JMIU 全日本金属 博多協議会

全日本金属 ・ 情報機器 労働組合
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6ヶ月以下の契約社員が全体の9割!

2006-04-12 22:13:00 | 雇用・労働
二つ前の記事で、NHKの「生活ほっとモーニング」を取り上げましたが、
その中でコメンテイターの鴨桃代さん(全国コミュニティ・ユニオン連合会会長)は、
契約社員の実情について、
3ヶ月以下の契約を繰り返している契約社員が全体の66%(3人に2人)。
これを6ヶ月まで伸ばすと契約社員の88%にもなり、
契約社員のほとんどが長くても6ヶ月しか仕事が保障されていない
不安定労働者であることを静かに告発しました。

1年間以上の契約を続ける労働者は殆どおらず、
何時打ち止めにされるか解らない短期間の契約を
更新し続けなければならないのです。
これが労働組合への参加の足枷になっています。
にらまれたら契約更新がされず放り出されるという危険をいつも背負っているのですから。

労働組合法では不当労働行為になりますが、知らない方が殆どです。
労働組合がこういう足枷を突破できるよう、
不安定労働者が頼れる存在にならなければなりません。

4月12日に「生活ほっとモーニング」が提供した情報は、そういう意味では重要なものでした。
ここまで紹介した以外にも、さまざまな内容が紹介されましたが、全ては覚えていません。


公務パート裁判 雇止め解雇事件、日本初の地位確認を認める勝利判決

2006-04-12 18:01:36 | 労働運動
一つ前の記事の終わりの方に書いた、本日のNHK「生活ほっとモーニング」で紹介された「公務パート裁判 雇止め解雇事件」についての続報です。
この判決では『任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生活があるのであって、道具を取り替えるのとは訳が違うのである』として使い捨て労働に警鐘を発しています。
また、『本件任用更新拒絶は、著しく正義に反し社会通念上是認しえないというべきであって』と反社会性を告発するものとなっています。
昨今の反動的判決が横行しているなかでは画期的な判決と言えるでしょう。

判決の内容の一部を正確に引用します。
**********************
 思うに、非常勤職員と言っても、任用更新の機会の度に更新の途を選ぶに当たっては、その職場に対する愛着というものがあるはずであり、それは、更新を重ねるごとにましていくことも稀でなはいところある。任命権者としては、そのような愛着を職場での資源として取り入れ、もってその活性化に資するように心がけることが、とりわけ日本の職場において重要であって、それは、民間の企業社会であろうと公法上の任用関係であろうと変わらないものと思われる。
 また、非常勤職員に対する任用更新の当否ないし担当業務の外注化の当否については方針もあろうが、任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生活があるのであって、道具を取り替えるのとは訳が違うのである。
 これを本件についてみるに、国情研においては、原告ら非常勤職員に対して冷淡すぎたのではないかと感じられるところである。永年勤めた職員に対して任用を打ち切るのであれば、適正な手続きを試み、相応の礼を尽くすべきものと、思料する次第である。

本件任用更新拒絶は、著しく正義に反し社会通念上是認しえないというべきであって、---特段の事情が認められる場合に該当するものと思料する。
 よって、任命権者たる国情研所長が原告に対して、平成15年4月1日以降の任用更新を拒絶することは、信義則に反し、許されないものといわなければならない。
**********************

元記事は下記URL:
クリック
<http://www.f8.dion.ne.jp/~wtutokyo/3.23.htm>

JMIU徳島地域支部 光洋シーリングテクノ NHKに登場

2006-04-12 12:18:18 | 労働運動


本日のNHK―TV朝の「生活ほっとモーニング」の中(8:35-9:25)で、JMIU徳島地域支部・光洋シーリングテクノ(以下、テクノと略す)の活動が取上げられていました。
「非正規雇用」を特集した番組でのことです。

最初に取上げられた事例はJMIUではありませんが、25年間に亘り派遣現場を転々としてきた50代の女性です。今は派遣先も決まらず貯金も全く無い状況で、残り少ない先月分の給料を使い切りそうという悲惨な状況を語っていました。
ゲストの金子勝氏(慶應義塾大学・経済学部教授)は、「若い人々の半数が非正規雇用だが、この方の生活実態は、これら若い人々の将来を示している」と述べました。
コメンテイターの鴨桃代さん(全国コミュニティ・ユニオン連合会会長)は「女性の派遣は暗黙の35歳定年と言われており、35を過ぎると極端に派遣先の紹介が減る」と実態を告発。

次に取上げられたのがテクノの実態でした。
派遣か請負かを問う偽装請負の問題点が具体的に取上げられ、仲村、黒坂、矢部さんが出演していました。残念ながら私は携帯ラジオの音だけだったので映像をみることはできませんでしたが、NHKとしては画期的な番組でした。
現在、JMIUは当該地域の労働局に訴えていますが、対応は生温い印象でした。金子勝氏は、「労働局自身が法律を知らないんではないか」と労働局の対応を暗に批判し、国の姿勢が問われているという趣旨のコメントをされました。

特に「派遣先で1年以上経てば、派遣先企業は正規雇用を提案しなければならない」という法律を知らずに雇い止めに会っている人が多いのではないか」と強調されていました。
内多キャスターは「現場を支えている人たちの生活が成り立つような解決が望まれる」という趣旨の発言を何度も繰り返していました。

番組では「国立情報学研究所」で14年間働いた女性が、「非常勤職員」としての更新停止に納得できず地位確認を求めた裁判での地裁判決を取上げ、 同様の裁判で全国で初めて原告の訴えが認められたケースとして紹介していました。
「任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生活があるのであって、道具を取り替えるのとは訳が違うのである。・・・本件任用更新拒絶は、著しく正義に反し社会通念上是認しえないというべきであって」との判決文の一節も取上げられました。

コメンテイターの鴨桃代さんは「非正規労働者は物品費の費目で支出されるなど人間扱いされていない」と、使い捨て労働を厳しく批判。

金子勝氏は「労働者の使い捨て社会は異常である。そしてこれが特殊な事例ではなく、3割以上の人たちがこういう働かされ方をしている。息子や娘や親戚に必ず非正規雇用者が居る時代だ。 経済のグローバルスタンダードばかりが強調されているが、日本はILO条約にも批准していないなど、労働面ではグローバルスタンダードからかけ離れている」と強調されました。

内多キャスターは、「NHKにもこういう非正規の人たちが大勢働いている」とNHK自らの問題としてとらえ「こういう状況は絶対に避けて欲しい」と力強く締めくくりました。
他人事としてでは無く自らの問題として訴えた内多キャスターの勇気に感嘆しました。

NHK現場労働者の良心を示した番組でした。
なお番組中の発言と数値は、聞き覚えに付き正確ではありません。

JMIU徳島地域支部のリンク
クリック
<http://www.h7.dion.ne.jp/~mm-nd/714.htm>