JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

自分的・山と無線

2017年09月20日 | 運用スタイルなど



 山岳移動といってもスタイルはそれぞれで、登山主体で休憩中1〜2局交信して下山という方もおれば、無線が目的で山に登るという方もおります。自分は、かつて無線趣味はなく、山歩きのみでした。今はどちらかというと後者に近いです。山頂付近での無線運用を楽しみに登るので、登ることや機材の重さはさほど苦になりません。人間、この先に具体的な楽しみがあると苦にならないものです。

 といっても登山用具を含め、必要最小限の装備にとどめます。食料はバンとテルモスのコーヒー、非常食のみ。山頂にこだわらない。日頃のトレーニング、装備や設営手順の練習をしておく。好天になりそうな山を選び、基本、ソロで登る。自分が心がけているのはそんなところです。もちろん他の登山者の迷惑にならないような場所を選んで運用します。そもそも無線ができそうにない狭い山頂の山にはあまり登らなくなりました。広い山頂や尾根を持つ山、たとえば蔵王・熊野岳とか地蔵山、吾妻・高山、月山、鳥海山など。定点運用の泉ヶ岳の場合は、藪漕ぎして登山道から離れたところで運用します。



 最近、SOTAという山岳無線のアワードプログラムのことを知りました。今のところ、SOTA参加局と交信したことはありませんが、山岳移動局が増えてくれるとしたらありがたいかな、と思います。

 自分的にはその山頂から、このアンテナを使ってどのような飛び方をするのか、どんな遠方とつながるのか、相手局のロケや設備を含めその際の諸々の条件とは?といったところに関心があります。なので、平地ではさほど飛ばない2mバンドで運用し、山で使うためのアンテナや器材を自作します。山頂のロケは圧倒的に有利なので、そこに偶然のタイミングが加わる確率が高く、驚くほど遠方から呼ばれたり、逆に信じがたい信号が飛び込んできたり・・・思いもよらないことが起こりやすいのです。時に想定外の電波の振る舞いに驚愕し、時に翻弄される。偶然性や意外性、これが最大の醍醐味であることをいつも実感します。

 アンテナも少しの工夫を加えることで飛び方が変貌します。その振幅が平地よりもはるかに大きく、そこが山岳の面白いところです。この世界に一度取り憑かれると、抜けられない不思議な魔力があります。山に登ること、機材一式を担ぐこと、けっして楽ではないですが、その壁を乗り越えてでも続けたくなる何かがあります。同じ山でも日々伝搬は変化する。リグ、アンテナ、バッテリー、登山用具・・・工夫のしどころも無限にある。技術的研究はともかく、自己訓練的ストイックさもあるのかな、とも思います。そして類は友を呼ぶ。休日、毎回声が聞こえていた局が突然聞こえなくなっても、彼はどこかに登ってQRVしているのです。山と無線、百人百様ではありますが、魔力には逆らえません。




コメント (2)