<スマトラ沖大地震・インド洋大津波>タイ;津波被災者支援のための署名活動

被災コミュニティーの土地を奪い、リゾート開発を目論む投資家、地方行政の動きに対して、「NO!」と言いましょう!

「安いことが常に良いとは限らない」5.12

2005年05月12日 16時59分22秒 | ▽▽▽タイの津波記事▽▽▽
「安いことが常に良いとは限らない」
Bangkok Post 2005/5/12
Ben Seligman and George Whitfield(HPS Group、Holiday People Love顧問)

津波被災地域のホテルでは、観光客誘致の自暴自棄の努力として利用価格を切り下げ続けているが、これはひどい戦略であり、アイデアの刷新とマーケティングという視点が全く欠如したものである。アメリカでは2001年9月のテロ、カリブ諸島では天災、バリでは2002年12月のテロ、イギリスでは2001年の狂牛病発生によって観光産業に多大な影響を与えた。これらの現象は新しいものではないが、他所での経験・対応を吟味することは成されなかった。価格の切り下げは、観光客が価格によって当地を離れたわけではないことから、観光客再来の動機付けとはなりえない。価格の切り下げは自動的に、災害以前に払っていた料金よりも当該観光地の価値が低いというメッセージを観光客に与えることになり「通常の」料金に価格を切り上げることが困難となる。オルタナティブな戦略としては、特別な市場部門における観光客のニーズと欲求を把握し、その両者のギャップを埋めるホリデー体験を提供したCouplesやHedonism 、The Body Holidayなどのリゾートが挙げられる。観光客の求めるものとして価格が中心事項ではない。他ではいくら払っても得られない何かを与えることが価格決定の底辺である。災害復興時では特に、市場毎でのニーズ充足をデザインする必要がある。タイのリゾートにおいては、そのポピュラリティーから差別化戦略はとられず、生産者志向による「豪華さ」の追求のみがなされてきた。消費者志向に視点を移し、「私ができることで何を売ろうか」ではなく、「あなたが欲しいものを私はどのようい売ろうか」へと考えを転換する時期に来ている。最近のプーケットでの利用料金切り下げはほとんど良い結果をもたらしてはない。この点に注目し、政府、タイ政府観光庁、タイ・ホテル協会など長期・持続的視点にたって従来の方向性を改変するべきである。
 

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