坂の途中にある我が家には駐車場が1台分しかなく、
ずっと私が占領している。
田舎のこととて田んぼや畑の側に場所はあるのだが、
荷物を持って坂を上るのは辛いし、雨の日は困る。
夫が退職してしょっちゅう車で出入りするのにも気を使うし、
小さな孫を連れて里帰りする子ども達も大変だ。
ご近所が
消防法も何のそので、敷地一杯まで拡張工事をしていたり、
どんどん花を植えたりするので、
いつの間にかうちは袋小路のようになってしまった。
夫と相談し、一大決心して
道沿いの畑(3メートルほどの石垣の上にある)の土を取ってスロープを作り、
庭の3分の2をつぶして駐車場を作ることになった。
家1軒立つほどの見積りに
老後の事を考えて少しびびったが、仕方がない。
ショベルカーが庭に入り、植木をおこしていく。
夏のこととて植え替えてもつかないだろうとは思うが、
亡くなった義父が丹精していたことを思うと
無闇に捨ててしまうこともできない。
小さな石灯篭などはお寺へもらわれていったが、
松や槙やもみじはとりあえず少し離れた畑へ。
何事かあるというといつもここで写真を撮った、
鯉のぼりが泳いでいた、
子ども達の鉄棒やブランコがあった、
ひいおばあちゃんが背中をまるくして芝生の雑草を引いていた、
そんな思い出の庭とも今日でお別れ。
鍬入れ式に赤飯を炊いてきてくれた76歳の叔母は
「悲しくなるから見ない」と言って帰って行った。
この家の小さな歴史です。
ずっと私が占領している。
田舎のこととて田んぼや畑の側に場所はあるのだが、
荷物を持って坂を上るのは辛いし、雨の日は困る。
夫が退職してしょっちゅう車で出入りするのにも気を使うし、
小さな孫を連れて里帰りする子ども達も大変だ。
ご近所が
消防法も何のそので、敷地一杯まで拡張工事をしていたり、
どんどん花を植えたりするので、
いつの間にかうちは袋小路のようになってしまった。
夫と相談し、一大決心して
道沿いの畑(3メートルほどの石垣の上にある)の土を取ってスロープを作り、
庭の3分の2をつぶして駐車場を作ることになった。
家1軒立つほどの見積りに
老後の事を考えて少しびびったが、仕方がない。
ショベルカーが庭に入り、植木をおこしていく。
夏のこととて植え替えてもつかないだろうとは思うが、
亡くなった義父が丹精していたことを思うと
無闇に捨ててしまうこともできない。
小さな石灯篭などはお寺へもらわれていったが、
松や槙やもみじはとりあえず少し離れた畑へ。
何事かあるというといつもここで写真を撮った、
鯉のぼりが泳いでいた、
子ども達の鉄棒やブランコがあった、
ひいおばあちゃんが背中をまるくして芝生の雑草を引いていた、
そんな思い出の庭とも今日でお別れ。
鍬入れ式に赤飯を炊いてきてくれた76歳の叔母は
「悲しくなるから見ない」と言って帰って行った。
この家の小さな歴史です。