Dr.mimaが医原病を斬る!

C型肝炎の解決を目指し、国の責任を追及するため闘っています。

HBVゲノタイプ (B型肝炎ウイルス遺伝子)

2015年02月27日 08時00分39秒 | B型肝炎訴訟
B型肝炎ウイルスは1968(昭和43)年に発見されたウイルスで現在世界の4億人に持続感染していると考えられています。
HBVはその遺伝子配列の違いにより8つの遺伝子型(ジェノタイプA、B、C、D、E、G、F、H)に分けられる。日本でみられるジェノタイプはA、B、C、Dの4種がほとんどで、その他の遺伝型は希です。
特に、日本におけるHBV持続感染者(HBVキャリアー)では、ジェノタイプB(85%)が最も多く、次いでジェノタイプC(12%)とA(2%)が見られます。
ジェノタイプAは欧米型・アジアアフリカ型のタイプで海外旅行時の性感染が原因でおこるもので、成人になってもB型肝炎ウイルスのキャリアになるという特徴があります。
しかし急性肝炎になっても劇症肝炎になることはありません。
ジェノタイプB、Cはセックスなどでも感染しますが、成人では急性肝炎で終わるか、時には劇症肝炎になります。ところがB型肝炎ウイルスキャリアになることはありません。
このため今回のB型肝炎訴訟(集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスキャリアになった)ではB型肝炎ウイルスのジェノタイプを調べることになったのです。
最近珍しい原告の親子に会う機会がありましたので報告します。
原告は66才女性HBs抗原陽性、HBV―DNA(タックマン法)3.7Lc/ml、祖母は88才、HBs抗原陰性、HBc抗体低力価で母児間感染は否定できました。
ところが息子(38才)、娘(36才)もB型肝炎ウイルスキャリアであるという。
調べて見ると息子はHBs抗原陽性、HBV-DNA3.5Lc/mlで軽度の肝機能障害があり、肝生検では慢性肝炎の所見(F1A1)でした。
娘はHBs抗体陰性、HBc抗体高力価でB型肝炎キャリアと診断しました。
母と息子は母児感染と考え矛盾はありませんでしたが、あえてジェノタイプも調べてみました。
結果は母のジェノタイプはBで、息子の方はCでした。
同時に行ったB型肝炎ウイルス(HBV)の分子系統樹解析では当然「感染の因果関係なし」という結論でした。
つまり息子は母児間感染ではなく、息子もまた集団予防接種による感染と考えられました。



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