だせなかったLove Letter:27

2010-08-11 | 自作小説:私小説
何でそんなことになったのか?
よく思い出せない。
たぶん僕らは、日常に飽きていたのだと思う。
賭けをした。
というより、競争といった方が正しいかもしれない。
この状況を抜け出す手段、N原とT巻と僕は、
誰が一番早く彼女が作れるか、不純な勝負をすることになった。
今、考えると、三人の中に、そんな競争を理由に、
告白したい相手がいたのかもしれない。
1年生の三学期末。2年になればクラスが変わる、ちょうどいいタイミングだ。
だとすると、発案者がそうだったのだろう。
僕ではないことは確かだ。そして、一番、バカをみたのが僕だった。
間抜けな僕は、その日からターゲットの選定にかかった。
その頃、僕はコクりたいほど、好きな相手はいなかった。
ただ、可愛いと思っていた子は、君も含め数名いた。
誰にしよう。
まず、重要なことは彼氏がいない子。
次に、誰にも知られないで
告白するシチュエーションが簡単につくれること。
そして、僕は同じクラスのN島を選んだ。
理由単純だ。
同じクラスなので彼氏がいないことは知っていた。
一番の決め手は、彼女は僕と同じ駅で下車し、
同じく自転車で自宅まで帰り、その道順もほぼ同じだということだ。
駅から自宅への帰り道、その途中で彼女を呼び止めれば、
簡単に告白タイムが作れる。
当然だが、そのとき、断られることは、まるで想定してなかった。
このとき、W辺がいたら、僕を諌めていただろうか?
それとも、いい作戦を伝授してくれただろうか?
きっと、ただ黙って、ほくそ笑んでいたに違いない。

ランキング参加中
←良かったら、押して下さい

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« だせなかったLove Letter:番... | トップ | だせなかったLove Letter:28 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

自作小説:私小説」カテゴリの最新記事