Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「シューマンの指」

2015-10-18 10:52:57 | Book
奥泉光著「シューマンの指」を読了。
この著者の作品を読むのははじめてです。シューマンの話が出てくるということと、ミステリー仕立てで面白そうなので購入しました。
シューマンのピアノ曲について解説というか薀蓄が散りばめられていて、興味深く読みました。シューマンがピアニストを目指していたが、20歳くらいで指を痛めて断念せざるをえず、作曲に打ち込んだなど、知らないことがいくつもありました。
主人公は高校時代に知り合った天才ピアニストの永峰修人がコンサートでピアノを弾いているのをドイツで見たという話、アメリカの新聞記事などを知ります。しかし、永峰は高校時代に一本の指を切断してしまっており、物理的にそれは不可能なことで、ここに大きなミステリーがあります。
話はさかのぼり、ピアノと音楽を愛する主人公が高校3年のときに、天才ピアニストの永峰修人が1年生で同じ高校に入学してきます。二人は、高校2年の友人を加え、3人でダヴィッド同盟という雑誌を作ろうと、ノートを回覧して、音楽について思うことを書いていきます。このノートは4冊にもなり、永峰はシューマンのこと、自らの音楽論を書きます。
そして、女子高生の殺人事件が起こり、このことがもう一つのミステリーとなります。
最後は二転三転のどんでん返しがあり、少し呆然としました。
最後を知ったうえで、もう一度最初から読んでみたいと思いました。
個人的にはシューマンについて知識が得られたのと、この本に出てくるシューマンの曲を聞いてみたいと思ったのが、収穫でした。
体調は良好です。今朝は霧が立ち込めています。