卍の城物語

弘前・津軽地方の美味しいお店と素晴らしい温泉を紹介するブログです

田代元湯

2012-07-25 00:02:08 | 温泉(青森市)
焼山の「十和田湖温泉郷」が「奥入瀬渓流温泉郷」に改称するようである。
そりゃ、十和田湖から15kmも離れていては看板に偽りありだ。
奥入瀬渓流メインで、十和田湖も近いのが売りなんだから改称は当然っていうか遅すぎだわ。ま、どうでもいい話。



今回「八甲田野湯巡り」をしました!

最初に訪れたのがマニアの間で名高い「田代元湯」です。


自分もそろそろマニアの域に達してきたかな?とも思うし、青森の温泉の9割以上は入湯したので、次のレベルは野湯になってしまうのは必然か・・・。

そんなわけで一度は訪れてみたかった「田代元湯」に無謀にも挑戦してみました。


無謀というのは、他のブロガーさんたち(リンクしてるシドさんのブログも参考にして下さい)の情報によると、今まで困難なアクセスが更に危険になったので、記事を見る限りではこりゃ自分でも行けないなと思ってました。

今回はとりあえず行ってみて、無理なら引き返そうという気持ちで行きました。


場所自体は非常に分かりずらいので、詳細なアクセスをネットから拾って充分に調べたつもりでいましたが、何年も前の記事だったりして、今回訪れてみると道路状況はまるで違ってました。


県道40号線を銅像茶屋のT字路から「八甲田温泉」方面へ向かい、1.5kmほど走ると小路があるので左折する。
しばらく進むとバリケードがあり進めないが、よく見ると横に砂利道があるのでそこを迂回するとまた舗装路に戻れるので、そのまま進む。
そうするとまたバリケードがある。

本来ならここから更に舗装路を車で悠々と進めるのだが、見事に土砂崩れが起きてて通行不能でした・・・。
 

とりあえず駐車してからここから歩く事にしました。

道なりに進み、最初のT字路を右折します。
更に進むと十字路があるので左折します。
そのまま進むとT字路があるので右折し、工事現場の直前に看板があるのでそこから獣道に入る。


よく見ると工事現場には車が往来している。
なので、本来のこのルートではなく(後から確認したが)県道40号線を更に八甲田温泉よりに進むと「工事車両出入口」の看板があるので、そこから進むと先ほどの十字路に繋がるはずである(どう辿り着くかは不明ですが繋がってます)

本来のルートだと獣道付近まで20分(帰り道は登りなので30分)近く歩く羽目になるので、新たな(知ってる人はこっちを利用しているだろうが)ルートを行った方がいいでしょう。

工事現場付近最後のT字路に空き地があるのでそこへ駐車できます。
あくまで工事関係者の邪魔にならないようにしましょう。


親切にも看板があるのでここまで来ると迷わないでしょう(自分はかなり迷いましたが)
 

親切にも看板脇には「ツリバシ半分落ちて渡レズ、渡河危険」と書かれています。

後述しますが、本当に危険なのでここまで来て帰るのも有効な選択です。


ここからの道が本番なので気合入れていきます。
山登りや山菜取りが好きな人には楽に行けるとは思いますが、普段そういう経験が無い人は不可能だと思います。

帽子、長袖、長ズボン、手袋、長靴かトレッキングシューズは必須です。

熊、毒蛇、スズメバチと、野生動物の遭遇があるかもしれないので、それなりの対策は必要。

自分は熊よけの鈴をぶらさげて、全身に虫除けスプレーを降りかけていきました。


獣道に入ります。
夏場なので草木が鬱蒼と茂っていて、道もゲチャゲチャでぬかるんでいます。
倒木も何ヶ所もありました。

しばらく進むと河に行き当たり、最初の難関が現れます。
 
 
この鉄の梯子は非常に不安定なので、使用しないのが無難です。
浅瀬を選んで河の石の上を歩いた方がいいです。もちろん濡れますが。


そこから更に進むと最後の難関が現れます!


ギャ-!!この傾き、っていうか完全に壊れてます!!

これは事前に知ってたのですが、いざ目の前にすると当然ながら怖気づきます。

やっぱり渡るの無理かも・・・。
落ちたら死にはしないだろうが、流されて大怪我は確実。
大怪我したら帰れないかもな・・・。ここで帰るのも常識的な判断です。

かなりの時間躊躇しましたが、渡った人もいるのは確かなので、とりあえず足を掛けてみました。
かなり揺れますが、すぐ壊れてしまいそうな脆さは感じられなかったので、意を決して進みます。
斜めになってる下の部分に足を掛け、上の部分に捕まると結構簡単に行けました。
こればかりはかなり度胸がいりますが、壊れて落ちたら運が無かったと思うしかないです・・・。


そんなわけで、遂に到着!!
かつての「やまだ館」の唯一残ってた建屋が見るも無残な姿になってました・・・。
 

あの陸軍の八甲田雪中行軍が目指した場所が以前旅館だったこの場所だといわれています。


まずかつての露天風呂だったと思われる浴槽がありますが、そこは清掃不可能で入れません。

そこから少し先に「四分六分の湯」と書かれた唯一入れる浴槽があります。

 

お湯は笹濁りで、少し青み掛かった無味無臭。

青みは苔の色だと思われるし、無臭といっても微かに汚臭しますが無理なレベルではない。

湯温は46度と激熱で、4人ほどのサイズ。

湯口は二本あり、新鮮なお湯と、ドブみたいな所からも投入されています。


湯揉みすると適温になりそうだが、苔が舞わないように静かに入ります。

入浴する事3分で上がりました!(笑)
熱過ぎるのもあり、苔もあるので長湯したいと思わず、汗を流したからいいかなと。


近くには体を温めてる蛇がいたし、浴後には見事にアブに刺されました・・・。


いつから清掃していないのかわかりませんが、ギリギリ入れる状態だったので、清掃した先人たちに感謝します。

仮にここまで到達出来ても汚くて入れない可能性も高いです。

時間にかなり余裕がある人は、お湯を抜いて清掃すると(掃除用具一式あり)気持ちよく入浴出来るでしょう。


帰り道も先ほどの吊り橋をなんなく渡り、最後まで気を入れて無事に帰りました。


そんなわけで、最初で(おそらく)最後の田代元湯を堪能できて良かったです。


付近の工事現場というのは駒込ダムの建設の為であり、早くても2018年にはこの場所はダム湖となり沈みます。
2018年前に工事関係で入れなくなるかもしれないし、その前に吊り橋壊れて入れなくなる可能性の方が高いでしょうね。


今回は先に進めなかったり、迷ったりしながら辿り着けた先の入浴だったので感無量でした。

一応詳細は書きましたが、温泉マニア以外にはおすすめしませんし、そもそも道中あまりに危険なので行けないでしょう。

数年後には伝説の温泉になることでしょう・・・。

 
 (何があっても自己責任です)

オススメ度(温泉評価)・☆☆☆★(3.5)


泉質・硫化水素芒硝泉
泉温・約48度
効能・リュウマチ、胃腸病、糖尿病など

料金・無料
備品・無し
施設・野湯

住所・青森市駒込の山中
電話・無し
立寄時間・24時間
定休日・無し(冬季は到達不可能)