だせなかったLove Letter:37

2010-12-31 | 自作小説:私小説
2年生になって仲良くなった女の子のボスは、K泉だった。
カエルに似ていた。
でも、魅力的な女の子だった。

なぜか、男を惹きつける女がいる。
綺麗でも、それほど可愛くもないのに、
そんな女がいる。
僕の高校には、そんな女が二人いた。
ひとりは、K泉。
もう一人は、T瀬が付き合っていたS籐だった。

K泉の友達、T館とI原、
男は、TK田とTY田、
その6人で、彼女の家でよく酒を飲んだ。
僕らは、女の子と酒を飲むことが単純に嬉しかった。
でも、彼女達は、なぜ、僕らと酒を飲んでいたのだろう。
いつも、僕とTY田は、酔っ払っていた。
だから、彼女達が、なぜ、酒を飲んでいたのか?
わかるはずもない。

それは、今もあまり変わらない。
僕は、勝手に酔っ払い、自分だけの世界に、さっさと逃げ込んでいる。
安息の場所は、自分の中だけ。
昔から、そんな人間だったのだろう。

三人の女の子は、全く違ったタイプだった。
K泉は、適当にハメをはずしているが、決して自分を見せない、
弱さを見せない、強い女だった。
T館は、もう少しで不良少女なりそうで、そうならないように踏ん張っている、
そんな感じだった。
I原はバスケット部の部長をしている優等生だった。
不思議な取り合わせだった。
きっと、K泉が、壊れそうなT館とI原を支えていたのだろう。
でも、本当に壊れかけていたのは、K泉だった・・・今はそう思う。

そして、3人の男達は、そんな女の子に甘えていた。
所詮、男は女には勝てないのかもしれない。
僕は、君の心を知りたくて、掴み取ろうとして、
もがきながら、これからも生きていくしかないのかもしれない。

そして思う。
あなたは、今、どうしているのだろう?
僕にとって、あなたは永遠の謎だ。

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