JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

真円ループ ゲルマラジオ

2014年10月25日 | ゲルマラジオ


 ソレノイドコイルを大型化していくと、コイルというよりループアンテナとなって大きな威力を発揮する、そしてそのループは四角(クワッド)や三角(デルタ)ではなく、真円が理想的。これまで無電源ラジオを作ってみての印象です。アマチュア無線のアンテナ作りでは、ループの形による違いを感じたことはありませんでしたが、中波無電源ラジオでは、なんか違うな~と感じます。可能なら真円がベスト。問題はボビンです。直径数cm~最大12cmならホームセンターで塩ビパイプ大小選べます。それ以上となると、なかなか見つからないのです。ガラス瓶やペットボトルも加工の点で難あり。

 ということで、高くつきますがアクリルパイプを奮発することにしました。直径15cm。長さは20cmあり、切断無料ということなので、15cmと5cmに切り分けてもらいました。今回は、幅5cmの方を使います。つまり直径15cm、幅5cmのアクリルパイプ。これに線材を巻いていきます。ループアンテナとしては超小型、ソレノイドコイルとしては超大型ということになります。なんかよくわからない表現ですが、大きさ的にはこのくらいが好みです。前回、直径12cmソレノイドコイル搭載のMOSFET無電源ラジオを作りましたが、今回はインダクタンスを我が家の環境に合わせて200μH前後とし、エアバリコンを搭載してさらに高感度をめざすことにします。

〈材料〉
リッツ線 0.1mm×100本
ゲルマニウムダイオード1N34
CR類 コンデンサ100pF、33pF(並列)
    電解コンデンサ10μF(直列) 
    抵抗470kΩ
トランス 20kΩ:8kΩ
エアバリコン 2連290pF+120pF(290pFのみ使用)


 まずはコイル部。はじめにコイルを板に固定するための土台部分をアクリルパイプに接着しておきます。そして滑り止めとしてパイプ表面に両面テープを数カ所貼付けておきます。あとは巻くのみ。両面テープのおかげで、仕上がりはまずまず。最後にホットボンドで要所を固定し完成。枠ぎりぎりまで巻いて33回巻きとなりました。インダクタンスは194μH。ほぼ予想通り。


土台部分を水平になるように接着



 続いて配線。たいした部品でもありませんが、3Pラグ板に組んでみました。回路そのままに組めるので使いやすいです。ダイオードは海外の製作例でよく見かける1N34。なぜか海外では1N60よりこちらがメジャーなようです。いつも使っている1N270の方が感度(音量)では勝るものの、音の良さでは1N34? 回路は「無電源ラジオ原点回帰」で紹介したものとほぼ同じ。


基板部

1N34

コイル部固定

2連バリコンの一方のみ接続


 さっそくオーディオイヤフォンを接続し室内窓際で聞いてみると、NHK仙台第一がかなりの音量で聞こえてきました。もちろん外部アンテナなし。仙台第二も十分な音量。音圧低めのイヤフォンでも鳴ってくれます。特筆すべきは分離の良さ。信号のピークが先鋭で、何も聞こえないところから急に聞こえてきたかと思うとそこがピークという感じで、慎重にバリコンを回さないとNHK第二や東北放送は見失ってしまいます。直列に入れた10μFとエアバリコンによる相乗効果? 10μFを外すとピークは若干甘くなり、逆に音質は安定し聞きやすくなります。容量を変えてみるとまた違うかもしれません。いづれにしても、直径15cmのコイルにしては感度、分離ともなかなかのものです。小型で高性能を望むなら、やはり真円ループかな、と実感。


完成



 今回は接着作業が多かったことや、暇をみて少しずつ作ったので完成まで4日ほど要しました。配線方法など反省点もあります。部品数たった10点にも満たない簡素なラジオながら、工夫のしどころは尽きない、これが無電源ラジオの面白さかなと思います。一つ一つの部品や素材を吟味したり、その組み合わせによる違いを試してみたり・・・。次は、もう一方の15cmアクリルパイプ。さらなる高感度を求めて思案中です。







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