書籍之海 漂流記

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関口時正 「ポーランド語文学を語り続ける〈民族〉」

2018年10月04日 | 文学
 『岩波講座 文学』13、2003年3月所収。

 英語で作品を書き、英国で文名を得たコンラッドを“コスモポリタン”≒祖国の裏切り者扱いした当時のポーランドの情況と、それを現前させたポーランド文学界の“ポズィティヴィスム”という潮流が語られる。
 私ははそれを興味深いと思い、そしてその故に知りたい、解りたいと思う。
 しかし、「けしからん」でも「すばらしい」でも、そのどちらでもいいけれど、歴史的事実に向かってまず価値判断を下す人、あるいはやがて下すために材料を得る目的で研究する人は、少なくとも私よりは研究者に向いていないだろう。
 21世紀になって数年が経つというのに、1930年代当時の複雑で多難な時代に流されずおのれの精神と筆法をもって一人立っていた魯迅はすばらしいという「頌歌」を、論考として奏でる某“研究者”氏の論考を見て、やや神経過敏になっている。


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