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せんだいSD550  山岳移動運用 

バスケットコイル

2014年10月13日 | コイル作り


 コイルの巻き方いろいろあれど、誰もが憧れるバスケットコイル。職人技としか言いようのない工芸的な美しさ。写真で見て、自分にはとてもとても・・・と、はなから諦めていたのですが、ふと、単純なタイプなら作れなくもないのでは?と一念発起で挑戦してみました。

 このコイルを作るには、巻枠作りから始めなければなりません。そして、この巻枠の形によって、コイルの形状が決まります。たいていは板に奇数本の支柱を外側と内側に二列立てるか、幅のある板を立てるようです。支柱が複雑なものほど、たぶん、巻くときの困難も増すことになります。ということで、支柱は一列のみの簡素な巻枠にしました。

<材料>
丸板 直径12cn 厚み1.5cn 
銅パイプ 直径5mm 長さ10cm 15本






 はじめに銅パイプをパイプカッターで長さ10cmに切り分けておきます。丸板に直径9cmの円を描き、その上に、ネットで見つけたスパイダーコイルの図面を置き、等間隔に15か所の印をつけていきます。印のところをドリルで5mm穴をあけ、そこに銅パイプをねじ込んで巻枠完成。





 これに0.1mm×100本のリッツ線を支柱二つ飛ばしで巻いていきます。巻始めが緩みがちで、巻きにくいです。二つ飛ばし、というのが感覚的につかめないというか、つい一つ飛ばしで巻きたくなります。それにいつものように巻き数が増えていかないのです。巻いても巻いてもさほど巻き数が増えない。何回巻いたかなどと考える余裕はありません。ただ、ひたすら二つ飛ばしを間違えないように巻くのみ。20mすべてを巻き終って眺めてみると、なるほどバスケットらしくなってきました。



 次に、巻枠からコイル部分を取り外します。そのまま取り出すと、せっかく巻いたコイルがほどけてしまうので、糸でかがる、という作業が必要とか。しかし、狭く複雑なコイルの中を縫い糸でかがっていくなどというのは、コイル巻き以上の難関で、自分には到底無理です。実物を前にするとよくわかります。ということで、ホットボンドで接着してしまうことにしました。工芸品的な美しさまでは求めないので、これで良しとします。あとは、慎重に銅パイプから外して、完成。直径9cm、幅6cmのバスケットコイル。


バスケット・・・

インダクタンス170μH

ゲルマラジオにつないでみると・・・


 インダクタンスは170μH程。我が家の環境ではちょうど良い容量となりました。さっそくゲルマラジオにつないで聞いてみると、まずまずの音量で聞こえてきました。このコイルの特徴は、独特の巻き方によって線間容量を減らし、感度と分離を上げる、ということ。でも、直径6cmのソレノイドコイルとの比較で、さほどの違いは感じられませんでした。性能よりも形の面白さや美しさが身上のコイルなのかな、との印象。それにしても先人たちはずいぶん面倒なコイルを考えたものです。一つ飛ばしで巻いたらどうなるのか、その内、試してみます。



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