心證寺住職のブログ

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特定外来生物「タイワンザル」、和歌山で根絶宣言へ

2017年11月27日 | 自然の営み

朝日新聞に

特定外来生物「タイワンザル」、和歌山で根絶宣言へ」という記事が載りました。(2017年11月24日)

和歌山県北部の閉園した動物園から逃げ出したタイワンザルが野生化して、繁殖していたそうです。

タイワンザルはしっぽがニホンザルに比べて長いだけで、外見、大きさ、習性、食べ物、生息場所など日本ザルとほとんど変わらないそうです。交尾すれば子どもが生まれ、その子どもも繁殖能力を持っています。生物学的には同種と考える学者もあります。

(yahooきっず図鑑より)

ニホンザルと同じように、普段は山に住み、時折、里に下りてきては農作物を食い荒らす被害があったそうです。

そこで、えさでおびき寄せて捕まえて「駆除」したのだそうです。

「駆除」と言葉を換えていますが、殺したのです。

いざ捕まえてみると、ニホンザルも混じってオリに入るので、遺伝子を調べて「純粋な」ニホンザルは山に放したそうです。

遺伝子を調べてみないと、外見では見分けられないのです。

調べてみると、実に9割はニホンザルとタイワンザルの交雑個体だったそうです。

「純粋」でない猿は「駆除」され、「純粋な」猿は生かされ、天然記念物として保護されます。

 

実は、タイワンザルを駆除するのは、ニホンザルと交雑して、ニホンザルの遺伝子汚染のおそれがあるからだそうです。

環境省の文書にそう書いてあります。

 

先祖がよその土地から連れてこられ、その子孫たちは日本に住み着いて、もともと日本に住んでいたものと混血し、何も知らずに暮らしていることろに、ある日突然捕らえられ、遺伝子を調べられ、「純粋」か「純粋でないか」選別され、「純粋でない」ものは殺される。

とても恐ろしいことです。信じられません。

かつて人間で同じような考えの人たちがありました。「かつて」ではないかもしれません。同じような考えを持つ人は今でもいるようです。

動物も人も同じ命。生まれ変わり生き変わり、同じ命がつながっています。尾の長い猿も短い猿も同じ命。どうして「駆除」しないといけないのでしょう。

環境省も和歌山県も専門家も「タイワンザル根絶」を評価すべきことと考えているようです。

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