なんちゃって日記

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かくかくしかじかでワタシは今日もハッピー

2011-01-09 22:47:29 | 日記
ワタシと言う人間は正真正銘のダメ人間で、自分で自分を養えないクセに自分を充実させるのが大好きなんです。
現状養ってもらえてるからね、なんとか生きてますが。
多分今「ほいっ」って社会の荒波の中に放り出されたらすぐ力尽きると思います。
そりゃもう、すぐですよ、すぐ。
甘いなあってわかってるけど、今はモラトリアムってるわけで。
なくても生きていけるけど、あったら生きて行くのがハッピーになるものが大好きです。
文学とか演劇とかさ。
なくても生きていけるものに生かされてます。
この先はどうなるんだかわかんないけど。

劇団「柿喰う客」の公演『愉快犯』を観て、おいしいご飯を食べながらおしゃべりしていて、頭の片隅でこういうことを考えてました。

以下、ネタバレ防止スペースを取って『愉快犯』の感想を書きますっ。
今回は結構長いよー。
















久々の劇団員だけの本公演だけあって、最近ちょっと丸くなった印象のあった柿喰う客でしたが、久々に尖った部分を観た気がしてます。
尖った部分ってバイオレンスとかドメスティックとかそういう要素のことです。
初めて柿喰う客(『傷は浅いぞ』)を観た時に驚いたのは、そういう要素の攻撃性に作品のメッセージを上手に乗せて、観る人が納得出来ちゃうような形にして見せてくれちゃうところでした。
その理論は作品の世界でしか通用しないものですが、盗人にも三分の理ありというか、ちゃんと筋が通っているので観ていて妙な説得力を感じます。
で、その説得力の裏にその登場人物なりの優しさとか愛情が見え隠れしているから憎めないなと思うのです。
今回の『愉快犯』は『傷は浅いぞ』に近い印象でした。
『傷は浅いぞ』の方がより攻撃的だったかなー。
最近の作品はハートフルさに磨きがかかっているように感じているのですが、『愉快犯』は過去の作品に見られた攻撃性と最近の作品のハートフルさの両方が感じられる5周年記念公演らしい仕上がりだったと思います。
あ、久々に玉置さんのバク転が見られたのも嬉しかったです。

今回は観ていて引っかかった点が1点。
おばあちゃんに死んだエキセントリックな孫娘の霊が憑依するのですが、もうちょっと「おばあちゃん」と「孫娘」に違いがあるとよかったかなと思います。
基本的にどのキャラもぶっ飛んでるので(笑)、「おばあちゃん」が「孫娘」のような発言をしてもさほど違和感がないように感じました。
名前を連呼するのとその場の状況で、観ていて今どちらのキャラクターかわからなくなることはなかったですが、せっかく他の登場人物が一人一人のキャラが立っているのだから、「おばあさん」と「孫娘」もそれぞれ個性的であったほうがバランスがよかったかもしれません。

役者陣は、皆さん持ち味を生かされている印象を受けました。
特に村上さんは圧倒的な存在感があったと思います。
劇の雰囲気をつくる上で占めていた割合は非常に大きかったのではないでしょうか。

擬音とステレオタイプの使い方がお上手なのは相変わらず。
アフタートークで主宰の中屋敷さんも仰っていましたが、非常に観る側の事を考えて劇づくりをなさっている印象です。
設定や世界観こそ斬新ですが、観客が親しみを持てるものを巧妙にセリフの中に組み込まれているので、情景やキャラクターをイメージするのはそんなに大変なことではないと思います。
なので、いつ観ても安心して楽しく観られる劇団だな、という認識です。

昨年やそれ以前と変わらぬ非常に心地よい空気感の公演でした。
楽しい演劇の時間をくれることに心より感謝!!