JOHNY’s BLOG

かほりたつあざやかなはなとどめおくおもいをよせる淡雪のふみ

モルスキン

MOLESKINE モレスキン ルールドノートブック・横罫・ラージ ([文具])

本の話題AERAから

2006-10-05 20:31:12 | Book
 欧米でのベストセラー本の紹介です。”テヘランでロリータを読む”アーザル・ナフィシー市川恵里 訳

小説との幸せな関係を垣間見させてくれる本ということから、私たちの世界を分析してみている。小説の力、読書の力というものを私たちは忘れてしまった。すくなくともいわゆる世間に読書の力は働いていない、ようにおもえる。
 ほんとうにそうだろうか?と評者はいう。
小説が社会的に力を持つということは、社会が抑圧されていることの証ではないか。すると今の世界は好ましいところにあるのではないだろうか、と、本が読まれないことを悪とする一般論を反転させてみる。

 小説と抑圧は共犯関係にある! 小説の力の復権を望むことは、実は抑圧と不自由と貧困を待望する反動なのだ、と評者は言うが、この点どうであろうか。
 確かに、一理はありそうである。平和な印としての一億総ボケ状態は好ましいことのように思える。
しかし実際は違う状況になりつつあるようにおもえる。ある時期まで本当の平和ボケだった私たちは、いつからか危機を平和として認識する回路を植えつけられてしまった、たぶん宇宙人に? すでに抑圧を抑圧と認識できない状況に私たちはある。とすれば、小説のちからが復権されることを強く願わねばならない状態にすでにある、このように捉えるのが正しいように思われる。
 本が読まれないでよい時期はトウに過ぎ去った、と締めくくらねばいけないと私はおもいます。

                 JOHNY