JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

里山移動運用 事始め

2008年11月17日 | 運用スタイルなど
 無線を始める前からの趣味は山歩きでした。遭難対策の一つとして資格を取得したというのが、無線を始めたきっかけでした。今は、単に山に登りたいというよりも、無線がしたいから山に登るという気持ちにシフトしつつあります。初めの頃は、山頂に着いて、1~2局ほど交信して満足していたのですが、だんだん楽しみ方が変わってきたという感じです。

 ところが、登山と無線というのは、一見共通するようにも思えますが、そうでないところも感じてきました。特に、複数で山歩きをすると、山頂で休憩してお昼を食べて、時間のすきをみて無線を始める、でも他の同行者を待たせて、交信を続けるわけにもいかない。山頂が狭く、人が多いような時は、迷惑になるので、無線を始めるわけにもいかない、そんなケースが度々あります。そんなわけで、山岳移動では、1)広い山頂や尾根があり他の登山者と離れた場所が確保できる、2)なるべく人の少ない静かな山、3)単独(一人)で登る(または無線が趣味の人同士で登る)、がベターですね。

 春から秋にかけては、標高の高い奥羽山脈の山々に登りますが、冬場は里山歩きが中心になります。無線では高い山の方が有利ですね。でも、標高200~500m程の低山も予想しないところに電波が飛んでいったりしてその意外性が面白いです。最近は体力の問題もあって、里山からのQSOの面白さに魅力を見いだしています。

 装備は、山登りですから軽いのが何よりで、当局の場合はハンディ機です。FT817も考えているのですが、今のところVUのみの運用です。現在使っているのは、アルインコのDJ-S17(145M)とDJ-S47(430M)という機種で、形は同じ、バッテリーその他のオプションもすべて共通となっています。



 軽さから言えば、デユアルバンド機1台なのですが、トラブルが起こったときのことを考えて別々にしました。防水仕様で丈夫なこと、バッテリーが共用なので、2台で使い回しができること、乾電池でも5W出力できること、低周波出力(音量)が大きく、強風の中でも聞き取りやすい、など「山岳仕様」が気に入っています。性能的には、送受信とも特に劣っているとは感じません。価格も安く、2台買っても他社の1台分くらいです。

 バッテリーは、メインで使うのは、三洋から出ているエネループというニッケル水素電池です。これを附属の電池ケースに6個入れてセットするのですが、私が使った感じでは一番持ちが良いようです。この電池の優れているのは、リチウム電池のように継ぎ足し充電ができる(メモリー効果が起こらない)、自己放電(自然放電)が極めて少ない、という点で、使い勝手がよく気に入っています。いつもこの電池パックを中心に、予備で附属のバッテリーを2個持っていくというパターンで、5W運用でも1回の山行(数時間のQSO)には十分余裕があります。



 空中線は、始めのうちは、ハンディ機附属のホイップアンテナで楽しんでいたのですが、今は、別のアンテナを担いていくことが多いです。山での運用なので、現地で細かい組み立てが必要なものは敬遠しています。たとえば八木の場合、いくら蝶ねじで工具不要といっても小さいナットやワッシャーを凍えた手で取り扱うのは無理がありそうに思います(・・・でも使ってみたいです)。
 よく使うのは430用スイスクワッドと2バンド兼用モービルホイップです。コメットのSBB7というのを使っています。利得がある割りに軽めで3分割するとデイパックにちょうど入ります。組み立ては、六画レンチで締めるだけなので、1分もかかりません。スイスクワッドもデイパックにそのまま入ります。はじめは、これらを変換コネクターで直付けしていました。ただ、これだと、無線機側のコネクターを痛めやすいのと、長時間の運用では手が疲れます。
 そこで、小型のカメラ三脚に取付けてみることにしました。三脚のカメラ固定用のねじに「めがねクリップ」をナットで固定し、モービルホイップをワンタッチで挟むようにしました。後はMJ-SMAPの変換ケーブル1mでハンディ機と接続します。使った感じは、たいへんFBです。同じように、スイスクワッド(430MHz用)もワンタッチです。カメラ三脚なので水平、垂直、仰角を自由自在で変更できます。今は、このスタイルに定着しつつあります。







 本格的な移動運用とはほど遠いお手軽運用ですが、準備の手間を最小限にして、自分の足で稼ぐという感じでしょうか。天候もすぐ変わることがありますし、予期せぬ大集団の登山者がやってくることもありますので、撤収や場所の移動をすばやくできるような状態での運用が一番だと思います。しばらくは、小さな里山に登ってはCQを出して電波の飛び方を楽しみたいと思っています。



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