パソコンやインターネットが普及する前は、オーディオを趣味とする人は多かったと思います。今とは比べられない程、費用のかけ方も半端ではありませんでした。自分もいつかオーディオルームを作って外国製の高価なシステムを組んでみたい、などと夢見たこともありましたが、夢に終わりました。パソコン、インターネットの普及とともに、この趣味がだんだん下火になっていったあたりは、アマチュア無線に通じるところもあるのかな、と思ったりもします。
今は、音楽と言えば、もっぱらイヤフォンで聞くことが多く、部屋のスピーカーで聴くこと自体、ほとんどなかったのです。昨日、ふと、CDを聴きたくなってしばらくぶりにDVDレコーダーにセッティングしたところ、うんともすんとも言いません。おまけに排出ボタンを押しても出てこない。何度やっても同じ。仕方なく、20年前に使っていた古いオーディオを物置から取り出してダメ元で聴いてみることにしました。
ケンウッドの初代K,sシリーズ。1993年の発売間もなく、店の人に勧められて購入しました。ごく一般的な普及品で、高級オーディオではありません。ただ、ケンウッドとしてはミニコンポとは違う、ハイコンポという位置づけで、こだわりをもったシステムだったと記憶しています。バナナプラグ付きの太いスピーカーコードが標準装備でした。音は悪くなかったのですが、2~3年使って、引っ越しを機に仕舞ったままになっていたのです。取説も紛失したので、よくわかりませんが、型番調べたら下記の構成でした。
A-1001(プリメインアンプ)
DP-1001(CDプレーヤー)
LS-1001(スピーカー 2way 15cmウーファー)
20年分の埃
クリーニング後
スピーカーのサランネットを開けてみると20年分の埃がたまり、センターコーンやツイーターには白カビのようなものまで付着していました。アンプとCDプレーヤーは電源入ったので大丈夫そう。とりあえず、そのままスピーカーコードをつないで鳴らしてみたところ、問題なく鳴ってくれました。しかも予想をはるかに上回る音で。白カビ生えてもスピーカーって鳴るんだ、などと妙に感心。それなら、ということで、これまであったDVDプレーヤーやAVアンプを撤去、K,sシステムを隅々クリーニングし、設置しなおしてみました。スピーカーの埃は掃除機で吸い込み、カビはウェットティッシュで慎重に拭き取り、なんとか見られる程度に回復。レンガの上に乗せてみました。
あらためて聴いてみると、スピーカーのクリーニング効果か、レンガスタンドの効果か、単なる気のせいなのか、低音のこもり感がなくなり、凝縮した音に変わったような・・・。この音場の広がりというのは、やはり、スピーカーで聴くオーディオならではですね。それにしても、オーディオって古くともあまり劣化しないようです。長いこと、埃もはらわず、物置になど仕舞い込んで、すまなかったね。