JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

特小100km超交信

2011年12月05日 | 里山 移動運用


 一つの通過点に過ぎないのかもしれませんが、特定小電力トランシーバーによる100kmを超える交信に成功しました。移動地は、宮城県の泉ヶ岳と福島県の移ヶ岳。交信距離102km。

《双方の移動地》
 仙台市泉区にある泉ヶ岳。前回と同じ旗頭展望台の予定でしたが、事情によりその少し下のスキー場最上部、リフト小屋前。南方向は何も遮るものがありません。標高780m地点。

 一方の移ヶ岳は福島県田村市船引町。地味な阿武隈山地にあって、ひときわ端正な山容で知られ、「美しが岳」とも称され、山頂からは360度の大展望を楽しむことが出来るのだそうです。標高994.5m。



 カシミール3Dで調べたところ、両地点の見通しは「見えます」判定。距離102.1kmと出ました。

 当日の朝、仙台は前日の雨が上がって、青空が広がっていました。ただし、夜半から風が強まり、暴風警報発令。ラジオからはJRも何本か運休して再開のめどが立たないとのニュースが流れていました。これから天気は回復に向かうはず、なんとかなるだろうと、ホームを出発。ところが、バス終点の泉ヶ岳駐車場に降り立ってみると、想定外の雨。前日の低気圧がまだ山沿いにかかっているよう。雪ならまだしも、冬の雨ほど始末に負えないものはありません。

 しばらく作業小屋の軒下で様子をみることにしました。1時間近く待っても雨の勢いはなかなか衰えません。移ヶ岳の方はもう登っただろうか、あちらも悪天候で難渋しているのでは?連絡つかないまま、今日は中止するしかないのか?そんなことが脳裏をよぎります。約束の時間を考えると、そろそろ登り始めなければならない・・・。と、その時、下から3~4人のパーティが登ってくるのが見えました。そして急に薄日がさし、雨はいつの間にか小さな霰に変わっていました。

 一気に高度を稼ぎ、スキー場上部に登り着いたあたりで、430MHzメインで当局を呼ぶ声が入感。相手局はすでに移ヶ岳山頂に登ったものの、あまりの強風に少し下ったところで待機しているとのこと。5分後に再会することにして、各々の地点に向かいました。こちらは、強風をまともに受ける旗頭展望台での運用をあきらめ、スキー場最上部のリフト小屋を背に風を避けることにしました。


泉ヶ岳スキー場 運用場所より

 時々、霰状の雪が吹き付けてきますが、天候はみるみる回復。眺望も開けてきました。蔵王連峰は雪雲の中。青麻山とそのはるか先に福島の阿武隈らしき山々が見えています。移ヶ岳がどれかはわかりません。

 まずは430MHz。相手局0.3W、当局0.5Wで59-59。強力かつ安定した伝搬を確認。さっそく特小トランシーバー(10mW)による交信実験を開始しました。こちらから呼んでみたところ、しばらくして応答があり、双方42~41程の不安定な交信。スノーノイズが大きく、交信続行が危ぶまれたため、いったん終了し、430MHzへ。そのうち、天候も安定してきたことから、再び特小実験。こちらはリフト小屋の前に座った状態、移ヶ岳局は山頂三角点を1m程降りた岩陰とのこと。今度は安定して交信できました。相手局からは、59~59+で、まるで山の麓と交信しているような感じ、とのレポートをいただきました。こちらからは55。ノイズと妙な発信音が断続的に絡んできますが、信号強度そのものが大きく下がることはありませんでした。




 特小トランシーバー100km超交信、成功。途中途切れることも、信号を見失うこともなく、1時間程安定して交信を続け、無事、ファイナルを送りました。

 移ヶ岳局に感謝。お疲れさまでした。


《使用リグ》
 当局  アルインコDJ-R20D
 相手局 ファーストコムFC-B47





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