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平面コイル ONE ICラジオ

2018年09月17日 | ラジオ工作


 aitendoのONE ICラジオキット、型番K-SRDO7642。前回製作のK-SRDO7642-444との違いはバリコンのみです。今回のは266pF。回路も基板の配列もまったく同じ。3端子ICの定番TA7642を1個使い、1.5Vで動作するこれ以上ないくらいシンプルな回路。キット自体は15分ほどで完成。こんな回路でも、小さなトランスをつなげばオーディオイヤフォンを鳴らすには十分で、落ち着いた、聴き疲れしない音を出してくれます。欠点は分離の悪さ、特に我が家の環境では、NHK第一、第二、東北放送が比較的近い周波数のため、NHK第一がかぶってしまいます。送信所の位置が異なるのが救いで、コイルの指向性によりいくらか回避できます。前作では変形バーアンテナを使いました。今回はaitendoで扱っている平面状のコイルを複数つないで使ってみることにしました。




 正式には非接触電力伝送コイルと言い、これから普及が見込まれるワイヤレス給電のためのコイルのようです。平面にポリウレタン線が50回巻いてあります。自分でも作れないことはないかもしれませんが、形状を保つのは難しそうです。袋に50μHと表示されおり、実際計ってみると65μHほどありました。作り終えたラジオ基板に試しに2~3個を直列にしてつないでみたところ、2個でも3個でもNHK仙台第一放送がまずまずの音量で聞こえてきました。横に平たく並べるよりも、隙間を開けて重ねるように並べた方が感度良く入ります。ちょうど3エレループアンテナのような形状。その場合、コイル同士の間隔を大きくとるとインダクタンスは下がり、狭くすると上がります。間隔2cmで203μH。この状態で使うことにしました。






 あとは前回同様、木台に基板、トランス、イヤフォン端子、コイルを取り付け、配線して完成です。銅パイプにコイル3個を固定し、裏面配線。直列とし、コイルの向きを同じ方向に取りつけます。これを間違えると何も聞こえません。トランスは手持ちのものを使いました(型番不明10K:8Ω)。これでオーディオイヤフォンを鳴らします。


完成



 電池を入れて聞いてみると、予想通りNHK第一が盛大に入感し、他の放送にかぶってきます。コイルの向きを調整すると、かぶりがスーっとなくなるところがあり、東北放送も混信なく聞くことができました。3エレ効果でもないでしょうが、指向性はバーアンテナより強いような印象があります。



 ちなみにコイル中央部分に長さ5cmのフェライトバーを入れてみたら、音量が倍くらいにアップしました。また、変形バーアンテナのK-SRDO7642-444を真横に並べると、磁界誘導が起こり、一方はミニループアンテナとして機能します。双方でチューニングを取ることでさらに感度アップ。混信軽減も。ゲルマラジオ関連の海外サイトではこのような作例をよく見かけます。なかなかの効果を実感しました。






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2 コメント

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Unknown (おかざきKG295 )
2018-09-18 07:32:52
私もTA7642を使った1IC+2石ラジオ組み立ててみました。なかなか、TA7642感度いいですね。
自分で組み立てたラジオで、ラジオを聞くもいいですね。製品版ラジオとは違った良さがあります。

今回はキットを組み立てましたが、面白い同調回路のラジオでした。・・・今度、無アンテナゲルマラジオに応用&実験してみたいと思います。
おかざきKG295 さま (JO7TCX)
2018-09-18 13:36:23
こんにちわ。
TA7642いいですね。性能ではDSPのICにかないませんが、聞きやすい音質で気に入っています。今回は左右のコイルを可動式にすれば面白い実験ができたかもしれません。もう一工夫したいと思います。

涼しくなるとなぜか半田ごてを握ってラジオを作ったり、コイルを巻いたりしたくなります。aitendoのキットをいくつも買い込んでしまったので、しばらくは楽しもうと思っています。

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