だせなかったLove Letter:61

2012-12-28 | 自作小説:私小説
君を屋上に呼び出したのは、9月30日だった。
僕は、その日から君と付き合い始めたと思っている。

記念日だ。
その日付を覚えている。
仕方がない、僕の誕生日の一週間前だ。
覚えていても仕方がない。

僕は君に、一緒にいられる時間はないようなことを言った。
それなのに、なぜか、いつも君は僕の自転車の後部座席にいた。

”誕生日プレゼント、何が欲しい?”

欲しいもの。
たくさんある。
ありすぎる。

その頃、欲しかったのは、
とても恥ずかしいものだった。
でも、どうしても欲しかった。

”手作りのマスコット人形が欲しいかな”

君のカバンには、フェルトで作ったマスコット人形がぶら下がっていた。
それが欲しかった。
それを僕のカバンにぶら下げたかった。

誕生日。
スーパーマンをモチーフにしたスーパー猫と
タクティクスのヘアトニックをもらった。

とても嬉しかった。
もちろん、猫の方だ。
その後、ワニをもらった。
とても可愛かった。

僕は自慢げに、カバンにつけていた。

あの人形・・・・・今はどこにあるのだろう。

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