杉並の純一郎(3)

2009年12月で68歳に!
先の戦争が一体なんだったのかを今一度勉強し、次の世代に伝えてゆきたい。

NHK問題と菅総務相

2007-03-02 21:28:57 | Weblog
NHK問題と菅総務相

 しばらく動きが止まっていたNHK問題であるが菅総務相はNHKが受信料を2割下げないのなら、今回の法改正には受信料支払い義務化は載せないと言い出した。27日の閣議後の会見で「義務化だけ行い、NHKが焼け太りすることに国民の理解を得られない」とのべ、略同時に同省の放送政策課長を更迭している。ごくあたり前の話であり且つ私にとってはまだまだ不満な内容ではあるが、一つの前進ではある。 それにしても反NHKにはいつもなら必ず一言あるNHK派の参議院、片山虎之助の発言がでない。
 この総務相の唐突な動きと虎之助の沈黙一体どうなったんだ?

 今日の日経プロの視点に清水真人は「安倍晋三の影の官房長官、菅総務相」を書いており、これを読んでなるほどと思えた。

「お茶の間の知名度はまだまだ、地味ないぶし銀タイプに‘次の官房長官候補’といわれるのは何故か。

‘脱派閥’‘世代交代’の仕掛人
 課長の人事まで介入し菅がショック療法に出たのはNHKだけではなく、本丸は片山虎之助だ。初代総務相でその源流の自治省出身の片山は菅の仕掛けに首を縦には振らない。これに菅は対峙しようとしている。
 菅は当選回数4回以下の‘再チャレンジ支援議員連盟’ にあり、そのキーワードは ‘派閥横断’ と ‘世代交代’。小泉や安倍のような世論の支持を得て選挙の顔となれるトップを担ぎ、改革の旗を振り続けないと政権を失いかねない小選挙区世代でもある。この世代は派閥や既存秩序頼みの政治が終焉に向かう流れを敏感に嗅ぎ取り、年長実力者には距離をおいている。

‘たたき上げの都会派’負け戦を肥やしに
 秋田の農家出身、高卒後集団就職で上京、下積みの仕事をしながら大学を卒業、会社勤めをへて、自民党衆議院議員小此木彦三郎の秘書を11年、その後衆院神奈川2区から当選を重ねる。当選回数は若手だが年齢(58)、政治経験は若手でもなく、自民党では珍しくたたき上げの苦労人。
 1998年小渕派にありながら大幹部であり小此木の盟友梶山静六につき梶山は総裁選で善戦するも破れる。200年に梶山の死に伴い加藤紘一の派閥にわらじを脱ぐがこれも駄目。
 先頭に立って勝負を仕掛け、結果は負けの連続、しかし敗北を肥やしに力をつける。
 安倍との交友が深まるのは‘万景峰号’の入港禁止法案。安倍は総裁選での多数派工作で鉄火場の経験豊、戦略眼と幅広い根回し能力、それに腹をくくったら引かない度胸を頼りにした。

‘竹中平蔵’も‘霞ヶ関’も併せ呑む
 安倍政権擁立をにらみ山本有二を会長に‘再チャレンジ議連’を旗揚げし、安倍がひそかの求めていた80人というハードルを越える94人を集め、なだれ現象をうみ福田の出番をくじく。
 総務相の抜擢を受け‘スピード感’を重視、民間有識者を審議会ではなく、政策決定に直結する知恵袋として使うべく、三つの‘菅チーム’、東洋大松原聡の‘通信・放送改革タスクフォース’、作家猪瀬直樹、パソナ南部靖之の‘行政効率化タスクフォース’、北海道大学教授宮脇に‘地方行政改革’を立ち上げた。
 大臣が官僚に頼らず直属のブレーンチームを組織し改革のエンジンとする、この手法は竹中が得意としたが、菅は副大臣として竹中に一年近く仕え気脈を通じる。
 しかし菅は官僚を抵抗勢力と見立てずに、官僚からは‘話は聞くし決断も早い’、‘目立とうとせずに裏でも動く’、‘仁義にあつい反面、守らぬと怖い’と。
 次々と主君を代えて出世の踏み台にした油断のならない人物とも言われているようだが、今回の課長更迭は人事を揺さぶるのが効果的と熟知する菅のこわもてが出たが、この手のできるタイプが‘チーム安倍’には見当たらない。安倍を支えぬき実力者の階段を駆け上がれるかどうかの岐路にある。」

 しかし‘料金2割値下げ、義務化’とて満足の行く改革とはとても言いがたい。そもそも‘公共放送’とはなにかの議論が欠けており、組織は闇雲に肥大化し受信料はスカイハイである。それもこれもと言えば、NHKを現実的に管理・統治する機能が欠けておりNHKの言うままになっているのが実態であるからだ。
 NHKは公益法人にあらず、これは‘独裁法人’に他ならぬ。こんなものが通用してよい筈がない、だからこれが改まらぬ限りカネなどは払えない。

 ちなみにヤフーが簡単なアンケートをやっている。設問は「受信料を2割下げたら義務化に応じるか」、10万件を超える答えの63%が‘NO’である。
 国民は義務化そのものに反対をしていることを菅総務相にはしっかり感じ取ってもらいたいのだが片山との戦いとなればそう簡単ではないことも理解できる。