kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

良いM&A悪いM&A

2011-10-27 08:44:49 | 日記
国内市場の停滞と新興国市場の成長で日本企業は今後益々海外市場重視の
企業戦略が必要です。そこで自社にない技術や販路など素早く手に入れる
ためにはM&Aは企業戦略上重要です。ましてこれだけの円高です。海外
企業の買収を考える経営者は多いでしょう。また円高対策の一環として政
府も海外M&Aを推進しています。また政府は円高対策として外為特会の
融資枠も10兆円用意しました。

M&Aで成功をしている企業の筆頭は日本電産でしょうか。多くは国内の
業績不振企業を買収して日本電産流の経営を移植して見事に黒字企業に立
て直しました。昨秋には米電機大手のエマソンから産業・家電用モータ部
門を買収、早くも今期決算に貢献しています。他にも今年三洋電気から携
帯電話用の振動モータ子会社を買収、それまで赤字続きだった業績を7~
9月期には黒字転換を果たしました。日本電産のM&Aの特徴は本業のモ
ータ事業と関連が深い事業会社の買収が多いということです。そこにはモ
ータ分野で世界のグローバル企業となるという明確な戦略があります。

他にもソフトバンクが英ボーダフォンから買収した日本の携帯電話事業
(現ソフトバンクモバイル)や第一三共が買収したインド後発品大手の
ランバクシー(最初は赤字続きで苦戦しましたがその後業績は回復)は
M&Aの成功例でしょう。また三菱ケミカルHGは三菱樹脂や三菱レイ
ヨンの完全子会社化や医薬品子会社と田辺製薬の合併など本体の収益構
造を汎用化学品主体から高付加価値の素材産業へと変貌させました。

反対に失敗例は前社長の解任劇で話題になったオリンパス。本業との相乗
効果の見込めない国内3社の買収や英医療機器メーカーの買収では高額な
手数料が問題になりました。それに2006年には日本板硝子が「小が大
を呑む合併」と言われた英ピルキントンの買収は総額6000億円を超え
る費用がかかりましたが、その後のリーマンショックの影響もあり苦戦し
ている例でしょう。

M&Aが成功か失敗かはその後のマネジメントをどのようにするのかが
カギを握っています。いかに企業価値を向上させるかは永遠のテーマです。
成果が出るまで5年10年とかかる場合もあるでしょう。いずれにしても
日本の企業が成長を求め世界で競争していくためにはM&Aが必要です。
コメント
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