アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Alias 5-17 "All the Time in the World"

2006年05月28日 | TV: Alias
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2006年5月22日】※2時間一挙放送された最終回の後編。後編はオープニング・シークエンスなし。今回はシドニーの過去(子どもの頃、SD-6にスカウトされた日等)もフラッシュバックで描かれる。

スバシオ山の氷洞窟の底。マイケル・ヴォーンが意識不明のシドニー・ブリストウを見つける。酷寒に体温を奪われたシドニーは顔も青ざめ、瀕死の状態だった。ヴォーンは「君はもっと強いんだ」と言いながら人口呼吸を行う。(人口呼吸って、こういう場合にも効果があるの?)

シドニーは子どもの頃の夢を見ていた。夜中にパトカーのサイレンに起こされると、父のジャックが悲しい顔で「おまえの母さんは交通事故で亡くなった」と告げ、「気を強く持つんだ」と言って抱きしめる。

夢の中のジャックの声に励まされたかのようにシドニーは目覚める。

その頃、ケリー・ペイトンはアーヴィン・スローンに「香港での取引が成立した」と報告し、ラムバルディの『生命球(Sphere of Life)』を見せる。ジュリアン・サークが「人類皆殺し計画(global genocide)を本当に実行するつもりかい?」と訊くと、スローンは頷く。彼らの目の前の倉庫には2基の核ミサイルがあった。

ヴォーンとシドニーはシエナのロッジで休息を取っていた。シドニーは少女の頃に立体パズルを組み立てた時のことを思い出す。そのパズルは『クリスマス計画』の一環としてスパイ候補の子どもたちの潜在能力を探るための道具(通称「Indicator」)だったが、シドニーはいとも簡単に組み立ててしまったのだ。ジャックは「このパズルを組み立てられる者はほとんどいない。私自身にも出来ないんだよ。おまえは特別な子だ」と喜んだものだった。(今回の子役はRachel Foxという子。子どもは成長するので、以前とは違う子役を使っている。DVDを持ってる人は確認してみよう。)

シドニーは2基の核ミサイルが盗まれたという報告を受ける。おそらく、スローンと関係あるに違いない。だが、スローンたちがすでにプロフェット5の12人のリーダーを全員始末したとしたら、同組織の資金も自由に使えるだろうから、核ミサイルは自分たちで盗んだのではなく、第三者から買った可能性が高い。

マーシャル・フリンクマンはロシアの銀行ネットワークにハッキングして通話記録等を調べ、人口衛星を使ってケリー・ペイトンの居場所を突き止める。

シドニーはヴォーンとマーカス・ディクソンとともにペイトンを尋問する。ペイトンはもちろん、拷問に耐えるための訓練を積んでいたが、元「親友」のレイチェル・ギブソンが彼女の弱点を知っていた。ペイトンは自分の首のあたりを這う蛇を見て悲鳴を上げる。

ペイトンはミサイルの現在位置は知らないが、「スローンが2つの人口密集都市を狙ってる」という情報を明かす。ジャックは「スローンの目的は破壊行為そのものではなく、復興建築によって儲けることだろう」と推察する。また、スローンは今、モンゴルにいるという。

フラッシュバック。UCLAのキャンパスのようだ。大学一年生の頃だろう。シドニーが屋外のテーブルでルームメイト兼親友のフランシーと専攻分野の話をしている。フランシーは「教師になれば?」と言うが、シドニーはまだ決めかねていた。それより、まだ大学に入ったばかりの彼女たち…特にフランシーはパーティーやデートを満喫したい。フランシーはシドニーをパーティーに誘う。フランシーの恋人チャーリーの友だちのダニーという学生をシドニーに引き合わせたいらしい。フランシーが去った後、スーツ姿の男性が現れ、CIAの名詞を渡す。それはSD-6のスカウトだった。

マーシャルとレイチェルはCIAのシステムにハッキングして人工衛星ネットワークに入り込み、盗まれた核ミサイルを探す。やがて、スローンの取引相手は香港にいるらしいことがわかる。防衛衛星を破壊するためのウィルスが香港からアップロードされていたのだ。ディクソンはペイトンから、その取引相手が誰かを聞き出す。

スローンとサークはモンゴルの洞穴に入る。入り口のレンガ造りの部屋の屋根にはラムバルディの暗号が刻まれている。奥の方まで行くと、スローンが「ここから先は私一人で降りて行く」と主張する。やがて、スローンが辿り着いたのはミロ・ラムバルディの墓室そのものだった!

スローンが生命球を棺の上に乗せる。すると、生命球は光り出し、ラムバルディのミューラー(Mueller)装置(赤い球が空中に浮かぶやつ)が作動する。その時、ナディア・サントスの幻影が現れる。スローンは「30年間探し求めて来た物をようやく見つけることができた。この喜びを誰かと分かち合いたいと思ってたところなんだ」と言う。

洞穴の外。ジャックとヴォーンがサークの手下たちに向かって発砲して牽制している間にシドニーが洞穴に入る。

そして、シドニーは奥に辿り着き、スローンに銃を向ける。

洞穴の外ではジャックとヴォーンがサークとその手下の男たちに囲まれてしまう。

墓室の中。シドニーが生命球を掴み取ると、空中に浮かんでいた赤い球(実は液体)の重力バランスが崩れ、棺と床に降り注ぐ。だが、シドニーが生命球を破壊しようとした時、ジャックとヴォーンを人質に取ったサークたちが現れる。

一瞬にして立場が入れ替わったスローンがシドニーに銃を向け、「生命球を返せ!」と要求する。シドニーが躊躇していると、スローンはジャックを撃つ。シドニーは生命球を捨て、ジャックに駆け寄る。

ヴォーンが隙を見て、サークの手下たちを攻撃する。

シドニーがスローンを数回撃つ。そのうちの一発は額の真ん中に当たり、スローンは赤い液体の中に倒れる。即死したようだ。

サークが生命球を拾って姿をくらます。

フラッシュバック。大学生のシドニーが帰宅すると、父ジャックがちょうど仕事の電話を終えたところだった(真相は多分、「スパイ任務の話をしていたところにシドニーが帰って来たので、適当に誤魔化した」というところだろう)。シドニーは小切手をジャックに渡し、「学費を返そうと思って」と言う。ジャックはその金額の大きさに驚く。シドニーが「実はクレジット・ドーフィン(Credit Dauphine)というフランス系の銀行に1ヶ月前から勤めてるの」と誇らしげに言うと、ジャックは動揺し、「1ヶ月なら、まだ辞められるな」と言う。クレジット・ドーフィンはSD-6の表向きの姿で、シドニーはCIAエージェントとして国の平和を守る仕事にプライドを持っていたが、そんなことは父には言えない。CIAエージェントは家族にも自分の正体を明かしてはならないのだ。

一方、ジャックはもちろん、クレジット・ドーフィンとSD-6のことを百も承知だった。ジャック自身、SD-6に潜入しているダブルスパイだったのだから。「SD-6は本当はCIAの敵なんだよ」と言いたいのは山々だったが、それをバラすわけにはいかない。今はとにかく、「そんな仕事なんか辞めて、学業に専念しろ」と言うしかないのだった。

しかし、シドニーは「分からず屋」の父に何と言われようと、CIAエージェントとしての仕事を辞めるつもりはなかった。

…こうして、父と娘の間の溝は深まって行った。

シドニーは今では当時のジャックの気持ちが痛いほどわかる。ジャックはシドニーを守ろうとしていたのだ。もし、あの時、ジャックが真相を語っていたなら、ジャックだけでなくシドニーもSD-6に殺されてしまったかもしれない。

シドニーとヴォーンは重傷を負ったジャックを洞穴の外に担ぎ出す。シドニーはジャックの胸に両手を当て、出血を防ごうとする。ヴォーンは「スローンが死んだ」ことと「サークが生命球を持って香港に向かった」ことをAPO本部のディクソンらに報告する。ディクソンは「香港にいる取引相手はイリーナ・ジェレフコだろう」とヴォーンたちに告げる。また、APOはジャック救助のためのヘリコプターを手配するが、到着まで30分程かかりそうだという。

また、マーシャルはミサイルの発射プログラムへのアクセスに成功するが、発射そのものを止めることはできないという。ジャックはシドニーたちに「香港に向かえ」と指示する。ヴォーンは車を取りに行く。シドニーはジャックの傍を離れたがらない。ジャックは「イリーナを止められるのはおまえだけだ」と指摘し、さらに「おまえは頑固な子だったからなあ。おまえにはこの道に入ってほしくなかったが、誰にも止めることはできなかった」と言うのだった。

シドニーは涙を流しながら、ジャックに「手でしっかりと傷口に圧力をかけておくのよ」と念を押し、「パパ、愛してる」と言う。そして、ヴォーンが回して来た車に乗り込み、父の姿を名残惜しげに見やる。車が去った後、ジャックは地面に崩れ落ちる。(このあたりのジェニファー・ガーナーの演技はエミー賞もの。)

香港。サークがイリーナに「ミサイルの準備が完了しました」と報告する。イリーナはロンドンとワシントンDCをターゲットに指定する。サークは制御室に行き、部下たちに「カウントダウンを始めろ」と命令する。

やがて、イリーナのアジトにシドニーが到着する。シドニーはイリーナが持つ生命球を見て、「それがザ・ホライゾン(The Horizon)なのね」と言う。イリーナは「この世は力が全てなのよ。そして、ラムバルディを通じて、あたしは永遠の命を得ることができるわ」と説明する。自らが永遠の生命を得るため、娘や孫娘の命も危険に晒したイリーナを今さら説得するのは不可能らしい。

シドニーがイリーナと戦う間、ヴォーンは制御室に押し入ってサークの部下たちを倒し、サークから「ミサイル発射を中止するための秘密コード」を聞き出そうとする。サークが「知らない」と主張すると、ヴォーンはサークの腿を撃ち(『24』のパクリじゃないよねぇ?)、「コードを明かすまで、何発でも撃つ」と脅す。

サークからようやく聞き出したコードをマーシャルが入力すると、ミサイル発射が中止される。残り時間、僅か5秒だった。

その頃、モンゴルにあるラムバルディの墓室内ではスローンの身体中から弾の痕が消え、その命が甦っていた。『ザ・ホライゾン』こと生命球は持ち去られてしまったが、永遠の命を得た今となっては急ぐ必要はない…と、スローンはナディアの幻影に向かって説明する。そこに、瀕死のジャックが入って来る。

ジャックは復活したスローンを見て、ラムバルディの奇跡をようやく信じる。もはや、スローンを殺すことはできない。だが、これ以上、スローンがシドニーたちを苦しめるのを放っておくわけにもいかない。たった1つ残された対策はスローンをここに閉じ込めてしまうことだ。ジャックは用意して来た爆薬のスイッチを入れる。

香港ではシドニーとイリーナが熾烈な戦いを続けていた。2人は窓ガラスを突き破り、隣の屋根の上に落ちる。2人が横たわりながら見上げる夜空にはいくつかの流星…いや、ウィルスによって落下させられた人口衛星の炎が見えていた。シドニーは「星が流れる時…」と、ラムバルディ予言の一節をつぶやく。

シドニーとイリーナは起き上がり、再び戦闘を始める。その力はほぼ互角だったが、やがて、シドニーがイリーナを蹴ると、イリーナは屋根の中央部のガラス張りの部分に倒れ込む。ザ・ホライゾンはイリーナの手のほんの数センチ向こうに落ちている。ザ・ホライゾンとは反対側…イリーナの足の方向にいるシドニーが「ママ、まだ間に合うわ。あたしの手をつかんで!」と言っている間にもガラスにどんどんヒビが入っていく。

イリーナはシドニーではなく、ザ・ホライゾンの方に手を伸ばす。すると、ガラスが遂に砕け散り、イリーナが落下する。シドニーが下を覗き見ると、数十メートル下の床に仰向けに横たわるイリーナの姿があった。その両目は見開いている。即死だった。

モンゴル。ラムバルディの墓室内ではスローンの身体が瓦礫の下敷きになっていた。生きてはいるものの、身動きが取れない。助けを求めても誰にも聞こえないだろう。スローンはもはや、死ぬことさえできず、ここで永遠の時を過ごさなければならなくなったのである。スローンは「少なくとも、おまえは一緒にいてくれる」と、ナディアに拠り所を求める。だが、ナディアの幻影は非情にも(?)スローンを置き去りにして消えてしまうのだった。彼女がスローンの前に現れることはもうないだろう。(このスローンの姿は岩の下に500年間も閉じ込められていた孫悟空を連想させる。)

数年後。7歳のイザベルがビーチハウスの前で遊んでいると、マーカス・ディクソンが現れる。イザベルは目を輝かせ、「ディクソンおじさ~ん!」(「マーカスおじさん」じゃないのね)と叫ぶ。ビーチハウスの中からマイケル・ヴォーンが出て来る。

ヴォーンが「ここを見つけるのは大変だったかい?」と言うと、ディクソンは「大変どころか、不可能だよ!」と苦笑いする。ヴォーンは「まあ、そうじゃないと困るんだけどね」と応じる。

少し遅れて、赤ん坊を抱いたシドニーが出て来る。その男の子の名前はジャックだった。ディクソンは昔を懐かしむように微笑み、「はじめまして、ジャック」と挨拶する。

ディクソンは「マーシャルがよろしくって言ってたよ」と伝える。キャリーは4人目の子どもを産んだばかりらしい。

CIAの副長官(Deputy Director)であるディクソンはもちろん、わざわざ遊びに来たわけではなかった。ある任務でシドニーの助けがいるのだ。レイチェルは潜入任務の真っ最中なので、代わりにシドニーに頼みたいのだという。しかも、その任務はなんと、サーク絡みだった。ヴォーンは「仕事の話は夕食後にしよう。ここの夕日は最高なんだぜ(You haven’t lived until you see our sunset.)」と散歩に誘う。

大人たちが話してる間、別室にいたイザベルは木製のブロックを見つけ、なんとなく組み立ててみる。それはシドニーが子どもの頃に作ったパズルだった。そして、シドニー同様、イザベルも簡単にパズルを完成させてしまう。

その時、父のマイケルが「散歩に行こう!」とイザベルを呼ぶ。イザベルはパズルを崩し、外に出て、皆と一緒に浜辺を散歩するのだった。

画面が暗くなり、テロップ↓が出る。

THANK YOU FOR FIVE
INCREDIBLE YEARS


これで完結。ラストシーンにディクソンを出してくれたのは嬉しい。なにしろ、番組開始当初にシドニーのパートナーだったのはディクソンなのだから。

ところで、「永遠の生命」を可能たらしめたラムバルディ自身は果たして、今でもどこかで生きているのだろうか?


【今日の一言 その1】
Julian Sark: (モンゴルの洞穴内で) Does it have to be so filthy? If Rambaldi could prophesize the future, he might advise me not to wear $500 shoes.

【今日の一言 その2】
Jack Bristow: You beat death, Arvin, but you couldn't beat me.


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2 コメント

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おわってしまったぁ (tinker)
2006-06-01 11:33:38
おぉ、気合いの入ったエピガイですねー。私は、イリーナが「ランバルディに目をくらまされつつも、しょっちゅうウソはつくものの、最後の最後にはシドニーを助けるお母さん!」という役どころであったほしかったですぅ。あとジャックが死んじゃったのが ... 泣。もしかしてランバルディの秘密でジャック助かるんじゃないかと思って、あ、もう次はないんだったと気づいてしまいましたよ。
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47 (ジョウ)
2006-06-06 04:08:22
tinkerさん、ありがとうございます。最後だとはいえ、多くの人が死んじゃいましたね。私もイリーナは心の奥底では母親なんだろうと期待してましたが、そうではなかったことがハッキリしちゃいましたね。



ところで、こちら↓に、最終回放送後にも残った謎に関するQ&Aがあります。

http://www.eonline.com/Gossip/Kristin/Archive2006/060526c.html



「47」といえば、最終回(前半だったかな?)にも出ましたよね。エピガイでは触れてませんけど…。
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