程度に思っていた。しかし、どろぼうだったとは・・・。

彼がカミングアウトしたところによれば、やはり以前チンピラの集まりのようなどろぼうグループに属していたという。悲しいかな、田舎出身で勉強もできず、仕事もなく、となれば道はおのずから決まってくる。カンボジアにはそんな子達が、はいてすてるほどいる。夜になるとそんな若者たちが町のあちこちで虎視眈々と今夜入る家を狙っている。鍵屋はほとんどどろぼう出身といっても過言ではないという。元どろぼうで今鍵屋か、副業が鍵屋かどろぼうか、鍵屋がどろぼうになったのか、にわとりかたまごかのような話だが、まあそんな程度に、ここプノンペンにはどろぼうはいる。「どろぼう」なんて日本では今では滅多に口に出さないが、こちらでは学生の例文にもよくでてくるキーである。私も何度も目撃したことがある。この前も夜、隣のうちの屋根の上をどろぼうさんが歩いているのが、窓から見えた。

自分のどろぼうという出自を隠していたことがつらくなったのか、何かあったのか、先日仲のよいクメール人スタッフに「実は・・・」と突然告白したらしい。セキュリティの彼も「すり」の技術はなかなかのはやさだとか。どちらかというとぼーっとしている子なので、人は見かけによらないもんである。おもしろいのはその後で、うちのボスに「僕はどろぼうなんだけど、このままここでこうしてスタッフとして働き続けていいのだろうか」とおうかがいをたてに来たというので笑った。うちのボスの切り替えしもさすがで「どろぼうなんだけど、じゃなくて、どろぼうはもうするな!」と。

もちろん、うちの学校で働くようになってからはどろぼうはしていないようだし、カミングアウトしたからにはそうそうここで変なことはできるまい。疑われたら一環の終わりだ。そこらへんは一緒に住んでいるのでよくわかる。まあ悲しいことだが、手癖が悪いクメール人スタッフはほかにもわんさかいるので、彼などあまり気にしなかったというのが事実。しかし、まさかセキュリティがどろぼう出身だっとは。こんな話はつきないのでもうあまり驚かないが、ひさびさにかなり笑えたカンボジアらしい一件であった。


さまざまな年齢の重ね方

2006-12-05 18:53:46 | Weblog
カンボジアへ来てから、つくづく人の年齢はわからないものだと実感する。カンボジア人はもちろんよくわからないのだが、日本人もしかり。先日もカンボジアで別々にお世話になっている日本人の方3人が同じ年齢であることが判明。まあ、私も直接聞いたわけではなく、人づてに聞いたのだが、本当におどろいた。もちろん仕事や生活、人生のバックグラウンドが違うにせよ、それにしてもこの3人はあまりにも違うのである。キャラクターもかけ離れているので、まさか同級生とは思いもよらなかった。観察魔の私としては日本ではかなりの確率でだいたいの年齢をあてることができたのだが、こちらではさっぱりだ。まあ、カンボジアという土地柄ゆえ、また気候や服装ゆえ、余計わからないのかもしれない。日本できちんとした格好して、それなりの場所で会えばそれなりの年齢に見えるのかもしれない。それにしてもウン十年前には同級生として同じクラスで机を並べていたかもしれないかと思うと、不思議なものだ。それぞれの年齢の重ね方はどれがいいとか、悪いとかいうものではないが、自分もこれから自分自身が納得できるようないい年齢の重ね方をしていきたいものである。



日本語能力試験、無事終了。

2006-12-05 18:52:49 | Weblog
カンボジア初の日本語能力試験が先日、無事に終わった。大きな問題はなかったようだが、小さなトラブルや準備の大変さなど主催者側の苦労ははかりしれない。やはり初回というのは大変なものである。私たち教師陣も試験監督して当日は会場に向かった。学生たちが無事に試験を受け終わったので、なんとなくほっとした今日このごろである。懸念された遅刻やカンニングなどもなく、カンボジア人もやればできるのだなあと感慨深かった。ふだんからこの調子でやってくれればいいのだが。あとは結果を待つのみだ。多くの学生が受かってくれているといいのだが・・・。