ダリア・ペトリッリ
イタリアのイラストレーターらしい。
恐ろしい絵だね。女性の背中に目があり、それがこちらを凝視している。
女性は完璧なまでのスタイルをしている。服も容貌も理想的だ。だがそれはどこか、男が押し付ける女のイメージを完璧に着せられているという感がないでもない。
男が好きな女の姿を、完璧に演じさせられている。美しいが表情は硬い。この女性の中に、一体何がいるのかと、そういうことを感じさせる絵である。
本来の自分でいることを許されない。お仕着せの女性の姿を着せられて、アンドロイドのように男の言うことを聞かねばならない。
画家は女性だが、おそらくそういう生き方をさせられてきたか、そういう生き方をさせられている女性を間近にみてきたのだろう。
背中に発生した獣の目は、恐ろしい拒否を現している。
こんな生き方は二度といやだと。
この目は言っている。