心證寺住職のブログ

諸天昼夜 常為法故 而衛護之 諸天善神に護られて

布教師研修会

2014年11月14日 | 日蓮宗


今日は、尾張布教師会の研修会に参加してきました。
講師は、山口県立大学教授 鈴木隆泰先生。東京の日蓮宗寺院のお生まれ、東京大学でインド哲学を学ばれ、涅槃経の研究で博士号を取得されました。
釈尊は弟子に葬儀に関わることを禁止したのに、日本の僧侶が葬儀を営むことは、釈尊の教えに背くことだという批判が、明治以降、高名な哲学者をはじめ、多くの人々によってされてきました。鈴木先生は、従来の葬式仏教に対する批判の多くが、原典の誤読や誤解にもとづいているという結論をサンスクリット文献はもちろん、チベット訳・漢訳文献を用いて対照研究することによって明らかにされました。釈尊は、僧侶が葬式に関わることを禁止していないし、祈祷や、戒名もインド仏教に由来すると文献にもとづいて立証されています。
仏教に関心を持たなかったり、不要だと思ったりする人が増えてきています。仏教が、いつの時代にもその時代を生きる人の悲しみや苦しむ、悩みと向き合って、救済のための道筋を示し、人々に安心を与えることができるならば、仏教はこれからも必要とされるでしょうというお話しでした。

葬式仏教正当論―仏典で実証する(amazon)
鈴木先生ご自身のウェブサイト


心證寺ウェブサイト